元捨て猫デビくんと暮らす コンテンポラリーな 引き算のリノベーション

元野良猫デビくんと暮らすコンテンポラリーな
引き算のリノベーション

13年前に路上で猫に出会う

プロジェクトマネジメントやプロモーション業務に携わる武井正樹さんは、ご夫婦で愛猫のデビちゃんと一緒に暮らしている。

「デビは以前住んでいた家の近所にいた野良猫でした。あるご婦人が面倒を見ていたのですが、その方が誰かもらってくれないかしらとおっしゃっていて。薄汚れているデビを見ているうちに情がうつってしまい、猫と暮らしたことはなかったのですがうちで引き取ることにしました。13年前、デビが3歳くらいの時のことです」

ふわふわの毛並みの美猫デビちゃんは、ファッション雑誌や企業のカタログでモデルをつとめたことも。
E&Yのテーブル「HAMMOCK」の撮影にも協力している。
「ラタン部分にデビが乗っているんですが、ほんとうは猫が寝るための場所ではないんです。でもデビはとても気に入っていて家でもよくここでくつろいでいます」

アーティストの高木耕一郎さんのデビちゃんクッションの前でくつろぐデビちゃん

アーティストの高木耕一郎さんのデビちゃんクッションの前でくつろぐデビちゃん

奥のグレーのソファはヴィトラのジャスパー・モリソン。「とても気に入って家も決まらないうちから買ってしまい、しばらく倉庫で預かっていただきました」

奥のグレーのソファはヴィトラのジャスパー・モリソン。「とても気に入って家も決まらないうちから買ってしまい、しばらく倉庫で預かっていただきました」

E&Yのテーブルでくつろぐデビちゃん。「ラタンで爪を研ぐのはほんとにやめてほしいです(笑)」

E&Yのテーブルでくつろぐデビちゃん。「ラタンで爪を研ぐのはほんとにやめてほしいです(笑)」

「朝武雅裕さん・広子さんご夫妻によるトモタケに、デビをモチーフにクッションをオーダーしました。額のダイヤ柄も再現されてます。猫アイテムはどうしても増えますね」 

「朝武雅裕さん・広子さんご夫妻によるトモタケに、デビをモチーフにクッションをオーダーしました。額のダイヤ柄も再現されてます。猫アイテムはどうしても増えますね」 

コンテンポラリーなものが好き

「この部屋に下見に来た際、前のオーナーのこだわりのベクトルが僕らとは違ったんですが、広々とした玄関など、リノベーションをすればきっと自分たち好みの部屋になると確信しました」
 

コンテンポラリーなデザインのものが好きだという武井ご夫妻がリノベーションの際に心がけたのが、“引き算のリノベーション”だったそう。
リノベーションは、夫妻の好みをよく知っていて、武井が広報業務を担当しているランドスケーププロダクツにお願いした。

「寝室に住みながらリノベーションしました。職人さんたちとデザイナーさんと毎日話をしながら作った家です」
解体してみたら雨漏りが見つかった時も、みなさんがマンションの管理組合との間に立ってくれてとても有難かったと武井さん。

ビームスの和田健二郎さん宅が同じマンションなこともあり、とてもよく面倒を見てくださいます。週末にホームパーティに呼んでくださったり、和田さんの影響で格闘技を始めて20kgも体重が落ちました。朝、夫婦でスロージョギングをしているのですが、そこが家族会議の場になってます。カラダを動かす楽しみや料理など、良き隣人からとてもいい影響を受けています」

ダイニングテーブルは、建築家の谷尻誠さんの一番最初の東京の事務所で使っていたものだそう。「天板がスチールの枠の中にキレイに収まっていて、無駄のないデザインがお気に入りです」。イスは、右奥がデビちゃんが自分のイスだと思っているハンス・J・ウェグナーのYチェア。右手前がマジスのブルレック兄弟のデザイン。左手前がジャスパー・モリソン。左奥が森田恭通✕CIBONE。

