ヴィンテージマンションをリノベ自由奔放なスタイルを楽しむ
色彩豊かなリラックス空間
まったり過ごせる“小下がり”を
カメラマンの浜村菜月さんは、仕事柄、地の利のよい場所に物件を探していた。見つけたのは原宿にほど近い、築40年を超えるヴィンテージマンション。
「水廻りはボロボロ、お風呂もなくてシャワーブースのみでした。でもマンションの管理がしっかりしていたので購入を決めて、リノベーションしたんです」。
間取りはほとんど変更せず、廊下と居室を分ける仕切りを収納にしたり、ドアの場所を付け替えたり、アイデアを活かして暮らしやすい形態に。いちばんの目玉はリビングに設けた“小下がり”。
「空間を広く見せたいと思い設計士さんと相談したのですが、逆梁工法のマンションということから天井は上げられず、配管などが通っていない床を下げることにしたんです」。
普段は寝転がってテレビを観たり、本を読んだり、お客さんを招いたときは車座になってテーブルを囲んだり。
「囲われている安心感があってまったりと過ごせます。この場所がお気に入りですね」。
カラフルで楽しいキッチン
浜村さんは夫と猫のまきゃべりの3人(?)暮らし。柔らかい床材は猫の爪で傷つくため、堅い無垢のオーク材に。代わりにラグを敷いて猫の足に負担にならないようにしているそう。
「まきゃべりのためにフルフラットで仕切りはカーテンにし、自由に行き来できるようにしました。造り付けの本棚はキャットタワーもかねています」。
旅好きな浜村さん。海外で買ってきた雑貨などは、猫の届かない位置に造作したオープンシェルフや本棚に。色んな思い出が飾られた楽しい空間をまきゃべりが自由に走り回る。キッチンもオープンで楽しい雰囲気が魅力的。
「キッチン台はステンレス+木の質感にしたくて、オーダーで作ってもらいました。ダッチオーブン付きのガスコンロと、真ん中に食洗機を付けるのもリクエストしました」。
収納はあえて設けず、オープンにしてディスプレイ風に。ツェツェ・アソシエのキッチンラックに飾られた色とりどりの食器などから、楽しくてキッチュな雰囲気が溢れている。
DIYも加えて、温もりある空間に
以前はダイニングのあった位置に、ベッドルームと仕事部屋を。間の壁には木の板を使い、上部をあけて猫が行き来できるように。たくさんある本を収納する棚も造作した。
「仕事用の机はもともと別の場所に建てつけてあったものを、スペースに合わせてカットしてもらいました」。
テラスからの光が浜村さんお手製のリネンのカーテンを通して優しく差し込む。洗面は6角形の少しアンティーク感のあるタイルが印象的。
「居室の床はフローリングなので、洗面は少し違う感じにしたくて。バスルームは迷った結果、FRPにしましたが、目地の汚れがでないのでお掃除が楽で正解でした」。
壁の塗装や床のオイル仕上げなどは、夫や友人とともにDIYで行ったそう。小下がりにあるローテーブルも浜村さんの手作り。
「パーケットフローリングを組み合わせて、ラワン材を下に貼付けて自作したんです」。
手間を加えた温もりが、オリジナリティ豊かな空間を創りあげている。
気づいたらBOHOスタイルに
モロッコで買ってきたラグをたくさん使ったインテリアは、エスニック風でもありアジア風でもあるかと思えば、フランスのアンティークのダイニングテーブルなどもあり、南欧風の雰囲気も添えている。
「特に意識はしていないんですけど、カテゴリーでいえばBOHOスタイルに落ち着くみたいです。エスニックとヨーロッパを合わせた感じが好きですね」。
ボヘミアン+NYのソーホーがミックスされたBOHOは、自由奔放でとらわれないスタイル。仕事やプライベートで世界各地を飛び回り、旅の思い出を持ち帰って楽しみ、現地で食べた料理などをキッチンで再現。眠くなったらハンモックでお昼寝も。そんな自由で幸福なライフスタイルが、そのまま反映されているかのようだ。