リノベーション入門④空間に反映したい 人気のリノベスタイル

リノベーション入門④ 空間に反映したい
人気のリノベスタイル

洗練されたクールでスタイリッシュな空間に仕上げて、家時間を楽しんだり、ゲストを招いたり。満足のいく暮らしを手に入れるには? コンクリート現しやガラスの間仕切り、造作家具にタイル、そして照明計画…。人気のスタイルで今らしくデザインする、おすすめのインテリアをご紹介。

クールな現しに味わいをプラス

クールな現しに味わいをプラス

自由に空間を創りあげることができるリノベーション。価値観が多様化した今、ミッドセンチュリー系やインダストリアル、和モダン、北欧スタイル、海外アパルトマン風など、個性的で独創的なインテリアが、リノベーション物件にはたくさん存在する。
 中でも「TO KO SIE」で注目されているのが、建物の構造部分であるコンクリートの躯体に、塗装やクロス貼りなどの仕上げを行わず、そのまま剥き出しにして見せてしまう「躯体現し」。最近のヴィンテージ家具ブームと相まって、相性のよいこのふたつのコンビネーションが大人気だ。
 天井を躯体現しにすれば、仕上げを行わない分、天井高が高くなり開放感が得られるのがそのメリット。ダクトや電気配線の配管が露出するため、無機質で武骨な雰囲気になる。もう少しマイルドに仕上げたければ、梁のみを躯体現しにするというデザインも。白塗装などを施すと、ややナチュラルな雰囲気もプラスでき、そのデザインバランスも楽しみたいところ。
 ただ、古いマンションの最上階では、断熱材を入れる必要がある場合もあり、天井を現しにできないこともあるので注意。躯体現しにしたいと考えている場合は確認しておこう。

壁で仕切らずフレキシブルに

空間を仕切らず、広々と使いたいという希望から、最近多く取り入れられているのが、壁などを立てず家具や収納をパーテーションとして兼用する方法。玄関から室内への廊下を排して、代わりに収納棚を設置し、空間を無駄なく使用するプランが人気だ。天井を塞がないことで、広がりも感じられる。リビングダイニングには、ソファを緩やかな仕切りとして置いてもいい。収納棚などは空間に合わせて造作すれば、サイズもぴったりで、インテリアにもなじんでくれる。

照明計画で雰囲気を演出

リノベーション時に、ぜひ検討したいのが照明計画。希望の間取り、好みのインテリアを実現したのに、全体照明では雰囲気を演出できない。センスのよい住まいの主流は間接照明。壊せない梁の際にライン照明を施したり、下がり天井に仕込んだり、壁面を照らすスポットライトを取り付けたり。全体ではなく、照らしたい場所だけを照らすことで雰囲気が出る。調光調色も、仕事や子供の勉強、リラックスタイムで切り替えられるようにしておきたい。
ガラスの間仕切りで緩く仕切る

ガラスの間仕切りで緩く仕切る

昨今の人気スタイルは、暗く閉じた場所のない、開放的な空間。通り抜けるだけの廊下やドアなどは、できるだけ排除される傾向にある。
 そんな中、注目されているのはガラスの間仕切り。ベッドルームをガラスの引き戸で仕切ったり、ワークスペースにガラス戸で光を通したり。いずれも開け放しておけば、LDKなどの空間と一体となり、広々とした大空間を確保することができる。
 特に、ベランダから玄関に向かって細長い形をした部屋の場合、玄関方向にまで光を通すことができて有効だ。ガラスが危険だと感じる場合には、透明アクリルなどを用いるのもおすすめ。造作する場合は、格子の大きさやラインの位置など、デザインにこだわって楽しみたい。
表情のあるタイルをあしらう

表情のあるタイルをあしらう

キッチンや洗面など、水廻りで使われることが多いタイルは、リノベーションの人気アイテム。色や形のバリエーションが豊富で、目地の入れ方や貼り方でも印象が変わってくる。
 シンプルで取り入れやすいと人気なのがサブウェイタイル。ニューヨークの地下鉄の構内で使われているタイルの種類で、どんなインテリアにも合わせやすく、カフェのような雰囲気を演出できる。その他、ボーダータイルやモザイクタイル、モロッカンタイルなど種類も様々。汚れ・傷に強く、耐久性が高いのも魅力だ。

モルタル・モールテックスを使う

玄関土間やインナーテラス、部屋全体の床、そしてキッチン台やテーブルの天板などにも、モルタルやモールテックスを使ったスタイルが人気だ。無機質でありながら味わいがあり、ヴィンテージやデザイナーズの家具とも相性がよいのがその理由。一部に取り入れるだけでも、空間がぐんとスタイリッシュになる。
 もともとの材料はほぼ同じだが、モルタルはセメントと砂を水で練った左官材で耐火性に優れ、凹凸のない美しい仕上がりが、シンプルなインテリアにマッチする。価格もリーズナブルだが、クラックというひび割れが入りやすいのがデメリット。一方、モールテックスはモルタルの材料に特殊な樹脂を混ぜて作られるもので、より滑らかでツヤがあるのが特徴。防水性と柔軟性に優れているため、クラックが入りにくいメリットがあるが、価格は高めで、定期的なメンテナンスが必要となる。
 玄関土間には、ひび割れも味に感じられるモルタルを、キッチン、洗面台などの水廻りや家具などにはモールテックスなどと、使い分けるのもよい。

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