我戸幹男商店の漆器450年続く伝統美が宿る
モダンな山中漆器
明治41年にろくろの里、石川県山中温泉に創業した我戸幹男商店は、高度な木地ろくろ挽き技術を活かした高い精度とモダンなデザインで国内外から注目を集めている漆器ブランド。日本の美意識のもと、無駄な装飾を省いて徹底的にシルエットにこだわり、普遍的に美しい形を追求し続けている。
《KARMI》
加飾挽きでシンプルに装飾されたモダンな茶筒。塔や瓶、帽といったシンプルな形を、理想のフォルムに近づけたストイックな佇まいが魅力。緻密な木目のミズメ材の素地がディティールの美しさを際立てている。「カルミ」は、松尾芭蕉が生み出した理想のひとつである「軽み」から引用。知識や技巧に凝らず、日常の中で感じた淡白な心情、内面から滲み出るような美しいデザインの理念から着想。
《MATEVARI》
ころんとした丸いフォルムに木目の曲線が映える愛らしい椀。究極にシンプルなこのシルエットには、そこはかとない存在感があり、素材の魅力を最大限に引き出してくれる。楢・楓・桜・橅・欅、少しずつ異なる色合いや木目からお気に入りを!
《KOTON》
空間にそっと馴染むような美しい木の入れ物をつくりたいという思いから生まれた「コトン」。ちいさな椀、程よい深さの器、フラットな皿の3段で構成されたデザインで、重ねれば入れ物に、並べれば器になる。時計やアクセサリー入れ、お茶菓子の器として、さまざまなシーンにフィットする。
《AEKA》
艶めく黒の器は、シンプルながらそのモダンさに目を奪われる。「アエカ」とは、儚げな様の意。繊細かつ優美で、凛とした佇まいの美しい椀。ふっくらと滑らかなフォルムに華奢な高台、黒拭漆、極限まで薄く挽かれた木地など、深いストーリーを持った逸品。
《SINAFU》
しなやかに垂れるという意味を持ち、奈良時代から湯治客を迎えてきた山中温泉から生まれたおもてなしの器。伝統を守る作り手の美意識が細部に宿る上品な佇まいが魅力。緊張感のある高台が施された鉢物は、盛り付けるものを少しだけ特別なものにしてくれる。
《TSUMUGI》
将棋の駒の形を表し、子馬(こま)を意味する駒型、富士山の形を表し、末広がりの形状から商売繁盛を象徴する富士、食糧の貯蔵や運搬として使われてきたことから歓迎の意味が込められた壺など、古来から受け継がれてきた伝統的なカタチをデザインした欅の椀。慎重さと大胆さが絶妙のバランス。
400年以上受け継がれてきた伝統技法
木地ろくろ挽きの町として知られる山中温泉で、受け継がれてきた高い技術。輪切りにした原木から縦木取りで木取し、輪積みという方法で荒挽を乾燥し、ろくろで挽く。デザインの特徴になる連続した細い線は、加飾挽きの千筋という技法で彫られる。加飾挽きは、縦木取りした材料だからこそできる技。拭漆という塗っては余計な漆をふき取る工程を丁寧に繰り返えす技法で木目が美しく仕上がる。
我戸幹男商店
石川県加賀市山中温泉上原町ヨ 58-1
0761-78-4421