一目惚れしたリノベ物件 頼もしいキッチンを中心に、好きなことにときめいて暮らす

一目惚れしたリノベ物件頼もしいキッチンを中心に、
好きなことにときめいて暮らす

リノベ済みマンションの感性に共感

港区に建つ築30年ほどのマンションに暮らすNさんとお母さま。お部屋に入ると目に飛び込んできたのは、大きなモルタルの造作キッチン。お二人は声を揃え、「このキッチンに一目惚れしたんです」と教えてくださった。
以前は賃貸マンションに住んでいたというお二人。いつか気に入ったマンションを購入したいと考え、インターネットでよく物件サーチをしていたという。「私たちは新築にはあまり興味がなくて、味のある中古物件を探していました。この住まいを見つけたリビタというサイトは素敵なデザインの物件がたくさん載っていて、よくチェックしていたんです」(Nさん)。
そして見つけたのが、大きなモルタルの造作キッチンを備え、ブルーグレーのシックな色合いを基調にしたこのお部屋。約70㎡で2LDKという間取りも2人暮らしにちょうどよく、間接照明やニッチなど、細部まで行き届いた繊細なデザインに心を惹かれた。
「このお部屋は、建築家の方が担当して、2019年にリノベーションが完了していた物件なんです。当初は中古物件を買ってから自分たちの好みに合わせてリノベーションをしようと考えていましたから、ここまでビビッと惹きつけられるお部屋に出会えたことは驚きでした」(Nさん)。
引っ越しは2020年の4月初頭。直後に緊急事態宣言が出されたが、新しい家で過ごす時間は充実したものだったと振り返る。
「お部屋自体のデザインが素敵だから、家具やインテリアがとても素敵に映えるのが楽しくて! 2人ともやる気に火がついて、1週間くらいで全部の荷物を片付けちゃいました」(お母さま)。

ゆったりとしたエントランスには造り付けの棚があり、収納力も抜群。壁には化粧梁・化粧柱を取り付け、ハンガーをひっかけられるようになっている。

ゆったりとしたエントランスには造り付けの棚があり、収納力も抜群。壁には化粧梁・化粧柱を取り付け、ハンガーをひっかけられるようになっている。

エントランス、廊下を通った先がリビングダイニング。壁や天井はもちろん、巾木までブルーグレーで統一されている。

エントランス、廊下を通った先がリビングダイニング。壁や天井はもちろん、巾木までブルーグレーで統一されている。

玄関を入った正面にあるNさんのお部屋。LDKやお母さまの個室とは距離があり、生活の時間帯が違うお二人住まいにとって理想的な間取り。

玄関を入った正面にあるNさんのお部屋。LDKやお母さまの個室とは距離があり、生活の時間帯が違うお二人住まいにとって理想的な間取り。

Nさんの個室から玄関を見る。引き戸になっているのでスペースが有効に使え、開けたままにしておくこともできる。

Nさんの個室から玄関を見る。引き戸になっているのでスペースが有効に使え、開けたままにしておくこともできる。

料理も食事も仕事もできる「オールインワン・キッチン」

こちらのお部屋のリノベーションを手がけたのは、建築設計事務所「A+Sa(アラキ+ササキアーキテクツ)」の佐々木高之さん・珠穂さん夫妻。引っ越し記念のホームパーティーに招かれたことを気に、今もNさん親子と交流が続く。ともに建築家でありデザイン性と住み心地を追求するお二人が特に力を注いだのが、大きなモルタルのオールインワンキッチンだった。「都会暮らしを満喫する住まい手が、料理、食事はもちろん、在宅ワークもこなせる生活の中心の場として、このキッチンを提案しました」(高之さん)。
継ぎ目が一切ない大きなモルタル天板の使い道は自由で無限大。食器類をしまえる引き出し、よく使うものをぱっと置ける棚も備え、頼りになる存在である。「キッチン側の床はリビングダイニングより一段下げているので、料理をする人と座る人の目線が揃い、会話も弾みやすくなっています。サイズもデザインも考え抜いたので、気に入っていただけてとてもうれしいです」(珠穂さん)。
「一番好きな場所はこのキッチン!」と声を揃えるNさん親子は、オールインワンキッチンがある暮らしを満喫。よく友人を招いては、元栄養士のお母さまがつくるお料理や大好きなお酒を楽しんでいると微笑む。「この前は、板前さんを招いてお寿司パーティーをしました。二人とも美味しいものを食べてお酒を飲んだり、お友達とワイワイ話すことが大好きなので、本当に魅力的なキッチンです」(お母さま)。
キッチンとしての役割以外では、リモートワークが多いNさんのお仕事デスクとしても活躍。デザイン性の高い空間にいると、仕事もはかどるという。

キッチンカウンターを囲むNさん親子と佐々木さん夫妻。光と風を心地よく取り入れた空間で、ホストもゲストもリラックスした時を過ごす。椅子はあえて違うものを並べ、楽しげな雰囲気に。

キッチンカウンターを囲むNさん親子と佐々木さん夫妻。光と風を心地よく取り入れた空間で、ホストもゲストもリラックスした時を過ごす。椅子はあえて違うものを並べ、楽しげな雰囲気に。

