個性のある間取りを改造リノベで手に入れた
家族の理想のカタチ
日の入る中1階の部屋
内装工事の会社に務める夫と、人気カフェで働く妻。おふたりが手に入れたのは、中庭のある築23年のマンション。
「リフォーム前提だったので、中古で探していました。ここは敷地に入ったところから開放感があって、建物の造りも面白い。“いじりがいのある物件だな”、と思いましたね」。
子供たちが伸び伸び過ごせるよう、足音などを気にしなくてよい1階が希望だった。
「中1階のこの部屋は理想的でした。フラットな1階だと暗くなりがちだけれど、ここは日が入って明るいし、子供も自由に走り回れます」。
玄関のドアを開けると、正面には古材を貼ったディスプレイスペースが。左右に広がる廊下の先には、右手にリビング、左手に子供部屋があり、両方の窓を通して光が家中を通り抜ける。
古材+アイアンをテーマに
夫の徹さんは、仕事柄、床材や壁材などたくさんの素材を扱ってきた。その中から、コストなども考慮して気に入ったものをセレクト。必要のない壁を抜き、天井も一部スケルトンにして、広さと高さを出した空間をイメージのままに彩っていった。
「古材+黒のアイアンが夫婦のイメージなんです」。リビングのテレビ台側の壁と玄関の壁は、厚みや太さがバラバラの古材を貼ってアレンジ。上から照明を当てて立体感を出した。
「他の壁面には壁紙の上からジョリパットを塗りました。無機質な感じを狙っているんです」。
床はアンティーク感の出るエンビタイルを採用。古さと温もり、インダストリアルがミックスされている。
リビングで目を引く、存在感のあるダイニングテーブルは、徹さんがDIYしたものだそうだ。
「アイアンの脚を金物屋さんにオーダーして、古材を1枚1枚ベースの板にはめていきました。キッチンの棚も自作です」。
キッチンは、黒のアイアンに合わせて、冷蔵庫やダストボックスにもシートを貼って黒で統一。以前はインテリアショップで働いていたという妻・安奈さんが、オープンシェルフのディスプレイを担当。カフェの厨房のような空気が流れている。
居室もクリエイティブに
ベッドルームは配管むき出しのインダストリアルな雰囲気が斬新。隣接していた部屋の壁を抜き、ベッドルームにつながるウォークインクローゼットを設けたという。ここには落ち着いたブルーグレーの壁紙を採用した。
「子供部屋は子供たちが楽しくなるよう、明るいブルーの壁紙にしました。家にいる時間が短いので帰ってきた時に楽しめる空間を作ってあげたかったんです」。
ベッド下は子供たちの創造性を高める場に。ここで6歳の長男・蒼士君は工作を、4歳の長女・綺子ちゃんはお絵描きを楽しむそうだ。
「もっと手を入れて秘密基地のようにしてあげたいと思っています。ゆくゆくは2部屋に分けたりするかもしれません。子供の成長に合わせてフレキシブルに変えていきたいですね」。
人を招いて楽しむ空間に
「賃貸に暮らしていた頃は、自由にやりたい気持ちがずっとあって。初めて思い通りにコーディネートすることができました」という安奈さん。インテリアショップなどをめぐっては買ってきたものを、徹さんに取り付けてもらう。毎日、部屋の中に植物も欠かすことがなく、ハンギングされたグリーンが癒しを与える。
「主人も私もホームパーティーが大好きで、いつもみんなに喜んでもらえるディスプレイを考えています。お料理も見せられるものを作りたいから、今、カフェで働きながら勉強中なんです。四六時中、インテリアやお料理のことを考えていますね」。
入居して1年半経った今は、バルコニーの緑化を検討中だとか。
「ウッドデッキを置いてプランターでハーブや植物を育てたいですね」。
楽しみがまだまだ増えていきそうだ。