ギャラリストのスケルトンリノベ アートが日常に溶け込む暮らし

ギャラリストのスケルトンリノベアートが日常に溶け込む暮らし

自由に飾って楽しむ住まい

内野夫妻は東京・千駄木の雰囲気に惚れ込み、当時築33年だったマンションを購入した。「このあたりは寺町で少し路地に入ると、その雰囲気が残っているんです。小さな店があったり、夏になれば縁日がやっていたり。そんな雰囲気が好きで購入前から2人で散歩しに来ていました」と話す夫の隆文さん。リノベーションは妻の恵理さんからの提案だった。「壁に釘を打って、ものを飾ったりできるマイホームが欲しかった」と話す。
住まいを見渡すと様々なアート作品が並ぶ。実はご夫妻ともにアート好きで、隆文さん自身も作品を手掛けるアーティストでもある。そんな夫妻が目指した住まいは“映える空間”。隆文さんの作品や、これまで2人で集めてきたアート作品やアンティークのコレクションをギャラリーのように展示できる住まいだった。
リビング。床のパイン材やアンティーク家具とスケルトン天井のコントラストがシンプルだが温かみのある空間を演出する。

リビング。床のパイン材やアンティーク家具とスケルトン天井のコントラストがシンプルだが温かみのある空間を演出する。

左側にある寝室を沿うようにL字の廊下があり玄関へ続く。

左側にある寝室を沿うようにL字の廊下があり玄関へ続く。

アンティークの室内窓。寝室への採光だけでなく、白壁のアクセントになっている。

アンティークの室内窓。寝室への採光だけでなく、白壁のアクセントになっている。

アート作品を飾るための空間作り

元々は49.5㎡の2DKだった空間をスケルトンにして1LDKにした。「こだわった所は全部」と隆文さん。要望が多くデザイナーに提案してもらったというより、こちらがやりたいことを具現化してもらったと振り返る。そんなこだわりを形にしたのがSHUKEN Reだった。「若い人が多くて、細かいオーダーに対しても“自分たちもやってみたい”と乗ってくれる雰囲気があった」と恵理さん。
玄関を入って正面にキッチンへ伸びるL字型の廊下があり、その先がリビングになっている。リビングと部屋を区切っていた壁を取り、広い空間を作った。「入ってリビングが丸見えになるのではなく、導入部分があって奥に空間が広がっているというようなワクワク感を出したかった」と恵理さんが笑顔で話す。東側に設置された大きな窓が採光だけでなく、空間により開けた印象を与える。スケルトン天井や壁、ステンレスキッチンなどインダストリアルなベースがありながら、無垢のパイン材床やアンティーク家具に室内窓など木材で温かみを演出し柔らかさのある空間に。
内野邸を飾るのは、大型家電や家具ではなく夫妻が集めたアート作品。白壁に加え、天井にはアート作品を照らすスポットライト用のレールライトが設置されていたりと、作品の見栄えを大事にする2人のこだわりが垣間見える。「お互い自由に作品を置いて、気に入らなかったら変えるようにしています」と隆文さん。家具はシンプルで飾りも多すぎないリビング空間は、余裕があり画廊にいるようなゆったり感が心地良い。
飾られたアート作品を観たり、大通りに面した窓から街の様子を楽しめるお気に入りの場所。

飾られたアート作品を観たり、大通りに面した窓から街の様子を楽しめるお気に入りの場所。

西浦裕太や村田森らの作品が並ぶアンティーク棚。左のテーブルが隆文さんの制作スペースになっている。

西浦裕太や村田森らの作品が並ぶアンティーク棚。左のテーブルが隆文さんの制作スペースになっている。

自由にアート作品を壁に飾ることができるというのも物件購入の理由の一つ。白壁に照明、アイアンパイプと“飾る”を大事にした空間。

自由にアート作品を壁に飾ることができるというのも物件購入の理由の一つ。白壁に照明、アイアンパイプと“飾る”を大事にした空間。

生活に自然と溶け込むアート作品たち。ここで暮らしていると多くのインスピレーションが得られると内野夫妻。

生活に自然と溶け込むアート作品たち。ここで暮らしていると多くのインスピレーションが得られると内野夫妻。

ステンレスのシステムキッチンとモルタル壁のインダストリアルなキッチンスペース。

ステンレスのシステムキッチンとモルタル壁のインダストリアルなキッチンスペース。

リビングから見た玄関。玄関へ続く扉は隆文さんが選んだアンティーク扉で左側に寝室がある。

リビングから見た玄関。玄関へ続く扉は隆文さんが選んだアンティーク扉で左側に寝室がある。

玄関付近に飾られた銅版画家 浜口陽三の作品。

玄関付近に飾られた銅版画家 浜口陽三の作品。

インスピレーションを住まいから

玄関を入り、右側にはワークスペースを兼ねた寝室がある。リノベーションをするにあたり、それぞれのワークスペースを設けたいという要望があったと話す恵理さん。「お互いそれぞれ仕事ができる空間がほしくて寝室のスペースをどう使えば実現できるのか、夜な夜な2人で線を引いて話し合っていました」。玄関から入ってすぐにあったダイニングキッチンと洋室を隔てる壁を、より玄関側に寄せることで寝室と夫妻それぞれのワークスペースを確保。結果、玄関からリビングへのアプローチも生まれた。
今年7月、自身のギャラリー『アトリエウチノ』をオープンさせた。自宅のリノベーションを手掛けたSHUKEN Reが、そのギャラリー作りにも携わる。オープンのきっかけとなったのは今の自宅だった。「普段の暮らしからインスピレーションを受けることが多いので、衣食住で“住”を一番重要視していますね。この空間は新しい発想や挑戦の気持ちを後押ししてくれています」と恵理さん。ギャラリーでは隆文さんをはじめ、様々な作家が手掛けたジャンルに捕らわれない作品が並ぶ。アートに囲まれた住まいに後押しされ、新しいライフステージに踏み出した内野夫妻。「自宅同様、アンティークの家具を入れたりして、ここに似た雰囲気になったらいいなと」と恵理さんは笑顔で話した。
寝室。右奥が隆文さんのワークスペースになっている。

寝室。右奥が隆文さんのワークスペースになっている。

壁には隆文さんの作品を中心に飾られている。「夫の作品が多いので飾りながら収納しています」と恵理さん。

壁には隆文さんの作品を中心に飾られている。「夫の作品が多いので飾りながら収納しています」と恵理さん。

奥が恵理さんのワークスペースになっており、壁が程よいこもり感を与える。

奥が恵理さんのワークスペースになっており、壁が程よいこもり感を与える。

アンティークテーブルは持ち込みで、このサイズに合わせて空間の広さを決めていった。

アンティークテーブルは持ち込みで、このサイズに合わせて空間の広さを決めていった。

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