ぐるりと回遊できるリノベーション 素地をそのまま生かして唯一無にのデザインに。

ぐるりと回遊できる130㎡超の2LDK既製品を使わない手作りの家に、
息子たちの絵を飾って。

母と同じマンションへ引っ越し。

今年で結婚19年目を迎えるM家は夫婦と息子2人の4人暮らし。4年前に約134㎡ある築31年のマンション物件を購入し、フルリノベーションをした。
「このマンションの別階には、私の母が住んでいます。いつか母と同じマンションに引っ越そうと思っていたので、売りに出たタイミングでここを買いました」と話すのは奥様。
結婚した当時から今日まで夫婦共働きのM家にとって、引っ越す前から近くに住んでいた奥様のお母様の存在は大きい。
「夕飯をつくってくれたり、子供たちのお世話をお願いしたり。夫婦で忙しい日々ですが、母のお陰で子育てができています。息子たちもおばあちゃん子なので、同じマンションに住むようになって喜んでいます」と続けた。
4LDKだった間取りは、約50㎡という広々としたリビング・ダイニングのある2LDKへと生まれ変わった。
築31年、総面積は約134㎡。

築31年、総面積は約134㎡。

縁側の造り付けベンチ。下は収納になっている。

縁側の造り付けベンチ。下は収納になっている。

配管がむき出しのスケルトン天井。

配管がむき出しのスケルトン天井。

「山上木工」のダイニングテーブル。

「山上木工」のダイニングテーブル。

天井の一部に木材を使い、内部には間接照明を仕込んだ。

天井の一部に木材を使い、内部には間接照明を仕込んだ。

天井まである造り付け本棚は、リビングの壁2面に設けた。

天井まである造り付け本棚は、リビングの壁2面に設けた。

本棚には息子たちの工作品を飾って。

本棚には息子たちの工作品を飾って。

「Vixen」の天体望遠鏡。

「Vixen」の天体望遠鏡。

下の息子さんが小学校3年生の時に描いた絵。

下の息子さんが小学校3年生の時に描いた絵。

上の息子さんが学校の授業でつくった亀やザリガニ。

上の息子さんが学校の授業でつくった亀やザリガニ。

キッチンも洗面台も。ローコストで造作を叶える。

リノベーションに求めるポイントは、最初から明確だったというM家。
「まずは収納が多いこと。引っ越した当初は本をたくさん持っていたので、それらを収納できる大きな本棚がほしいと伝えました」と話すのは、旦那様。
現在、本棚には2人の息子たちがつくった工作や絵が所狭しと並べられている。
「小学生の頃に絵を習っていたので、その教室で描いた絵や、学校の工作の授業でつくってきたものが中心です。子供たちの作品は飾りたいと思っていましたが、処分するタイミングが分からなくて、いつの間にかここまで増えました(笑)」
コンクリート剥き出しの天井や壁。パインの無垢材をそのまま貼った床。手作りの風合いを感じるこの家には、子供たちの絵がよく似合う。設計を担当した田村和也さんは、こう話す。
「僕自身、塗ったり加工したものがあまり好みではないです。壁はクロスを剥がしたままの質感を、木材はそのままの木目を生かして、セメントはセメント、タイルはタイルと、どれも素材の質感を生かしたデザインを心がけました」
キッチンにある造り付けの食器棚も、その一つだ。
「棚の取手部分はホームセンターで売っているような、何の変哲もないアルミの棒をカットしてつけました。キッチンも洗面台も、すべて造作です。家をつくるときは既製品をなるべく使わず、あるものを組み合わせて、できるだけローコストでつくるようにしています」と続けた。まさに手作りの家である。
リビングの一角に設けたペニンシュラキッチンは完全造作。

リビングの一角に設けたペニンシュラキッチンは完全造作。

食器棚はラワンランバーにアルミの取手をつけて造作。

食器棚はラワンランバーにアルミの取手をつけて造作。

キッチン内部には引き出しの収納がたっぷり。

キッチン内部には引き出しの収納がたっぷり。

キッチンからの眺め。左側に玄関、右側に洗面台が見える。

キッチンからの眺め。左側に玄関、右側に洗面台が見える。

洗面台からリビング方向への眺め。

洗面台からリビング方向への眺め。

玄関側から洗面台方向への眺め。

玄関側から洗面台方向への眺め。

玄関まで日光の届く、行き止まりのない家。

角部屋ならではの採光を生かした、回遊できる間取りもこの家の魅力だ。玄関から廊下を通ってリビングへ。リビングの一角にあるキッチンから、脱衣所、浴室、トイレと続いて玄関に戻ってくる導線だ。
「リノベ前はキッチン室があったせいで日光が入らず、リビング以外が暗かったです。今はぐるりと回遊できる導線に、各部屋の扉を引き込みの引き戸にしたので、扉をフルオープンにしたらリビングの日光と風が玄関まで届きます(旦那様)」
「行き止まりがないので、どの部屋にもアクセスが良くて便利です。キッチンの横に洗濯機があって、その奥に脱衣所が続いているので、家事の導線もすごくいいです(奥様)」
そして、設計士・田村さんの薦めもあり、壁の塗装は施工後に家族みんなでDIYをした。
「壁はちょっとこだわって、PORTER’S PAINTSのペンキを選びました。子供部屋、書斎、寝室、キッチンの壁ですね。真夏に家族みんなで一生懸命ぬりました(旦那様)」
「子供部屋は左右それぞれの壁の色を、息子たちに一枚ずつ選ばせました。あとは直感です(笑)書斎のオレンジは、赤と黄色のペンキを混ぜて自分たちで作った色です。コストの削減にもなったし、何よりも自分で手をかけると、家に愛着が湧きますよね(奥様)」
引越し当時、小学校3年生と6年生だった息子たちは現在、中学生と高校生に。これからもこの手作りの家で、家族の思い出が紡がれていくことだろう。
キッチン横に設けた書斎スペース。

キッチン横に設けた書斎スペース。

旦那さんが仕事部屋として活用している。

旦那さんが仕事部屋として活用している。

もともとの間取りではキッチン室の一部だった。

もともとの間取りではキッチン室の一部だった。

玄関。右に行けばリビング、左に行けば浴室へと繋がっている。

玄関。右に行けばリビング、左に行けば浴室へと繋がっている。

玄関横のWIC (ウォークインクローゼット) 。

玄関横のWIC(ウォークインクローゼット)。

約13㎡あるWICには靴、洋服、家電などを収納。

約13㎡あるWICには靴、洋服、家電などを収納。

子供部屋。壁は子供たち自らが塗装。

子供部屋。壁は子供たち自らが塗装。

廊下に飾られた息子たちの絵。

廊下に飾られた息子たちの絵。

リノベーションは「ますいいリビングカンパニー」に依頼。

リノベーションは「ますいいリビングカンパニー」に依頼。

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