大きな窓から、たくさんのグリーン越しに開放的な景色が楽しめる。「この部屋に住み始めて、刻々と変わる夕日の色を楽しむなど、贅沢でゆったりした時間が生まれました」 (Nさん) 。

大きな窓から、たくさんのグリーン越しに開放的な景色が楽しめる。「この部屋に住み始めて、刻々と変わる夕日の色を楽しむなど、贅沢でゆったりした時間が生まれました」(Nさん)。

無機質なモルタルと生命を感じる植物の対比が楽しい。「食べたあとのアボカドの種、切り落としたパイナップルのヘタも可愛がって育てています」と楽しげなお二人。

無機質なモルタルと生命を感じる植物の対比が楽しい。「食べたあとのアボカドの種、切り落としたパイナップルのヘタも可愛がって育てています」と楽しげなお二人。

奥に見えるのがお母さまのお部屋。仕切り壁と室内窓で緩やかにつながり、光と風を遮らずに取り入れている。

奥に見えるのがお母さまのお部屋。仕切り壁と室内窓で緩やかにつながり、光と風を遮らずに取り入れている。

手仕事のときめきと植物の安らぎ

お母さまのお部屋をのぞくと、そこにはミシンやトルソーが。洋裁が趣味で、ご自分やNさん、お友達の洋服をつくることも多く、集中して布と向き合う時間を楽しむ場所だという。「娘たちが幼いころはよく、おそろいのお洋服をつくってあげていたんです。子どもが大きくなるにつれ洋裁からは離れていましたが、仕事をリタイアするタイミングでまたやりたくなって。教室に通って、お洋服から小物まで、いろいろつくっています」(お母さま)。
手仕事を愛する気持ちはNさんにも受け継がれたのか、Nさんが打ち込む趣味は陶芸。自らひねった食器類を始め、植木鉢や花器といった作品も、日々の暮らしを彩っている。「洋裁も陶芸も、『こういうのが欲しい』という気持ちを自分で叶えられるところ、無心になって打ち込めるところが魅力かなと思います。たまにキッチンカウンターで土をこねることもあるんですよ」(Nさん)。
さらにNさん邸を彩るのは、たくさんの植物たち。元々グリーンのある暮らしが好きだったが、この部屋に住んでからさらに数が増え、毎日話しかけながら成長を楽しんでいるそうだ。
「母が40年以上育てているゴムの木を挿木で増やしたり、ゆったりしたバルコニーでレモンやいちじく、いちごやミントを育てたり。植物は生活に張り合いや癒しを与えてくれるんです。このお部屋がモダンで素敵だから、お花もたくさん飾りたくなります」(Nさん)。
それぞれが好きなことを楽しむ、心地よい暮らしを実現したNさん親子。運命を感じるリノベ済みマンションとの出会いを機に、ときめきと安らぎのある日々を満喫している。

LDKからお母さまのお部屋を見る。開放感がありながらも集中できるアトリエ空間。二方向の窓と室内窓により、日中はどの時間帯でも光が入り込む。

LDKからお母さまのお部屋を見る。開放感がありながらも集中できるアトリエ空間。二方向の窓と室内窓により、日中はどの時間帯でも光が入り込む。

パッチワークのカラフルな布団カバーは、余った布地でつくったもの。トルソーには、製作中のサマードレスがかかる。

パッチワークのカラフルな布団カバーは、余った布地でつくったもの。トルソーには、製作中のサマードレスがかかる。

室内窓越しにLDKを見る。「料理と洋裁を同時進行することもあるので、この距離感をとても気に入っています」 (お母さま) 。

室内窓越しにLDKを見る。「料理と洋裁を同時進行することもあるので、この距離感をとても気に入っています」(お母さま)。

クッションカバーはお母さまの手づくり。赤い三重丸の布地は、大好きなお店「NUNO」で購入。余り生地でかわいらしいコースターもつくった。

クッションカバーはお母さまの手づくり。赤い三重丸の布地は、大好きなお店「NUNO」で購入。余り生地でかわいらしいコースターもつくった。

フォルムが美しい花瓶はNさんの作品。絵画は、友人のスペイン人アーティスト・Luis Mendo氏 の「THE HOME STAYER」シリーズ。

フォルムが美しい花瓶はNさんの作品。絵画は、友人のスペイン人アーティスト・Luis Mendo氏の「THE HOME STAYER」シリーズ。

エントランスでは、Nさんがつくったかわいらしい一輪挿しが並んでお出迎え。

エントランスでは、Nさんがつくったかわいらしい一輪挿しが並んでお出迎え。

230424nag-015

Nさんの作品たち。宴を楽しくする酒器も多い。2つの穴が空いた小さな玉は、「お箸をさして使います」という斬新な箸置き。

バスルームの扉のモチーフもNさんのお手製。

バスルームの扉のモチーフもNさんのお手製。

トイレの扉のモチーフもNさんのお手製。

トイレの扉のモチーフもNさんのお手製。

230424nag-018

廊下の突き当たりにも、Luis Mendo氏の「THE HOME STAYER」シリーズが。

こちらの躍動感あふれる犬の絵の画家は、なんと6歳の甥っ子さん!

こちらの躍動感あふれる犬の絵の画家は、なんと6歳の甥っ子さん!

Ranking Renovation