土間アトリエを併設憧れのホテルステイを日常に
癒しのボタニカルリゾート
75㎡をゆったりとした1LDKに
昨年末にリノベーションが完了し、新居に越したSさんご夫妻。物件探しでこだわったのは何より“眺望の良さ”だったという。ワンストップサービス「リノベる。」に相談して見つけた、ベランダから広い空へと視界が抜ける、築25年75㎡の3LDKを1LDKに変更した。
「この先、子どもが生まれるなどライフスタイルは変化するので、ずっとここで暮らし続けるとは思っていません。リノベーションももう1回やってみたいし、再販することも意識して、比較的築浅で資産価値の高い物件を探しました」。
夫が育てるグリーンでいっぱいに満たされたリビングは、サンルームのような雰囲気。夫婦ふたりが今、楽しめる暮らしを考えて空間を贅沢に使いリノベーションした。
「コンセプトは“ボタニカルリゾート”です(笑)。海外のリゾートホテルに泊まるのが好きで、現地にいるような気分で過ごしたい、と思って計画しました」。
アトリエとして機能する土間を
基本的なプランは、建築設計の仕事に携わる夫が自ら立てた。
「リノベる。さんにお任せすることもできるのですが、僕たちの場合は3Dパースを作って希望の間取りをお伝えしました。そこから、細かい具体的な仕様などを担当の方と一緒に決めていきました」。
LDKを広く取ることと、ワークスペース、土間を設けることは決めていた。玄関を入ると、いきなりワークスペースを備えた広々とした土間が現れる。
「ひと部屋を取り壊して土間にしたんです。ふたり一緒に仕事ができるし、オンライン会議の時はひとりがダイニングに移動すれば、声も気になりません」。
クローゼットとして設置した棚は、現在はディスプレイスペースに。靴などの収納に使う場合にはカーテンで目隠しもできるよう、カーテンレールも取り付けている。
「北側にあるこのスペースの窓から、南側のベランダの窓に風が抜けるので、グリーンの生育にも良いですね。玄関というよりは色々なことができる場所なので、私たちはここをアトリエと呼んでいます」。
アトリエの隣にあるLDKへの入り口は、ホールをイメージして広々と。光と風が室内へと招き入れてくれる。
アクセントウォールで変化をつけて
「ボタニカルリゾートなので、非日常感が感じられるように、細部のパーツや素材など、要所要所で使うものにこだわりました」。
落ち着きが感じられるよう壁紙は暗めのトーンで。前の家から持っていたダイニングテーブルの色味に合わせて全体のカラーを統一した。
「アイストップになる壁にはアクセントを持たせたいと思いました。キッチンの壁には白いタイルをあしらい、リビングはグレーベースのポーターズペイントを塗装しました」。
リビングのアクセントウォールには、棚板を渡してグリーンを上から垂らして。
「実は、リビング中央の梁が壊せないことに後から気づいたんです。梁がそのまま現れていると、大事なポイントであるリビングの壁が、キレイな面として見せられません。色々悩んだ結果、1枚の板を横に渡すことを思いつきました。結果、グリーンを置く場所を上部にも確保できて、良かったと思います」。
リビングボードにしているのは造作の棚ではなく、IKEAの収納の上に、ホームセンターで購入し塗装した板を載せたもの。プロのアイデアが様々な部分に活かされている。
リゾートホテルの非日常感を
「コンセプトはリゾートなので、モダンなホテルライクではなく癒される雰囲気を大事にしました。ホテルのダイニングなど、写真もいっぱい見て参考にしましたね」。
特に満足しているのは、新婚旅行先のカンクンのホテルにインスパイアされたサニタリー。
「妻の希望で、ここだけはオレンジ色っぽいポーターズペイントを塗装しました。ちょっと冒険だったのですが、やってみたらふたりとも、とても気に入っています」。
間接照明が、上から凹凸のある壁を照らし、陰影のある光を下に降ろす。リノベ前と位置は変えず、壁だけを動かして広くさせたサニタリーは高級ホテルのようなイメージだ。さらにシンクの向かい側に木製のキャビネットを置いて、家事動線をスムーズにすることも考えた。壁には、ベトナムのダナンで買った思い出の絵を。
「あちこちの旅先で買ってきたものをあしらっています。旅の余韻も楽しみたいし、コロナの影響もあるのでしょうか、家でもリゾートにいるように癒される雰囲気を味わいたいんです」。
やりたいことをやり尽くした今、またいつかリノベーションをする夢も。
「完成した後は、学生時代の文化祭後の燃え尽き感がありました(笑)。コストの面で諦めたこともありますし、またチャレンジしたいですね」。