ダイニングテーブルは、建築家の谷尻誠さんの一番最初の東京の事務所で使っていたものだそう。「天板がスチールの枠の中にキレイに収まっていて、無駄のないデザインがお気に入りです」。イスは、右奥がデビちゃんが自分のイスだと思っているハンス・J・ウェグナーのYチェア。右手前がマジスのブルレック兄弟のデザイン。左手前がジャスパー・モリソン。左奥が森田恭通✕CIBONE。

MAX BILLのウルムスツールの上は、コンスタンティン・グルチッチの白の照明「MAYDAY」。「壁は、クロスの上からそのまま白にペイントしています」

MAX BILLのウルムスツールの上は、コンスタンティン・グルチッチの白の照明「MAYDAY」。「壁は、クロスの上からそのまま白にペイントしています」

サイドテーブルはコンスタンチン・グルチッチ。扉はもともとあったもので、通気口をプラスティックのものからメタルに変えた。「径がほんの少し合わなかったのですが、穴を削って入れました」

サイドテーブルはコンスタンチン・グルチッチ。扉はもともとあったもので、通気口をプラスティックのものからメタルに変えた。「径がほんの少し合わなかったのですが、穴を削って入れました」

モビールはデザイナーの藤城成貴さん。コートスタンドは二俣公一さん。フレームは古賀充さんのダンボール作品。ブラインドはハンターダグラス。

モビールはデザイナーの藤城成貴さん。コートスタンドは二俣公一さん。フレームは古賀充さんのダンボール作品。ブラインドはハンターダグラス。

二俣 公一さんがデザインした真鍮のモビール「in the sky」。

二俣 公一さんがデザインした真鍮のモビール「in the sky」。

キッチンの横のパントリーがとても便利

「キッチンには正方形のタイルを使いたいと思っていました。目地の色はずいぶん悩んだのですが、黒にすると印象が強くなりすぎると思い、薄いグレーにしました」

ランドスケーププロダクツの中原さんの提案でキッチンの横にパントリーを作ったそう。
「収納力があり、動線がすごくラクです。作って良かったもののひとつです。北東のキッチンは災難を招きやすいという説があるので、荒神様(かまどの神様)のお神札をレンジの横に貼りました」

この家に越してきてから、カラダも仕事も調子が良いという武井夫妻。
「体重が20kg落ちましたし(笑)。入居する時に方角や気の流れにこだわったからかもしれません」

梁の下に作り付けの棚を作った。厚みのある棚板のバランスが抜群。「棚の中にあるものは日に日に変わっています」

梁の下に作り付けの棚を作った。厚みのある棚板のバランスが抜群。「棚の中にあるものは日に日に変わっています」

棚の裏側がパントリーになっている。「とても使いやすく気に入っています。食器は気に入ったものを厳選して置いています」

棚の裏側がパントリーになっている。「とても使いやすく気に入っています。食器は気に入ったものを厳選して置いています」

「ステンレスのキッチンが好きなので、サンワカンパニーのものにしました」。レンジフードの横に“かまどの神様”を貼った。奥様はインド料理を勉強中なのだそう。

「ステンレスのキッチンが好きなので、サンワカンパニーのものにしました」。レンジフードの横に“かまどの神様”を貼った。奥様はインド料理を勉強中なのだそう。

IKEAの棚を神棚に。「390円の神棚です」

IKEAの棚を神棚に。「390円の神棚です」

一陽来復は、早稲田の穴八幡宮の冬至から節分までの間、お守り・御札を授与いただける。「毎年貼る方角が変わります。設置する時間にも決まりがあります」

一陽来復は、早稲田の穴八幡宮の冬至から節分までの間、お守り・御札を授与いただける。「毎年貼る方角が変わります。設置する時間にも決まりがあります」

真空管アンプのデザインは二俣公一さん。棚のデザインは隈太一さん。

真空管アンプのデザインは二俣公一さん。棚のデザインは隈太一さん。

真ん中のクッションは「yogibo」。「このスペースの使い途が曖昧です。マットを敷いてブラジリアン柔術とキックボクシングの練習をしています(笑)」

真ん中のクッションは「yogibo」。「このスペースの使い途が曖昧です。マットを敷いてブラジリアン柔術とキックボクシングの練習をしています(笑)」

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