231204m-re猫と本と雑貨 好きなものが混在して共存する ジブリのような温かリノベ

猫と本と雑貨と暮らす好きなものが混在して共存する
ジブリのような温かリノベ

斬新なプランをベースに

都心東部の人気エリア。編集者のMさんは、2面に開口のある、運河に面した96年竣工のマンションの1室をリノベーション。
「住み慣れたエリアで探していたのですが、ここは共有部も清潔で、窓の多い明るい部屋だったのが気に入りました。新築も探しましたが、何かしら手は加えるだろうなと思っていたので、リノベーションは自然な流れでしたね」。
ネットで調べる中で、好きな事例が最も多かった『EcoDeco(エコデコ)』 に依頼。何パターンか出してもらったプランの中で、“いちばん面白そうなもの”をベースにして考えた。
「間取りに関しては、あまり自分の中に明確なイメージはなかったんです。例えば、廊下は普通に家の中央部にあるものと思っていたのですが、それを窓際に寄せてしまうなど、出してもらった案が面白くて」。
和室のあった3LDKを、回遊できるシームレスな間取りに。斬新でワクワクする70㎡は、2年程前に完成した。

部屋の中央に位置するベッドルーム、洗面&バスルームを挟んで回遊できる。

部屋の中央に位置するベッドルーム、洗面&バスルームを挟んで回遊できる。

2面から差し込む日差しが、家中に届けられる。

2面から差し込む日差しが、家中に届けられる。

グリーンとYチェアが好相性。猫が外を眺められるように、ベランダは壁ではなく柵がついている物件を選んだ。

グリーンとYチェアが好相性。猫が外を眺められるように、ベランダは壁ではなく柵がついている物件を選んだ。

LDKに2方向からアクセス

玄関を入ると広々とした土間が現れ、ガラス戸の向こうにオープンな本棚が連なって、室内へと招き入れてくれる。もう一つのドアは、キッチンへと接続するウォークインクローゼットへの入り口。洗面、バスルームへはそのどちら側を通ってもアクセスすることが可能だ。
「何か作業するときなど、猫を隔離できる場所も必要だったので土間を独立させました。LDKへの入り口は、脱走を防止するためにもガラス戸にしています」。
帰宅時には、ガラス戸の向こうで3匹の猫がお出迎え。造作の本棚はキャットウォークにもなっていて、上の段まで猫が飛び乗って運動不足を解消。個室に分けられていた開口のあるこのエリアを、仕切ることなく、本棚兼キャットウォークという機能を持たせつつ、廊下にしたデザインが秀逸だ。設計を担当したEcoDecoの齋藤泰憲さんは、
「たくさん保有する本や雑貨を見せて収めたい、というご希望を反映して本棚を造りました。開口部に沿った廊下は、通常より幅を広く取り、スツールに座ってそのまま本を読むこともできる、ライブラリーのようなスペースとして考えています」。
大切な思い出の本や漫画、アートや旅先で買った雑貨などが並んだエリアは、通り抜けるだけでワクワク感が盛り上がる。

