室内から出られるルーフバルコニーは約63㎡。

設計⼠のセルフリノベーション空と⾵の⼼地よい
アウトドアリビングの家

手間をかけるポイントは絞って

今年で結婚5年目を迎える星野家は、ご夫婦と3歳になった娘の3人暮らし。3年半ほど前に73㎡ある築32年のマンション物件を購入し、フルリノベーションをした。設計は建築の設計士として働く夫の晃範さん自らが担当。そんな設計を熟知した晃範さんならではのこだわりが、この家には詰まっている。
たとえば住まいのベースとなる床や壁には手間をかけた。
「フローリングにはオークの無垢材を選びました。無垢材のもつ調湿作用によって、冬は空気を蓄えて暖かく、夏は湿気を吸収してベタつきません。合板フローリングとは素足で触れたときの心地よさが全然ちがいます」と晃範さん。
またキッチンのコンクリート壁は、防塵塗料をセルフペイントで仕上げた。コンクリートの質感を残しながら、同時に油染みがつくのを防ぐ効果もあるという。
南東向きの窓から日光の指す明るいリビングは約30㎡。

南東向きの窓から日光の指す明るいリビングは約30㎡。

フローリングにはオークの無垢材を使用した。

フローリングにはオークの無垢材を使用した。

キッチン照明にはLEDのエジソン電球を採用。

キッチン照明にはLEDのエジソン電球を採用。

キッチン用の水栓は、「TOTO」コンテンポラリシリーズ。

キッチン用の水栓は、「TOTO」コンテンポラリシリーズ。

アイランドキッチンにはラーチ合板の飾り板をプラスした。

アイランドキッチンにはラーチ合板の飾り板をプラスした。

キッチンのコンクリート壁はニスで加工を施し、ツヤのある質感を演出。

キッチンのコンクリート壁はニスで加工を施し、ツヤのある質感を演出。

余白を残したデザインでフレキシブルな空間に

一方で設計のデザインはシンプルを追求した。
「デザインは最小限にとどめ、あえて未完成のような状態で工事を終えました。住みながら自分たちでDIYをして足りない部分を補ったり、ライフステージの変化に合わせて少しずつデザインをプラスしていける家にしたかったんです」と話す。
たとえば、リビングルームの一角に設けられた子供部屋もその一つ。子供が3歳を迎えた頃、2枚のパーテーションを使い、子供が思いっきりおもちゃを散らかして遊べる空間をプラス。「子供の成長に合わせてフレキシプルに空間を作り変えていけるのも、フルリノベーションならではの利点だと思います」と続けた。
日頃からこの自宅で設計の仕事をしている晃範さん。実際に依頼主を自宅に呼んで、家を見せながらデザインの打ち合わせを進めることも多いという。床や壁の基材にこだわりながらも、全体はシンプルにまとめることで、結果的に施工費用を抑えることができた。
2枚の板で空間を緩やかに仕切り、子供部屋をプラスした。

2枚の板で空間を緩やかに仕切り、子供部屋をプラスした。

完全に空間を区切っていないため、子供の気配を感じられ安心。

完全に空間を区切っていないため、子供の気配を感じられ安心。

視界が遮られることで子供も気兼ねなく遊びに集中できる様子。

視界が遮られることで子供も気兼ねなく遊びに集中できる様子。

リビング入口には磨りガラス入りのチーク材で框戸を設置。

リビング入口には磨りガラス入りのチーク材で框戸を設置。

前の自宅から持ってきた本棚は、自らDIYで作製したもの

前の自宅から持ってきた本棚は、自らDIYで作製したもの。

テーブル下にあるのは「NO MARK」のアウトドアチェア。

テーブル下にあるのは「NO MARK」のアウトドアチェア。

子供用の机はDIY。イスは「KATOJI」で購入したものを。

子供用の机はDIY。イスは「KATOJI」で購入したものを。

ルーフバルコニーで”アウトドアリビング”を満喫

大のアウトドア好きである星野家は、休みの日はキャンプへ出かけることも多い。山梨、群馬、軽井沢まで脚を運ぶことも少なくないという。
そしてこの物件の一番の決め手となったのは、63㎡あるルーフバルコニーだ。キャンプで使ったテントを洗ったり干したりできるだけでなく、アウトドア用具を保管しておく倉庫もあったりと、広いバルコニーは大活躍。
また、特注したウッドテーブルとウッドデッキを置いて、”アウトドアリビング”も楽しんでいる。”アウトドアリビング”とは、文字通り屋外にあるリビングルームのこと。家にいながら広い空と風を感じ、毎日の暮らしの中でアウトドア気分を味わっている。
「天気のいい日は友人を呼んでガーデンパーティーを開くこともありますよ。ホットココアを飲みながら眺める冬の星空も気に入っています」
室内から出られるルーフバルコニーは約63㎡。

室内から出られるルーフバルコニーは約63㎡。

ウッドテーブルとデッキには丈夫なブラックチークを使用した。

ウッドテーブルとデッキには丈夫なブラックチークを使用した。

雨風による経年変化も楽しみつつ、長く使えるものを特注した。

雨風による経年変化も楽しみつつ、長く使えるものを特注した。

バルコニーへの出入りは、晃範さんの仕事部屋を通って。

バルコニーへの出入りは、晃範さんの仕事部屋を通って。

リノベーションの設計は「ANCHOR DESIGN」が担当。

リノベーションの設計は「ANCHOR DESIGN」が担当。

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