自宅で和食の料理教室を 使いやすさにこだわった アイランドキッチンのアイディア

自宅で和食の料理教室を使いやすさにこだわった
アイランドキッチンのアイディア

リノベーションで夢を実現

約50㎡というコンパクトな広さの家で、和食の料理教室と、家族3人のプライベートな空間を見事に両立させた細川邸。

「自宅で料理教室を開きたいというリノベーションの希望を『スマサガ不動産』にお伝えして、物件探しから相談に乗ってもらいました」

住まいの場所は、木綿子さんの実家がある田園都市線の藤が丘と職場の中間地点となる世田谷区内に絞って探したそう。見つかったのがこの昭和54年築のヴィンテージマンション。
「以前のオーナーさんの持ち物が残された状態の物件を購入することになりましたが、リフォームをしていない家を自分たちでリノベしたかったので却って好都合でした」

料理教室がしやすく、かつ普段の料理の動線も考えてフルオーダーしたアイランドキッチン。窓の障子戸は障子紙を貼らずに残すことで、和食の料理教室らしさが感じられる落ち着いた雰囲気になった。

料理教室がしやすく、かつ普段の料理の動線も考えてフルオーダーしたアイランドキッチン。窓の障子戸は障子紙を貼らずに残すことで、和食の料理教室らしさが感じられる落ち着いた雰囲気になった。

扉がないので、料理教室で使う鍋やボウルなどの調理器具が取り出しやすく仕舞いやすい。「使い終わった道具を戻す場所がわかりやすいので、生徒さんの使い勝手もよいと思います」

扉がないので、料理教室で使う鍋やボウルなどの調理器具が取り出しやすく仕舞いやすい。「使い終わった道具を戻す場所がわかりやすいので、生徒さんの使い勝手もよいと思います」

調味料はアイランドキッチンのサイドに棚を作って収納。真似したいアイディア!

調味料はアイランドキッチンのサイドに棚を作って収納。真似したいアイディア!

細川木綿子さんは、江戸懐石近茶流の柳原料理教室のアシスタントを務めながら、自宅で少人数制の料理教室を開いている。

細川木綿子さんは、江戸懐石近茶流の柳原料理教室のアシスタントを務めながら、自宅で少人数制の料理教室『もめんの料理教室』を開いている。

壁のラックには、寿司桶やまな板、カゴなどを乾かしながら収納。

壁のラックには、寿司桶やまな板、カゴなどを乾かしながら収納できる。

ガラス戸を閉めれば独立した空間に

まずは細かく部屋を分けていた壁を取り払い、料理教室ができる広さのアイランドキッチンとダイニングのスペースを確保。
そしてリビングの一部に小上がりを作った。ここはガラスの引き戸を閉めれば独立した空間になる。
「料理教室をしている間、夫の居場所がなくなることがないように作ったスペースです」。
引き戸を開け放てば、LDKとつながり広々とした空間になる。
小上がりとキッチンの間には低めの本棚を作り、リビングとつながりがありながらも、籠れる場所になっている。
 

料理教室の本丸、キッチンは様々な工夫を凝らしてオーダーメイドした。
「ステンレスの天板はオーダーで制作し、収納部分は大工さんに作ってもらいました。フレームはシナ材で、収納部分の天板はゴムの集成材にDIYでオイル塗装しています」
 

木綿子さんの料理教室では、出汁の引き方、魚のおろし方を一から学べる。
キッチンのシンクは、寿司桶も余裕で入る大きさ。
「キッチンのコンロは4つ口にしたかったのですが、生徒さんの自宅のコンロが3つ口のことが多いので、”どういう手順で作ればいい?”とならないように、3つ口を選びました。料理教室の生徒さん4人と私の計5人が立てる広さと使い勝手を大事にしつつ、普段、自分が家族の料理を作る時はコンロと流しを並行移動すれば完結する動線にしました。
和食は難しいと思う方も多いですが、ダシの取り方を覚えてしまえば最高の時短になると思います。ちなみに、2月の献立は、茶碗むし、わけぎの卯の花あえ、柚子大根、帆立、ほうれん草の煮寄せでした。ご飯は羽釜で炊きます。みなさんも和食のお料理教室、いかがですか?」

貴暁さんと木綿子さん、1歳の喜晴くんの3人家族。リビングの一部は床を上げて空間を仕切った。

貴暁さんと木綿子さん、1歳の喜晴くんの3人家族。リビングの一部は床を上げて空間を仕切った。

上げた床下は、一部収納にもなっている。キッチンとは低めの本棚でゆるやかに仕切られている。

上げた床下は、一部収納にもなっている。キッチンとは低めの本棚でゆるやかに仕切られている。

廊下に面して作った洗面スペース。「生徒さんが使いやすいように、サニタリースペースに入らなくても手を洗えるようにしました」

廊下に面して作った洗面スペース。「生徒さんが使いやすいように、サニタリースペースに入らなくても手を洗えるようにしました」

ほどよい和のエッセンス

赤褐色の南洋材ケンパスの床と、リノベ前の家で使われていた障子戸、そして小上がりのスペースがほどよい和を感じさせる。和食の料理教室らしい雰囲気になった。
 

「この物件を購入した時は夫婦2人でしたが、喜晴が生まれて3人家族になりました。子どもが小さいうちは小上がりを子ども部屋にして、大きくなったら奥の夫婦の寝室を使ってもらおうかとも考えています。小上がりと寝室がグルリと回遊できるようになっているので間取りの変更も自由度が高そうです。子どもの成長に合わせてどんなふうに家を使っていこうかと考えるのも楽しいです」

床材は赤褐色のケンパス材をDIYでオイル塗装した。ダイニングテーブルを囲むイスは、アンティークのものなど、あえてバラバラの個性を楽しんでいる。

床材は赤褐色のケンパス材をDIYでオイル塗装した。ダイニングテーブルを囲むイスは、アンティークのものなど、あえてバラバラの個性を楽しんでいる。

ダイニングテーブルの上の照明器具。「作家さんが作る照明器具は一目惚れでした。家ができる前に買ってしまいました」

ダイニングテーブルの上の照明器具。「作家さんが作る照明器具は一目惚れでした。家ができる前に買ってしまいました」

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