土間にはヴィンテージの家具を置くことを考えていたので、床は杢感が出すぎないよう、ホワイトのオイルで塗装した。ガラス戸で光を通しつつ、猫の脱走を防止。

土間にはヴィンテージの家具を置くことを考えていたので、床は杢感が出すぎないよう、ホワイトのオイルで塗装した。ガラス戸で光を通しつつ、猫の脱走を防止。

ガラス戸の向こうは廊下であり、ライブラリーであり、好きな作品を飾ったアートスペース。

ガラス戸の向こうは廊下であり、ライブラリーであり、好きな作品を飾ったアートスペース。

土間はゲストが泊まれるよう、個室としても機能。イスに腰かけて寛ぐことも。

土間はゲストが泊まれるよう、個室としても機能。イスに腰かけて寛ぐことも。

本棚の棚板は自由に位置が変えられ、本のサイズに合わせて調整が可能。上の段は猫のキャットウォークに。

本棚の棚板は自由に位置が変えられ、本のサイズに合わせて調整が可能。上の段は猫のキャットウォークに。

土間から2方向にアクセスして、回遊できる。左手のドアはWICにつながっている。

土間から2方向にアクセスして、回遊できる。左手のドアはWICにつながっている。

好きなアーティストから自作の作品まで、アートや雑貨を飾る。

好きなアーティストから自作の作品まで、アートや雑貨を飾る。

以前から持っていた照明。やさしい灯りが廊下兼ライブラリーに連なる。

以前から持っていた照明。やさしい灯りが廊下兼ライブラリーに連なる。

WICは収納したいものの量を考えて設計。洗面、バスルームにも接続し、動線がよい。

WICは収納したいものの量を考えて設計。洗面、バスルームにも接続し、動線がよい。

セミオーダーのシンクに合わせてデザインした洗面。丸いミラーや照明は、自らセレクトした。

セミオーダーのシンクに合わせてデザインした洗面。丸いミラーや照明は、自らセレクトした。

家具から全体をイメージ

廊下兼ライブラリーを進むと、カーテンで緩く仕切られたベッドルームが現れる。
「ベッドルームの床は、リビングと切り替えるために、レベルを上げています。窓の近くに配置したかったので、廊下を挟んだ位置に設け、さらに閉じないようにするため、扉をつけませんでした」(齋藤さん)。
LDKの一部のように存在するシンプルなベッドルームには、コットンのカーテンを通して、毎朝柔らかな光が差し込む。仕切り壁のコーナーにはR曲面がつけられ、光がやわらかくリビングに回り込む。
「もともとインテリアが好きだったのですが、引っ越し前までは抑えていた部分があるんです。ここにきて好きなもので揃えることができたのがうれしいですね」。
リビングにはHAYで購入した大きなソファが鎮座。照明は丸いシェードを探してイサム・ノグチを、ダイニングテーブルは脚が1本のものを探して揃えた。
「キッチンは、必要な機能と掃除のしやすさ、ラワン×グレーのカラーをリクエストしてオーダーしたオリジナルです」。
キッチンだけでなく、空間全体のトーンは白×グレー×木を希望。天井を白に、床をグレーに、木部はグレイトーンに染色して揃えた。木の家具を配置することを予め想定して、Mさんがイメージしたものだ。

廊下を進むと現れるベッドルーム。段差に腰かけて、目の前の本棚から取り出した本を読むことも。

廊下を進むと現れるベッドルーム。段差に腰かけて、目の前の本棚から取り出した本を読むことも。

ベッドルームとリビングの仕切り壁は、コーナーにRをつけた。光がやわらかく回り込む。

ベッドルームとリビングの仕切り壁は、コーナーにRをつけた。光がやわらかく回り込む。

ベッドとキャットタワーだけのシンプルなベッドルーム。

ベッドとキャットタワーだけのシンプルなベッドルーム。

明かりは間接照明で。やさしい光が室内を灯す

明かりは間接照明で。やさしい光が室内を灯す

吊り棚などは設けず、キッチンツールはオープンな吊るし収納に。奥の引き戸を開けると、WICが現れる。

吊り棚などは設けず、キッチンツールはオープンな吊るし収納に。奥の引き戸を開けると、WICが現れる。

ステンレスの天板にラワン×グレーのカラーで造作したキッチン。猫の安全を考えてIHコンロを選択した。

ステンレスの天板にラワン×グレーのカラーで造作したキッチン。猫の安全を考えてIHコンロを選択した。

猫との暮らしを考えて

「床にはボロンというビニールを編み込んだ素材を敷きました。猫と暮らす上で、フローリングだとメンテナンスが大変。ボロンなら汚してもさっと拭けるので楽なんです」。
ボロンはグレー色の猫から発想して、グレーをセレクト。引っ越し後に1匹迎えて3匹になった猫の安全性を考えて、窓にルーバーの建具も取り付けた。室内には猫のためのグッズもたくさん揃っている。
「色々なものが混ざっていますが、ピシッとしていてキレイというより、どこか生活感が残っている、“ジブリの実家”みたいな家が好きなんです。ものを飾っておけるようにとリクエストしたので、これまで置く場所がなくて眠っていたものたちも、やっと陽の目を見ることができました(笑)。自分も寛げて、遊びにきた人もついのんびりとしてしまう、そんな家になったと思います」。
大切な猫と大好きな本や雑貨。それらが混ざり合って存在する空間。引っ越し後に結婚した夫とともに、日当りのよい空間で、暖かな暮らしが営まれている。

床はフローリングではなく、ボロンを使用。グレーに白と茶が編み込まれ、全体の色調になじむ。

床はフローリングではなく、ボロンを使用。グレーに白と茶が編み込まれ、全体の色調になじむ。

本棚にはアートから民藝品、友人のお土産など、何でも並ぶ。窓にはルーバーの建具を。

本棚にはアートから民藝品、友人のお土産など、何でも並ぶ。窓にはルーバーの建具を。

“こぐまちゃん”が来てから、グレートーンの家をイメージするようになったそう。

“こぐまちゃん”が来てから、グレートーンの家をイメージするようになったそう。

とら猫の“うーちゃん”は、人なつっこく好奇心旺盛。

とら猫の“うーちゃん”は、人なつっこく好奇心旺盛。

日当りのよいダイニングで。

日当りのよいダイニングで。

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