抜け感を生かしたリノベーション素材の質感にこだわった
経年変化を楽しむ暮らし
風や光が通る「抜け」のある住空間
築20年のマンションの1室を購入し、リノベーションをしたNさん夫妻。「以前は賃貸となっている戸建ての1階部分の1LDKに夫婦二人で暮らしていました。子どもが生まれたことをきっかけに新たな住まいの購入を検討するようになりました」(奥さま)。夫妻は、自分たちらしい住まいを実現するためにリノベーションを前提にマンションに絞って物件を探し始めた。
「他にはない家にしたいという思いから新築のマンションではなくフルリノベーションを選びました。ルーフバルコニーと風や光が通る『抜け』のある空間を外せない要素として、不動産屋さんとともに物件探しを行いました。コロナ禍とも重なり、難航した末にようやく出会ったのがこのマンションです」と奥さまは振り返る。こうして理想の条件に合う物件を見つけたNさん夫妻は設計・施工を行う株式会社FINDにリノベーションを依頼。心地よい住まいの実現を目指し、念入りに打ち合わせを重ねて家づくりを進めた。
「他にはない家にしたいという思いから新築のマンションではなくフルリノベーションを選びました。ルーフバルコニーと風や光が通る『抜け』のある空間を外せない要素として、不動産屋さんとともに物件探しを行いました。コロナ禍とも重なり、難航した末にようやく出会ったのがこのマンションです」と奥さまは振り返る。こうして理想の条件に合う物件を見つけたNさん夫妻は設計・施工を行う株式会社FINDにリノベーションを依頼。心地よい住まいの実現を目指し、念入りに打ち合わせを重ねて家づくりを進めた。
生活空間を最大限に確保
リノベーションでは、2LDK+ロフトだった間取りを1LDK+ロフトに変更。また、随所に収納スペースを設けているのが特徴だ。「部屋数よりも、家族のメインの生活空間であるLDKをできるだけ広くとりたいと考え、寝室と個室的な要素であるロフト以外は一つの空間にしています。家にいるときは家族で過ごし、もし一人の時間が欲しい場合は外に出るという形です(笑)。収納面では、生活空間を削らないように、収納のための家具はできるだけ置かないという前提のもと、限られた空間の中で最大限収納スペースをつくっていただきました」
奥さまが特にこだわった造作キッチンは、ステンレスの天板が描く直線のラインと大雪山のナラ材が組み合わされ、洗練されつつも空間に暖かみを与えている。「もともとは長野県の造作家具屋『HUMP』のキッチンを採用するつもりだったのですが、納期が間に合わなくて断念しました。そこでFINDさんに依頼して、テイストを似せたキッチンを造作していただきました」。
奥さまが特にこだわった造作キッチンは、ステンレスの天板が描く直線のラインと大雪山のナラ材が組み合わされ、洗練されつつも空間に暖かみを与えている。「もともとは長野県の造作家具屋『HUMP』のキッチンを採用するつもりだったのですが、納期が間に合わなくて断念しました。そこでFINDさんに依頼して、テイストを似せたキッチンを造作していただきました」。
経年変化の味わいを楽しむ
今回、N邸のリノベーションのキーワードとなったのは「経年変化」。玄関土間のモルタル、造作キッチンやフローリングの天然木など、時間の経過とともに味わいを増す素材が随所に使われている。中でもサビの質感が印象的なのがダイニングテーブルを貫くパイプスペースだ。N邸の設計を担当したFINDの齊藤加奈子さんは「広いダイニングススペースを確保するためには、どうしても撤去できないパイプスペース付近に配置する必要がありました。そのため、あえて柱に特殊なサビ加工を施し意匠性を高め、N邸の象徴としての意義をもたせました」と説明する。一方、ご主人は「最初にいくつかのプランを提案いただき、最後に見せていただいたのが、キッチンからリビングまで視線が抜けるこの間取りのプランでした。思い切った設計に夫婦ともに驚きつつも、これだ!とすぐに気に入りました」と振り返る。
Nさん一家がこの家に暮らし始めて、1年が経つ。住み心地について伺うと「最高です!」と声を揃える夫妻。「窓から入る風がLDK全体を通り抜けて、すごく気持ちいいです! 今後はルーフバルコニーをもっと活用していきたいなと考えています」と笑顔で締めくくってくれた。