センスの良さが際立つヴィンテージ感を活かした
個性あふれるリノベーション
惚れ込んだマンション内での住み替え
都心の最寄り駅から徒歩数分という好立地に建つ、1972年竣工のヴィンテージマンションに暮らすIさま一家。現在暮らすお部屋は昨年秋にリノベーションが完成したばかりですが、実は10年以上前から、同じマンション内の別の部屋に住んでいたそうです。
「海外勤務から帰国して、このマンションに暮らし始めました。当初は賃貸でしたが、売りにだされたタイミングで購入し、リノベーションしました」(ご主人)。その際にリノベーションを依頼したのは、知人から紹介されたFINDでした。「収納の少なさや設備の老朽化による使い勝手の悪さなど、暮らしていて感じたデメリットを解消しつつ、好みのインテリアがなじむ空間にしたいとお願いしました」(奥さま)。
スケルトン状態からのリノベーションによって、快適になった住まいに満足していたというIさま夫妻。けれども、息子さんの成長とともに手狭に感じるようになってきたといいます。「当時の住まいは70平方メートル弱で1
LDKという間取りだったので、もう少し広いところに引っ越したいと考えました。いろいろと探しましたが、立地や環境の良さなどを考えると、このマンションを超える物件になかなか出会えませんでした」(ご主人)。そんな時に、マンション内でより広い部屋が売りに出されることを知ります。購入希望者が多いと聞いた夫妻は、マンションへの想いをムービーにしてオーナーに見ていただくことにしたそうです。「長年暮らしてきたからこその想いをお伝えできればと思いました。大切に住み継ぎたいという熱意をご理解いただけたようで、譲っていただけることになったのです」(ご主人)。
洗練されたスタイリッシュな空間にリノベーション
念願叶って手に入れた新たな住まいは、3面に窓のある角部屋で、明るく開放感たっぷり。十分な広さのあるこの部屋を、ゆとりをもたせた2LDKにリノベーションしました。今回のリノベーションも、前回同様にFINDに依頼。Iさま邸の2回のリノベを担当した設計士・笠原圭一郎さんは「1回目はスケルトン状態からのリノベでしたが、今回は質の高い造り付け家具などは生かしつつ、Iさまご夫妻のセンスを反映した空間にすることを意識しました」と話します。
Iさまご夫妻の希望は、前回とは異なる雰囲気に仕上げること。「前回のリノベでは、白を基調とした空間に床にはオーク材のフレンチヘリンボーン張りにしました。今回はイメージを変えて、ニューヨークのアパートメントのような洗練された空間を希望しました」。
メインとなるLDKの床は、セメントの風合いをイメージしたタイルを敷き、床暖房を導入。壁付けのキッチンと食器棚は既存のものを活かしつつ、食洗機やコンロ、オーブンなどの家電を新しいものに入れ替え、さらに扉にダイノックシートを貼りました。「マットなグリーンのシートを貼ることで、イメージがガラッと変わりました。食器棚の一部はあえてシートを貼らずにアクセントとして残しています」(奥さま)。
さらに、LDKに面した一画に、アルミフレームの建具で間仕切りできる息子さんのスペースを新設。ゆったりとした間取りで、家族3人それぞれの居場所をしっかりと確保しました。
インテリアの映える空間
LDKにはIさん夫妻が長年大切にしてきた家具や照明が配され、センスのよさが際立ちます。「家具は米国勤務だったときにニューヨークで買ったものがほとんど。今回のリノベにあたって新しく買い足したのは、ダイニングテーブルくらいです」(奥さま)。
さらにIさん邸を彩るのは、たくさんの植物たち。元々グリーンのある暮らしが好きだった奥さまが育てていたもので、日当たりのいいこの部屋に移ってから、植物たちもよりいきいきとしているようです。
また今回のリノベーションにあたっては、ご主人がDIYにも挑戦。寝室に面するベランダのウッドフェンスや洗面所のカウンターや収納をつくったほか、トイレのドアにペンキを塗りましたた。「トイレのドアは、壁のミントグリーンに合わせてオレンジ色のペンキを選びました。自分で手を入れることで愛着が増します」(ご主人)。
ゆとりのある空間で家族3人がゆったりと過ごす、心地よい暮らしを実現したIさん一家。今後も、味わいを増すヴィンテージマンションで豊かな時間が紡がれることでしょう。