築地市場を見下ろすビルで猫も人も心地いい空間を目指して
築60年のビルを1棟リノベ
築地市場の場外に建つ築60年を超えるビル。建築設計事務所「アンドロッジ」を主宰する建築家の畑山 慶さんがこのビルに暮らし始めてから15年が経つ。「1棟借り上げてリノベーションし、サブリースしています。このビルは各階に1部屋ずつの間取りで、そのうちの1室に住んでいます」。
リノベーションを得意とする畑山さんは、このビルの他にも、自社運営の屋内キャンプ場「Central park in Asakusa camp」やシェアオフィス「IRIYA LODGE」なども手がけている。そうしたリノベーションの原点ともなったこのビルは、銀座まで徒歩圏内という立地の良さ、築地市場で食材を調達できる楽しさが受け、16年間ほぼ空き部屋がない人気物件となった。
リノベーションを得意とする畑山さんは、このビルの他にも、自社運営の屋内キャンプ場「Central park in Asakusa camp」やシェアオフィス「IRIYA LODGE」なども手がけている。そうしたリノベーションの原点ともなったこのビルは、銀座まで徒歩圏内という立地の良さ、築地市場で食材を調達できる楽しさが受け、16年間ほぼ空き部屋がない人気物件となった。
猫たちとの同居が始まって
各フロアでリノベーションした間取りは異なるが、畑山さんの部屋は、「自分が住むので、解体・ガス・給排水関係は業者に依頼しましたが、他は仲間と一緒に改装しました」。和室2室をフローリングのワンルームとし、躯体のコンクリートをそのまま見せるなど、ラフな雰囲気を楽しめるリノベーションとなっている。
一人暮らしを楽しんでいた畑山さんだったが、2年前から新しい同居人が。「知人が拾った猫を引き取ることになりました。今はQ太郎という2歳のオスと、P子という2歳のメス、2匹と暮らしています」。
「ところが、ウチで暮らしている猫たちがどんどん太ってしまって、ついに9キロになってしまったんです」と話す畑山さん。猫は垂直運動をしないと太ると知った畑山さんは、猫たちの運動のために既存の本棚をアレンジし、キャットタワーのような役割をもたせた。
人と猫、両方のための家具を開発
この「本棚キャットタワー」が、キャットタワーにもなる飾り棚「NY&(ニャンド)」の開発のきっかけになったという。「猫たちを見ているうちに、猫が登り下りしやすい角度や落ち着けるスペースがわかってきたので、家具としても使えるキャットタワーを設計しました」。
「NY&」の特徴は、建築家として人間工学的なサイズ感も加味した設計がされていること。「猫だけなく、人にも心地よいデザインを心がけました。人がちょっと腰掛けたいときの椅子の高さ、デスクと合わせて使える高さを意識しています」。
「NY&」は評判を呼び、昨年末はGINZA SIX 6階にある「銀座 蔦屋書店」で展示されるなど、イベントにも引っ張りだこだそう。「これからは家具のバリエーションもふやしていけたら」と、猫たちとのこれからの暮らしを思い描いていた。