ToKoSie ー トコシエ

テーマはゲストハウス遊び心と機能性を兼ね備えた
ブルックリン風の住まい

理想の住まいを求めて都心から郊外へ

都内に勤めるTさんは、奥さまで薬膳料理家の阪口珠未さん、娘さんの3人で埼玉県さいたま市に暮らしている。 元々は都内のマンションに住んでいたが、娘さんの進学をきっかけに郊外での暮らしを選んだ。「娘が中学に進学することもあり、彼女に部屋を作ってあげたかった。新築は現実的に難しいので、マンションを購入してリノベーションをすることにしました。そこで東京での暮らしで感じていた不満や課題を、リノベーションで一挙に解決したかったんです」と話すTさん。
そこで見つけたのは、およそ81㎡と広い面積の角部屋。周辺に視界を遮る建物がなく、見晴らしが良いのもポイントだった。
LDKは、南に面した開放的な空間。旅先で利用した宿の雰囲気を出すため、木材を多用している。特に床暖房に対応した床のオーク材にはこだわった。
LDKは、南に面した開放的な空間。旅先で利用した宿の雰囲気を出すため、木材を多用している。特に床暖房に対応した床のオーク材にはこだわった。
ハンモックは娘さんのアイデア。「取り付ける前はどうなのかなと思っていましたが、今は気に入っています」とTさん。
ハンモックは娘さんのアイデア。「取り付ける前はどうなのかなと思っていましたが、今は気に入っています」とTさん。
Tさんの提案でリビングに取り付けられたカウンター。上部のデットスペースには板を取り付けることで収納スペースにした。
Tさんの提案でリビングに取り付けられたカウンター。上部のデットスペースには板を取り付けることで収納スペースにした。
カウンターは家族が趣味や仕事などに、自由に使っている。Tさんの趣味の音楽機材も置かれているがコードが見えないよう工夫がされ、スッキリした印象を与える。
カウンターは家族が趣味や仕事などに、自由に使っている。Tさんの趣味の音楽機材も置かれているがコードが見えないよう工夫がされ、スッキリした印象を与える。
足場板を壁に設置し、自転車を掛けられるようにした。梁のように見え、ウッディな空間に自然と馴染む。
足場板を壁に設置し、自転車を掛けられるようにした。梁のように見え、ウッディな空間に自然と馴染む。

旅先のゲストハウスをテーマに

構想から完成まで6ヶ月をかけた3LDKの住空間には、遊び心と機能性を両立させるアイデアが施された家族の想いを見ることができる。
家族全員が旅行好きということもあり、イメージしたのは、海外旅行で見てきたドミトリーがあるゲストハウス。「各々の部屋がある中で、シェアルームやキッチンがある宿のような家にしたかったんです」と振り返るTさん。リノベーションの担当者に、これまで利用して気に入った宿の写真を見せて理想の住まい像を共有し、イメージをふくらませていったという。
リノベーションの設計は、ホームページで紹介されている施工例を見て、感性が共有できると感じたツバメクリエイツ株式会社に依頼。
T邸を担当し同社の代表取締役でもある村上さんは「一家の思い出が見える家にしたかったんです」という。「お話を聞いたら、バックボーンがある品がたくさんあって、これらを見せられる空間にしたかった。人が表せる家って素敵ですよね」。
そのこだわりが見られるのが、元々あった和室を取り壊し、新たに設けたシアタースペースだ。「以前の家は、生活品と趣味の物がリビングに混在していました。特にCDは仕事柄1000枚以上あるので困っていたんです」。
そこで村上さんが提案したのが、和室の押し入れと廊下側にあった物入れをつなげ、外からは見えないパントリーを作ること。そしてシアタースペースに棚を設けることだった。
「サイン入りのCDなど捨てられないものがあったので、見せる収納スペースを設けることを提案しました」と村上さん。
照明のダウンライトを、本棚とブリックタイルに当たるものと、全体を照らすものの2系統にしたのも、村上さんの提案だ。「店舗設計の発想で、メインとなる壁は照明を当てるものだと考えています。照明を当てると、レンガが映えますから」。
和室だったスペースをシアタールームに。休日に映画を見たり音楽を聞いたりして楽しむ。
和室だったスペースをシアタールームに。休日に映画を見たり音楽を聞いたりして楽しむ。
100インチのスクリーンに合わせ壁を設け、パントリーとの間に棚を設置することで、“見せる収納”と“隠す収納”を実現。
100インチのスクリーンに合わせ壁を設け、パントリーとの間に棚を設置することで、“見せる収納”と“隠す収納”を実現。
ブリックタイルは、村上さんに紹介された専門店で選んで決めた。
ブリックタイルは、村上さんに紹介された専門店で選んで決めた。
壁一面に造作された大容量の本棚には、本やCDがぎっしり。「いつでも取り出せて聴けるようにしたい」というTさんの希望を叶えた。
壁一面に造作された大容量の本棚には、本やCDがぎっしり。「いつでも取り出せて聴けるようにしたい」というTさんの希望を叶えた。
阪口さんの嫁入り道具の漢方箪笥。古いものを長く使うことを大事にするツバメクリエイツの提案で、パントリーの横に設置。
阪口さんの嫁入り道具の漢方箪笥。古いものを長く使うことを大事にするツバメクリエイツの提案で、パントリーの横に設置。

