
二度目のリノベーション構造壁を活かし
回遊できるキッチンを作る
既存の良さを活かす工夫も
福岡正康さん祥子さん夫妻の築35年、84㎡のマンションのリノベーション。
祥子さんにとって、リノベーションは今回が二度目だ。
「前回のリノベーションがとても楽しかったので、もう一度やりたいと思っていました。以前の住まいは40㎡の小さな空間でしたが、家の中央に“島”をつくってもらい、とても気に入っていたんです」
今回のリノベーションも、『スマサガ不動産』に依頼した。
ここは4年前に前オーナーによって一度リノベーションが施されていたこともあり、比較的新しいフローリングやバスルーム、洗面台はそのまま活かすことにした。
「廊下をなくしてバスルームと洗面所を広げる変更がなされていました。その工夫は継承しつつ、より広々としたリビングダイニングを実現するために、どのような間取りが最適か、何案も提案していただき、検討を重ねました」
最終的に採用したのは、構造壁の周囲にキッチンとカウンターを設けるプラン。
制約を前向きに捉え、空間の魅力を最大限に引き出す提案となった。

カウンターとキッチンは、取り壊すことのできない構造壁を活かして囲むように作った。

構造壁にレンジフードを取り付けた。キッチンは造作。

棚板は壁の色に合わせて白にして、飾った食器類の浮遊感を楽しむ。

ふたりがすれ違うことのできる幅を確保したゆとりのあるキッチン。手前の床はマーモリウム。
構造壁を活かす「見せ場」づくり
取り壊すことができなかった構造壁にはフレキシブルボードを貼り、コンクリート現しのような趣をもたせた。
その周りにフィオレストーン製のキッチンを造作。空間に独特の存在感を加えている。
「ふたりとも背が高いので、天板までの高さを約90cmにしてもらいました」
キッチンは、アイランド側にコンロを、壁付けのカウンター側にシンクを配置。動線を明確に分けることで、ふたりが同時にキッチンに立っても余裕のある広さを実現した。
「料理をしていても動きやすく、どちらかが洗い物をしていてもぶつかることがありません。とても快適です」

室内扉やフローリングは既存のものを活かした。

もう一羽の家族、文鳥のカオルくん、5歳。

サイザルカーペットを敷いた場所はリラックス空間。奥の2脚のチェアの右側にベッドルームがある。

ポール・ヘニングセンのペンダントライトは、ブロンズカラーをチョイス。

既存のフローリングを活かした。一部、前オーナーが作った段差を撤去した部分にはサイザルカーペットを敷いた。
それぞれに最適なワークスペースを
正康さんはフルリモート勤務、祥子さんは週に2回のリモートワーク。働き方の異なるふたりがそれぞれ快適に仕事ができるよう、専用のワークスペースを設けた。
正康さんは、リビングから離れた独立した部屋をワークスペースに。集中できる静かな環境を確保している。
一方の祥子さんは、キッチン横のスペースを仕事場に選んだ。
「すぐにお茶を入れられる場所を選びました。作業の合間にさっとリフレッシュできるのがうれしいです」
『スマサガ不動産』とタッグを組んだ二度目のリノベーション。以前の経験と信頼関係を土台に、暮らしやすく、ふたりらしい住まいをつくりあげることができた。

キッチンの横に祥子さんのワークスペースを作った。

ワークスペースとキッチンは引き戸で仕切ることができる。

フルリモートワークの正康さんのワークスペースはオンライン会議が多いことも考慮し、リビングの反対側にある独立した部屋に構えた。

玄関脇に自転車を収納できるスペースを作った。正面の扉の奥が正康さんのワークスペース。
