海外生活の経験を活かす 日本にない自分に合った空間づくり 開放感と利便性を求めたワンルーム

海外生活の経験を活かす日本にない自分に合った空間づくり
開放感と利便性を求めたワンルーム

海外で出会った理想の物件にリノベーションで近づける

4年半のシンガポールでの海外赴任を終え帰国した永松さん。42㎡の広さを持つ築40年の中古マンションを購入しリノベーションした。
「帰国してすぐに住んだのが賃貸マンションのワンルームで狭いところでした。それで自分に合う部屋を探したのですが、大体どこも似たようなもので。自分がイメージする生活をするためにはリノベーションするしかないかなと」と永松さん。
条件が合う1DKの物件を都内で見つけ、ワンルームにリノベーションした。「なるべく扉や壁などをなくしてシンプルな空間づくりを目指しました。仕切りがなければ、開放感はもちろんですが、家具の大きさに縛られずにレイアウトができるなどメリットが大きいです」。動線を遮るものがなく、自由度が高い空間には既存物件にはないアイデアを随所に見ることが出来る。
右奥にあった洋室との壁をなくしワンルームに。洋室にはクローゼットもあったため広い空間を確保できた。

右奥にあった洋室との壁をなくしワンルームに。洋室にはクローゼットもあったため広い空間を確保できた。

くさび形の躯体が、ダイニング、リビング、寝室をゆるやかに分ける。右奥にはウォークインクローゼットがある

くさび形の躯体が、ダイニング、リビング、寝室をゆるやかに分ける。右奥にはウォークインクローゼットがある

「賃貸の時はソファで寝落ちすることもありましたけど、今は仕切りがなくなって動線が良くなったおかげか、それがなくなりました」と永松さん。

「賃貸の時はソファで寝落ちすることもありましたけど、今は仕切りがなくなって動線が良くなったおかげか、それがなくなりました」と永松さん。

シンプルとミニマムを追求した住空間

永松邸はダイニング、リビング、寝室、ウォークインクローゼットが1つの空間になっているが、梁をうまく活かし緩やかなゾーニングを実現している。部屋全体がくさび形になっており、手前のリビングと奥のベットスペースが自然に分けられるようにした。
「スライドドアを設置して部屋数を増やせるという部屋がありますけど、床にレールがあると、そこにゴミが溜まるかなと。それもあって、レールがない部屋にしました。段差がなければロボット掃除機が全てやってくれますので」。作りは極力シンプルにしたかったと話す永松さん。扉はリビングと玄関の間と、水回りを一ヶ所にまとめた部屋の間の二ヶ所のみ。
収納家具が目につく所に無いのもこだわりの一つ。「物がバラバラしているのが好きじゃないので、一ヶ所に物をまとめられるように、ウォークインクローゼットを広く作ってもらいました」。玄関側から見て右側の壁を挟んで設置されたウォークインクローゼット。リビングとの間に扉はないが、入り口が死角になっていてシンプルな空間を邪魔することがない。
もう一つ開放感を演出しているのが天井。身長が180センチと高身長の永松さんは帰国後の物件で圧迫感を感じていたという。「シンガポールで住んでいた物件の天井は高さがありました。日本に戻ってきて住んだ部屋は天井が低くて」。そこで、天井を躯体現しにして高さを確保した。
永松さんお気に入りの場所。右奥の扉が玄関へ、左が水回りの部屋に繋がっている。

永松さんお気に入りの場所。右奥の扉が玄関へ、左が水回りの部屋に繋がっている。

MASTERWALのソファ。高身長の永松さんでもゆったり座ることができ、ロボット掃除機が下に入る高さがあるものを選んだ。

MASTERWALのソファ。高身長の永松さんでもゆったり座ることができ、ロボット掃除機が下に入る高さがあるものを選んだ。

リビングに設置された開放感を邪魔しないシンプルな棚。

リビングに設置された開放感を邪魔しないシンプルな棚。

玄関も極力シンプルに。シューズラックは扉のないものにし、圧迫感を与えない工夫がされている。

玄関も極力シンプルに。シューズラックは扉のないものにし、圧迫感を与えない工夫がされている。

収納量を計算し大半の物を収められるようにしたウォークインクローゼット。浴室をコンパクトにしたことで、この空間を生み出した。

収納量を計算し大半の物を収められるようにしたウォークインクローゼット。浴室をコンパクトにしたことで、この空間を生み出した。

キッチンはオーダーメイドで、使いやすさを重視し収納部分の扉をなくした。

キッチンはオーダーメイドで、使いやすさを重視し収納部分の扉をなくした。

水回りを一ヶ所に集約したホテルライクな空間

リノベーションをするきっかけにもなったのが、水回りのスペース。永松さんが一番こだわった場所でもある。この部屋にはバスタブがなくシャワーしか無い。「シンガポールで暮らしていた部屋はシャワーしかありませんでした。元々シャワーしか使わないし、バスタブを入れると場所をとるので、その分部屋を広くしたいなと」。お湯に浸かりたくなったら近所の銭湯に行きますと笑顔で話す永松さん。生活で必要な場所ではあるが、使う時間は他の部屋に比べて少ない。そこで浴室はシャワーだけにし、通常の半分のスペースで収めた。
このシャワールームには洗面所との間に扉がない。加えてトイレもシャワールームと一体となった空間に設置されている。「シンガポールの部屋は、水回りがまとまっていて使いやすかったんです。日本でもそんな部屋にしたくて仕切りをなくして一ヶ所にまとめました。扉がないので身支度も楽にできます。閉め切っていないからなのか、黒ずみも出なくなって掃除も楽になりました」。
実は次の海外赴任が決まっている永松さん。「もう少し日本にいられるかなと思って購入したのですが、思ったより早い出国になりました。部屋に手を加えたい所がいくつかあるので、次の帰国をきっかけにやりたいと思っています」。今度の赴任先ではどんなアイデアを得て部屋作りに活かすのか。自由度の高い空間だからこそ出来る楽しみ方がここにある。
水回りは一部屋にまとめ仕切りがない。床は白、壁がネイビーのタイルに統一した。

水回りは一部屋にまとめ仕切りがない。床は白、壁がネイビーのタイルに統一した。

トイレを背にすると、シャワースペースが奥に見える。リビングとの段差がなく、ロボット掃除機が行き来できるようになっている。

トイレを背にすると、シャワースペースが奥に見える。リビングとの段差がなく、ロボット掃除機が行き来できるようになっている。

一番こだわったシャワースペース。シャワーヘッドはドイツのハンスグローエ製。

一番こだわったシャワースペース。シャワーヘッドはドイツのハンスグローエ製。

永松さんの出身地でもある福岡の家具メーカー、アトリエ木馬のテーブル。高さをオーダーメイドで調整した。

永松さんの出身地でもある福岡の家具メーカー、アトリエ木馬のテーブル。高さをオーダーメイドで調整した。

真鍮製でエイジングを楽しめるAesopのアロマバーナー。

真鍮製でエイジングを楽しめるAesopのアロマバーナー。

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