美容師ご夫妻のDIYリノベーション 譲り受けた家具が調和する ノンジャンルの手作り空間

美容師ご夫妻のDIYリノベーション譲り受けた家具が調和する
ノンジャンルの手作り空間

友人の住んでいたヴィンテージマンションにお引越し

宮崎陽平さん、香織さんご夫妻は、6年前に築56年のヴィンテージマンションを購入。DIYでリノベーションし、愛猫のクロロと共に暮らしている。
「以前は庭付きの賃貸アパートに住んでいました。物も多くなり手狭になってきたので、引っ越しをしたいと考えていた時に、このマンションに暮らしていた友人から「空室が出た」と連絡があったんです。友人がここの大家さんと知り合いだったこともあり、トントン拍子に話が進みました」と話すのは、奥様の香織さん。
この部屋の前オーナーは、およそ40年住んでから退去。内見時の状態は、かなりひどいものだったという。
「正直とても汚い状態で、一体どうやって住んでいたんだろうと思いました。でもリノベーションをすることは決めていたし、すでにこのマンションに大好きな人たちが暮らしていたので、迷いはなかったですね」と続ける。
「クリエイティブな仕事をしている人から、20年以上住んでいる人、小さな子供のいるファミリーまで、老若男女いろんな方が住んでいます。家を留守にする時には、住人同士で猫の面倒を見たり、ゴミ出しをしたり、植物の水やりをしたりと、お互いに助け合う環境も心地よいです」と話すのは、旦那様の陽平さん。

壁や扉は取り払い、オープンな1LDKに変更した。

壁や扉は取り払い、オープンな1LDKに変更した。

寝室には「TOKYO DANCE.」で購入したガラスの扉を採用。開放感をもたせた。

寝室には「TOKYO DANCE.」で購入したガラスの扉を採用。開放感をもたせた。

寝室とリビングの間に壁はなく、クローゼットで緩やかに仕切っている。

寝室とリビングの間に壁はなく、クローゼットで緩やかに仕切っている。

床材のデザインは香織さんが手がけ、施工は「ウッドプロ」の監修。

床材のデザインは香織さんが手がけ、施工は「WOODPRO(ウッドプロ)」の監修。

ヴィンテージのチェストには、ドライフラワーやキャンドルを飾って。

ヴィンテージのチェストには、ドライフラワーやキャンドルを飾って。

ダイニングの円卓は、美術監督の友人から譲り受けた。

ダイニングの円卓は、美術監督の友人から譲り受けた。

初めてのリノベで大規模DIYに挑戦

リノベーションの設計は自ら手がけ、塗装や建具の設置などもできる限り自分たちで行った。夫婦ともに初めてのリノベーションだったが、同じマンション内にあるDIYリノベをした部屋が挑戦のきっかけになったという。
「このマンションの2階に本屋があり、その店主がお部屋をかっこ良くDIYしていたんです。こんなことができるなんてすごい!と感動しました。それを見て「自分たちでもできるかもしれない」と自信が湧きました(香織さん)」
美容師として働く陽平さんと香織さん。以前ロンドンで働いていたこともあり、海外の色鮮やかな内装が好みだと話す。なかでも印象的なダイニングとリビングの床は、香織さんがデザインをし、業者とともに仕上げた。
「スギ材の足場板を得意とする広島の木材メーカー『WOODPRO(ウッドプロ)』にイメージを伝えて、スギ板を菱形にカットしてもらいました。リビングの床には浸透性の塗料を塗り、ダイニングは市松模様のタイル床のように仕上げたかったので、自分たちでスギ板に緑と白のペンキを塗りわけました。そして、その800枚の板を丸2日かけて、WOODPROの社長さんご家族に手伝ってもらいながら貼っていきました(陽平さん)」
自分たちで設計から施工まで手がけたからこそ、床のすき間や割れ、愛猫クロロの引っ掻き傷すらも味わい深く感じられる住処になった。

2面の窓から自然光がたっぷり入るリビング。

2面の窓から自然光がたっぷり入るリビング。

ヴィンテージのミシンには、ドライフラワーを飾って。

ヴィンテージのミシンには、ドライフラワーを飾って。

木材の扉をテーブルの台として使っている。

木材の扉をテーブルの台として使っている。

かつてドイツ軍で使われていた強化段ボールを、テーブルの脚として使用。「TOKYO DANCE.」で購入。

かつてドイツ軍で使われていた強化段ボールを、テーブルの脚として使用。「TOKYO DANCE.」で購入。

床のスギ板は、1枚ずつ緑と白のペンキを塗って仕上げた。

床のスギ板は、1枚ずつ緑と白のペンキを塗って仕上げた。

もとは押入れだった場所に、食器棚を置いた。

もとは押入れだった場所に、食器棚を置いた。

食器棚には、香織さんが陶芸教室で作ったカラフルな釉薬の陶器が並ぶ。

食器棚には、香織さんが陶芸教室で作ったカラフルな釉薬の陶器が並ぶ。

ご縁で引き寄せた世界中の家具や雑貨に囲まれて

3年前から同じマンションの別室を借りて、プラベートの美容室『yummoサロン』を夫婦で営んでいる。2人のサロンには、長年通い続けるお客様が多い。ゲストと互いの好きなものを熟知し合う仲になると、「これ好きそうだから」と運命的な物や事との出会いが連鎖すると香織さんは話す。
「欲しいと思っていた物をタイミングよく譲り受けることが多いんです。リビングのベンチは、百貨店でインドのジュエリーを扱っていた友人から。ダイニングの円卓は、美術監督の友人から譲り受けました。キッチンにあるレモンケーキの型は、ケーキ屋さんだった友人がお店を閉店した際に頂いたものです」と、引き寄せエピソードが止まらない。
こうしてヨーロピアン調の家具からアフリカンテイストの小物まで、幅広いジャンルのものが自然と調和する、唯一無二の空間が完成した。
「人生の師匠だと思っているお姉さんから「自分の好きなものを集めれば香織ちゃんの色になるんだよ」と教えてもらいました。それを実践した結果、今は好きなものだけに囲まれて楽しく暮らせています。この家がもう本当にボロボロになるまで住み続けたいです」と締めくくってくれた。

コンロやシンクも後から1つずつ取り付けた、手作りのキッチン。

コンロやシンクも後から1つずつ取り付けた、手作りのキッチン。

築古で壁が弱くなってきているため、道具類は吊るして収納している。

築古で壁が弱くなってきているため、道具類は吊るして収納している。

夫妻ともに料理好き。調味料や世界各国のスパイスがずらり。

夫妻ともに料理好き。調味料や世界各国のスパイスがずらり。

深めのシンクは学校の理科室で使われていたもの。

深めのシンクは学校の理科室で使われていたもの。

キッチンの照明は、古着屋「HAg-Le (ハグレ) 」のガレージセールで購入した。

キッチンの照明は、古着屋「HAg-Le(ハグレ)」のガレージセールで購入した。

インド製の食器棚に、普段使いの食器を縦に収納している。

インド製の食器棚に、普段使いの食器を縦に収納している。

ポットスタンドは、野菜やフルーツ入れに。

ポットスタンドは、野菜やフルーツ入れに。

夫妻で営むプライベートサロン「yummoサロン」を住居と同じマンション内に構える。

夫妻で営むプライベートサロン「yummoサロン」を住居と同じマンション内に構える。

家具や雑貨は西洋民芸の店「GRANPIE (グランピエ) 」で探すことが多い。

家具や雑貨は西洋民芸の店「GRANPIE(グランピエ)」で探すことが多い。

Ranking Renovation