異国情緒あふれる住まい モロッコのエッセンスを効かせ カルチャーMIXを楽しむ

建築家の部分リノベ優雅に曲線を描く
本棚が主役の家

リノベ済み物件を自分好みにアレンジ

建築家の風間 健さんは、2歳を迎える男の子と家族3人で暮らす。窓の外に行き交う、様々な顔の列車に男の子は夢中だ。
このスカイツリー近くの家は、リノベーション済の部屋を購入し、自分らしさを叶えるリビングを中心に再リノベーション。キッチンと洗面バストイレ、2つの個室は手を加えずにそのまま残した。
「自分の本業の建築の仕事は大型プロジェクトが中心なので、住宅の設計とは勝手が違います。学生時代の後輩の『hamsand.studio(ハムサンドスタジオ)』の伯耆原 洋太と共に設計を進めました」。

曲線を描く窓に沿うように、リビングを蔵書がグルリと取り囲む。
「蔵書を仕舞い込まず、本に囲まれて暮らす生活をしたいと考えました」。
棚板の集成材の積層面が美しい。
「天井に近い棚板は厚みのあるものを使いました。棚板の厚みのピッチを揃えるか変えるか最後まで悩みましたが、厚くすることでLEDも仕込めましたし、円形の棚の存在感も増したので、厚くして良かったと思います」

大好きな本にグルリと囲まれたリビングが生まれた。

窓と本棚の曲線がシンクロする。「どこにでもイスを置くことができる円形のダイニングテーブルは、3DデータをWEB入稿したら材料をカットして送り返してくれる『エマーフ』を利用してDIYしました」。イスは天童木工。

64㎡築25年のリノベ済みのマンションを、必要な部分だけリノベーションした。写真右手のキッチンと洗面、個室部分はそのまま生かした。既存の壁のクロスに塗装を加えている。

62㎡築25年のリノベ済みのマンションを、部分的にリノベーション。写真右手のキッチンと洗面、個室部分はそのまま生かした。既存の壁のクロスには塗装を加えている。

本棚は窓の曲線を活かしている。

本棚は窓の曲線を活かすことで、大好きな本にグルリと囲まれたリビングが誕生した。

窓の外には電車が走る。長距離、中距離、様々な顔の電車がひっきりなしに走るので、風間さんのお子さんは大喜びだそう。

窓の外には電車が走る。長距離、中距離、様々な顔の電車がひっきりなしに走るので、風間さんのお子さんは大喜びだそう。カーテンはクヴァドラ。

部屋を厚みのある集成材がグルリと囲む。集成材に仕込んだLEDが薄いピンクに塗った壁に反射し、豊かな陰影を作る。

リビングを厚みのある集成材がグルリと囲む。集成材の裏側に仕込んだLEDが薄いピンクに塗った壁に反射し、未来感のある豊かな陰影を作る。

本棚に有孔ボードで物入れを作った。

「一部の棚に有孔ボードで物入れを作りました」

有孔ボードと、オリジナルの照明器具のドットがリズミカルに空間を繋ぐ。

有孔ボードと、オリジナルの照明器具のドットがリズミカルに空間を繋ぐ。

オリジナルの照明器具はサイドにダクトレールを設置し、スポットライトを追加できる仕様。

オリジナルの照明器具はサイドにダクトレールを設置し、スポットライトを追加できる仕様。

それぞれのワークスペースを確保

夫婦二人のそれぞれのワークスペースを確保しつつ、他に独立した個室が2部屋。豊かな空間は62㎡とは思えない広がりを感じる。
リノベ済みの場所と、新たに手を加えた空間をはっきりと分けることで、リノベのコストを抑えることにも成功。水回りの設備はそのまま生かしている。

ワークスペースはリビングの本棚と連続的に繋がる。

本棚を共有しつつ、リビングとゆるやかに空間を分けるワークスペース。

ワークスペースはカーテンでゆるやかに仕切ることができる。

集成材の積層断面と曲線が美しい。「大工さんがいい仕事をしてくださいました」。本棚越しに奥の個室へと視線が繋がる。

奥様のワークスペース。リビングとカーテンで仕切ることができる。子どもの成長に合わせ、個室として使うことも想定。

手前が奥様のワークスペース。カーテンを引けばリビングと仕切ることができる。子どもの成長に合わせ、個室として使うことも想定。

リビングをグルリと囲む集成材を使ってカーテンを下げている。衣類を収納するグリーンの扉のクローゼットは床から浮かせ、照明を仕込んだ。

リビングをグルリと囲む集成材を使ってカーテンを下げている。衣類を収納するグリーンの扉のクローゼットは床から浮かせ、照明を仕込んだ。

見せる収納&隠す収納

「リビングの仕切りはドアではなく、カーテンを使っています」
空間がゆるやかに、フレキシブルにつながる。
「妻のためのワークスペースがありますが、今はまだ子どもが小さいのでリビングのダイニングテーブルで仕事をすることが多いようです」
お子さんの成長に合わせ、部屋の使い方もゆるやかに変わっていくはずだ。

「この家のプランを考える時、僕も妻も本と服が好きなので、それらをどう収納するかが課題でした。
本に囲まれて暮らしたいという希望を叶えるため、本は見せて収納し、服はクローゼットに仕舞って収納することにしたのですが、そのプランが上手くいき、とても満足しています」

本棚には一部ベンチも設置。まだまだ収納可能な余白が心地よい。

本棚には一部ベンチも設置。まだまだ収納可能な余白が心地よい。カーテンで空間を分けている。

「玄関は土間スペースを広げました。ベビーカーを置けるのでとても便利です」。壁の色は敢えてダークなグレーに。

「玄関は土間スペースを広げました。ベビーカーを置けるのでとても便利です」。壁の色は敢えてダークトーンのグレーに塗装し、廊下を抜けた先の明るいリビングとのコントラストを楽しむ。

暗い玄関から明るく開けたリビングを望む。リビングを丸く囲む天井の曲線の集成材が印象的。

暗い玄関から明るいリビングを望む。リビングを丸く囲む天井の曲線の集成材が印象的。

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