斜めの壁で空間を分ける 公園の緑に浮かぶ 島のような家

斜めの壁で空間を分ける 公園の緑に浮かぶ
島のような家

ヴィンテージマンションの最上階

緑が生い茂る公園の眺めが美しいヴィンテージマンションをリノベーションした岩松直明さん季恵さんご夫妻。
「以前は隅田川沿いに住んでいたこともあって、清澄白河エリアで探していました。3面採光の物件は珍しかったこともあり、購入を決断しました」
リノベーションのコンサルティングをリビタ、設計は松島潤平建築設計事務所に依頼。
 

スタイリッシュな空間にはいくつかのシカケがある。
ひとつが、ゆるやかに生活空間を分ける壁。なんとその壁は斜め! 広いスペースが欲しい寝室側に向かって斜めになっている。壁の向こう側は、洗面所とバスルーム、回遊できる通路となっている。
壁には飾り棚が設けてある。置くものによって棚の奥行きを変え、TV用の棚は裏側の配線が見えないよう工夫されている。

右側の壁が斜めに空間を分けている。目の錯覚で斜めには見えないが、床のラグと壁の角度に注目。

右側の壁が斜めに空間を分けている。目の錯覚で斜めには見えないが、床のラグと壁の角度に注目。

空間を分ける斜めの壁に、美しいプロポーションの飾り棚を設置。

空間を分ける斜めの壁に、美しいプロポーションの飾り棚を設置。

壁の四角い木のフレームは……、なんと扉。

壁の四角い木のフレームは……、なんと扉。

金具が見えないので吊り戸には見えない。スライドさせると洗面室が現れる。

金具が見えないので吊り戸には見えない。スライドさせると洗面室が現れる。

シックな色使いの心地よさ

インテリアの色味のバランスが美しい。モルタルの壁、床にはモルタライクという床材を使い、キッチンや棚の木部はラワン材。そしてキッチンのハンガーバーなど、ところどころに真鍮の要素を加えている。
 

寝室とリビングは、ちょうどベッドが見えないくらいの高さの壁でゆるやかに仕切られている。

手前の厚い壁と連続して、低く薄い壁がある。

手前の厚い壁と連続して、低く薄い壁がある。

リビングと寝室を分ける壁にウンベラータの水耕栽培が映える。

リビングと寝室を分ける壁にウンベラータの水耕栽培が映える。

空間の広がりはそのままに、ベッドルームとリビングを低い壁で分けるアイディア。

空間の広がりはそのままに、ベッドルームとリビングを低い壁で分けるアイディア。

服のカラーに統一感があり、見せる収納も美しい。

服のカラーに統一感があり、見せる収納も美しい。

斜めの壁の裏側を通ってグルリと回遊できる。右側が浴室。ブラケットライトはアルネ・ヤコブセン。

斜めの壁の裏側を通ってグルリと回遊できる。右側が浴室。ブラケットライトはアルネ・ヤコブセン。

棚板を12mmで統一

玄関の土間と、南側のサッシの下の土間にはさまれた最上階のリビングは、窓の外の緑の樹々に浮かぶ島のようなイメージだ。
 

空間がスタイリッシュなのは、壁付けの棚板がスッキリ見える薄さにも秘密がある。通常の棚板は厚さ18mmだが、12mmで統一。強度を保つため、奥側は厚くなっている。そして棚の上にはデザインが統一された箱を並べている。

キッチンからワークデスクまで人工大理石の天板が連続する。ペンダントライトは、NEW LIGHT POTTERY。

キッチンからワークデスクまで人工大理石の天板が連続する。ペンダントライトは、NEW LIGHT POTTERY。

キッチンの上の棚板の薄さに注目!

キッチンの上の棚板の薄さに注目!

公園の緑が見える明るいキッチン。ダイニングテーブルはボーエ・モーエンセン。

公園の緑が見える明るいキッチン。ダイニングテーブルはボーエ・モーエンセン。

緊急事態宣言前の設計だったが、期せずして季恵さんのリモートワークスペースとして大活躍。

緊急事態宣言前の設計だったが、期せずして季恵さんのリモートワークスペースとして大活躍。

窓の外に広がる公園の緑。樹々の梢を上から眺める浮遊感を楽しめる風景だ。

窓の外に広がる公園の緑。樹々の梢を上から眺める浮遊感を楽しめる風景だ。

南側の窓際には土間スペース。緑の手入れも楽しめる。

南側の窓際には土間スペース。緑の手入れも楽しめる。

手前の本棚はDIYで。「ラワン材をホームセンターでカットしてもらい、既存の本棚の上から張りました。作り付けの家具の色に合わせてペイントしています」

手前の本棚はDIYで。「ラワン材をホームセンターでカットしてもらい、既存の本棚の上から張りました。作り付けの家具の色に合わせてペイントしています」

玄関の土間の先にワークスペースを設けてある。

玄関の土間の先にワークスペースを設けてある。

Ranking Renovation