職場との近さより大切なもの

薬膳料理家として、幅広く活躍する阪口さん。料理教室を主宰し、オフィシャルサイトでは、レシピなど薬膳に関する情報を発信している。「仕事柄、キッチンにはこだわりました。左利きなので、使いやすいレイアウトにするなど工夫しました。以前はスタジオだけで仕事をしていましたが、今は自宅のキッチンが使いやすいですし綺麗なので撮影も自宅で出来ています」。
職場に近くなくても、ゆったりとした生活ができることに気づけたと、笑顔で話す阪口さん。「引っ越してよかったです。ここには家族連れがいっぱいいて、住み心地もいいです」とTさんも満足気。
職場に近く便利だった都内から、郊外に越したTさん一家。リノベーションで作り上げた理想の住まいが当たり前だと思っていた価値観を変えている。
天然大理石の作業台を照らすレールライトは仕事での撮影に使えるよう設けた。
天然大理石の作業台を照らすレールライトは仕事での撮影に使えるよう設けた。
左利きの阪口さんに合わせ、コンロとシンクの位置を逆にした。オークの面材を使ったキッチンは天然素材を使用するインパクト社。
左利きの阪口さんに合わせ、コンロとシンクの位置を逆にした。オークの面材を使ったキッチンは天然素材を使用するインパクト社。
阪口さんは本の執筆や各所で監修なども手掛ける。
阪口さんは本の執筆や各所で監修なども手掛ける。
Tさんの部屋。以前の住まいでは物が溢れていたそうだが、パントリーを設置したことで自身の部屋を整理できたという。
Tさんの部屋。以前の住まいでは物が溢れていたそうだが、パントリーを設置したことで自身の部屋を整理できたという。
Tさんの部屋の壁には、有孔ボードを設け見せる収納にした。旅先で購入した帽子などが飾られている。
Tさんの部屋の壁には、有孔ボードを設け見せる収納にした。旅先で購入した帽子などが飾られている。
家族それぞれ部屋をもち、ワンポイントで塗られた壁の色が違う。ビートルズ好きな娘さんの部屋はイエローサブマリンをイメージし黄色に。
家族それぞれ部屋をもち、ワンポイントで塗られた壁の色が違う。ビートルズ好きな娘さんの部屋はイエローサブマリンをイメージし黄色に。
阪口さんの部屋。落ち着いて読書のできるプライベートな空間だ。
阪口さんの部屋。落ち着いて読書のできるプライベートな空間だ。
玄関には、船好きのTさんの希望で舷窓と船舶ライトを設置。
玄関には、船好きのTさんの希望で舷窓と船舶ライトを設置。
玄関左側の壁を奥に移動し、自転車のハンドルが収まるスペースを確保した。
玄関左側の壁を奥に移動し、自転車のハンドルが収まるスペースを確保した。
リビングにはツバメクリエイツが竣工時にプレゼントするツバメのシールが、家族と同じ数貼られていた。
リビングにはツバメクリエイツが竣工時にプレゼントするツバメのシールが、家族と同じ数貼られていた。
「お客様の希望を最大限かなえるリノベーションを心がけています」と話す担当者の村上さん(写真左)とTさん夫婦。
「お客様の希望を最大限かなえるリノベーションを心がけています」と話す担当者の村上さん(写真左)とTさん夫婦。