ヴィンテージマンションに家族4人暮らし平日は首都圏、週末は山梨
で過ごすデュアルライフ。
車で通りがかって一目惚れした物件を購入。
アフタヌーンティー・ティールームで商品開発をしている坂下真希子さんを訪ねた。有名建築家が手がけたこのヴィンテージマンションを、16年前に購入して2LDKへとフルリノベーション。それ以来、夫と息子さん、娘さんの4人でここに暮らしている。窓から広がる新緑の景色が、物件購入の決め手となった。
「車でこのそばを通ったときに、一目惚れしました。高い場所から見た景色が、中庭があって北欧のようでした。気になって調べたら、ちょうど空き部屋が2つあり、どちらも内見することに。このマンションは階によって景色が全然ちがうんです。もう一つの部屋はもっと上の階だったのですが、私は目前に広がる新緑の景色が気に入りました」と話す、真希子さん。
同じ物件をリノベした経験のある設計士さんに依頼。
リノベーションの設計は、このマンションを手がけた経験のある設計士の増田浩隆さんに依頼をした。
「ここをやったことのある人なら話が早いと思い、お話を聞きに行ったら、『実はその事例はうちの自宅なんです』と言われて。実際に住んだ人だからこそできる提案をたくさんしてくださいました」と続けた。
たとえば、玄関とリビングの間に造作した長さ3.15mの本棚。玄関とリビングを仕切るパーテーションの役割を兼ねつつ、両面から収納できる仕様だ。リビング側には扉をつけず、テレビや本を見せながら収納。一方で、玄関側には扉をつけて、靴や傘、書類など雑多なものを収納している。
「この本棚は増田さんのご自宅にもありました。ご自身のリノベーションを行った際に、やってよかったこと、よくなかったことを我が家の設計に活かしてくださいました」
逆に反省を活かしたアドバイスは、キッチンの作業台に反映されている。
「バックカウンターの天板は、作業台としても使えるように奥行き55cmと広めに設計していただきました。そのぶん通路が狭くなるので、数人で作業するときに不便かな?と思ったのですが、実際に住んでいる増田さんから『作業台はあと5cm幅があれば、もっと使いやすかった』とアドバイスがあり今の形に。その助言の通り、使いやすくて気に入っています」と、真希子さん。
週末は家族で山梨の別荘へ。
今から8年程前に、自然豊かな山梨県の中古物件を購入した坂下家。
「子供たちの成長と共に手狭になり、広いところへの引越しを検討した時期もありました。しかしここ以上の物件には巡り会えず、購入には至りませんでした。その代わりに、週末だけでもゆっくりと家族で過ごせる場所を探すことにしました」
それ以来、週末は毎週のように家族で山梨へ。家族みんなで山登りをしたり、焚き火でBBQをしたり、自然の中で過ごす時間を楽しんでいる。
「正直、最初は『別荘をもつなんて特別な人だけがする贅沢なんじゃないの?』という気持ちもありました。しかし、車ほどの値段で買える格安物件だったこと、売却時も同価格くらいで売れる見込みのあったことが2軒目の購入を後押ししました」
さらに旦那様の「子供と一緒に遊べる期間はそんなに長くないから」という言葉にも背中を押されたという真希子さん。
「いま息子が中学3年生なのですが、部活に受験に忙しくて、最近はなかなか週末を一緒に過ごすことが難しくなってきました。家族団欒を思いっきりできるのは10年くらいじゃない?と旦那に言われたのが、今になって本当にそうだなと思います」
最後に今後のライフプランについて聞いてみた。
「そろそろ下の娘にも個室を考えたいし、息子の進路によっても生活スタイルが変わると思います。あと2、3年したら山梨の別荘を手放すことも視野に入れています。これからやりたいことを見つけて、また別の場所を買うのもいいな、と。様子をみつつ、その時々のライフスタイルに合わせて暮らしていこうと思います」と締めくくってくれた。