タワーマンションのリノベアートとヴィンテージを
抜群のバランスでMIX
手仕事とモダンデザイン
東京湾の景色を一望できるタワーマンションの高層階を新築で2008年に購入し、13年目にリノベーションした森井一徳さん早知子さんご夫妻。
リノベーションは『ハンズデザイン』が手掛けた。
「ネットで見つけた『ハンズデザイン』の見学会にお邪魔したらすごく気に入ってしまって、リノベーション熱が一気に高まりました。それまでは床やキッチンをリフォームができたらいいなくらいの気持ちだったのですが(笑)」。
リモートワークが増え、独立したワークスペースが欲しくなったのも理由のひとつだったそう。
「アメリカに駐在していた時にミッドセンチュリーの家具に目覚めました。そして旅先で出会った北欧家具や民芸品が気になるようになり、今はアート作品を買いにギャラリーに足を運ぶようにもなりました」。
京都に行った際は北欧ヴィンテージを扱う店、『B-GeneRATEd』を必ず覗く。
「デザイナーやメーカーがはっきりしている家具はネットオークションで買い手が見つかるので、気に入ったものが見つかると新旧問わず買い替えています。
ソファはアルフレックスの新しいラインです。ダイニングテーブルはこの20年で4個目。今使っているものは、脚が白のフリッツ・ハンセン。椅子はYチェアを使っていたこともありますが、今はフリッツ・ハンセンやアルテックの現行品に替えました。
遊びに来るたびに家具が変わるので、友達があきれています(笑)」
手仕事の温かさが感じられるシリカライムの左官の壁や草木染めのフレンチヘリンボーンの床。そこにデザインやアートが大好きなお二人が吟味して選んだ家具や小物を合わせ、スタイリッシュな住まいができあがった。
造作家具で空間をすっきり見せる
無駄なく空間を使える造作家具を、書斎やキッチン周りなどにたくさん作った。
「小物を飾る場所をいくつも作りたかったので、無理を言って飾り棚を玄関などにも作っていただきました」
「『ハンズデザイン』との打ち合わせで印象的だったのが“収納”でした。どこに何をしまって、何を見せるか、モノの住所をしっかりと決めてからリノベに取り掛かりました。
ミシンは当初、書斎に置いていたのですが、今は場所を移し、収納扉の中に作業スペースを作りました。『ハンズデザイン』の方が見たら、きっと驚かれると思います」。
裁縫スペースを収納扉の内側に作ることができたのは、コンセントを中に設置しておいてくれたから。
「洗面所の収納にも電源を細やかに配置してくれました。引き出しの内側にコンセントがあるので、使い終わったドライヤーをそのまま収納できます。鏡の扉の物入れの中にもコンセントがあります」
タイルや壁材を丁寧にセレクト
タイルや壁材などのセレクトは、積極的にショールームに足を運び、実物を見て決めた。それぞれの部屋の壁の色や、造作家具や収納扉の色にもこだわった。
「住んでいる家をリノベーションするためには、引っ越しを2度することになるので、断捨離も進みました。断捨離が進んだおかげで新しい家具を探す楽しみもありました」
工事中に新しい街で生活する経験も得られた。
「月に一度程度しか出社しないスタイルになったのでワークスペースが確保できて良かったですし、回遊動線も便利です。新築から13年目のリノベは早すぎるかとも思いましたが、決断して良かったです」