高層マンションをリノベーションデザイン性を追求して
スマートな都会ライフを楽しむ
一度の人生、好みの空間に暮らしたい
ベランダの向こうに富士山が望める、高層マンションの18階。IT系の仕事に携わるYさんは、半年ほど前にリノベーションを完了した。
「以前は近くの賃貸に住んでいて、このマンションがずっと気になっていたんです。売り出された1室を内見したところ、スペックが理想にぴったりだったので、すぐに購入しました」。
リノベーションはネットで見つけたグローバルベイスに依頼。
「サイトの完成度が高く、信頼が持てたのが決め手です。それまで色々な雑誌やサイトを見ても、好みが全部一致することはなかったんです。それならば一から自分好みにリノベーションをしたい。一度きりの人生なので、自分の好きな空間に暮らしたいと思いました」。
フルスケルトンにして、設計者と相談しながら計画をスタート。
「もともとアートを持っていたので、それを活かしたい、アートコレクションが似合う空間にしたいと、設計士さんにも作品を見せて相談しました。あとは当時住んでいた賃貸物件のメリット・デメリットを伝えて、プランを立てていきました」。
アートギャラリーが迎え入れる
玄関を入ると広々とした土間に、ベランダの向こうまで視界が抜ける、幅の広い廊下が。土間からリビングまでピクチャーレールが設置され、個性的なアートが室内へと招き入れてくれる。
「キックボードを置きたいので玄関を広くしたいと伝えたところ、土間を提案されました」。
土間はひと部屋分を撤去して広さを確保、納戸も撤去したことで廊下も約1.5倍に拡張した。左右で黒と白に壁紙の色が分けられ、コントラストがつけられた廊下は、静謐なギャラリーのよう。
「開放感があって、家の中に暗いところがないのが気に入っています。これだけ広かったらキャットタワーとかベンチなども置けるけれど、廊下には何も置きたくないですね。居住スペースも、モノのないシンプルな状態にしておきたい。パントリーや広めのウォークインクローゼット、収納を設けて、モノをすっきり収められるようにしています」。
ワークスペースはデスクから想起
広々としたLDKには、ガラス戸で仕切られたショールームのようなワークスペースが。
「ワークスペースを設けることありきで、間取りを考えていきました。他のスペースとは世界観を変えたくて、リビングと境界線を設けたいと伝えました」。
当初は腰壁+室内窓で仕切るつもりだったが、ガラス戸にすることでより明るく開放的になり、コスト面もダウン。
「特別な空間をつくるのだから、あまり見かけないもの、人が使っていないものを使いたかったんです。家具から探していて、見つけたこのデスクに合わせて、床材も発売されたばかりの新製品を選び、全体をイメージしていきました」。
壁の一面には印象的なタイルをあしらってアクセントに。
「本来、部屋で使うタイルではないらしいんです。LIXILのショールームで見つけて、これを使ったら面白いんじゃないかなと。リノベを始める前は、自分でショールームを回るのは想定していなかったのですが、やってみたら楽しかったですね」。
ワークスペースのバックヤードにはストレージを設置。デスクに向かった位置から目に入るリビングがすっきり見えるように、ソファもセレクトした。
「初めは電動ソファにしようと思ったのですが、後ろから見るとかっこ悪いんですよね。背もたれが高いソファも圧迫感がある。ワークスペースからの視界がよいものを探しました」。
多彩なカラーが使われたアートが、洗練されたクールな空間に彩りを添えている。
空間を引きしめる黒のキッチン
「空間の中で、ワークスペースとキッチンを、1カ所ずつ特徴づけしたいという思いがありました」。
明るく開放的なワークスペースに対して、黒を基調としたキッチンはシックでゴージャス。LDKの中でそれぞれが存在感を放っている。
「オープンなのだけど、天井にアクセントで無垢のフローリングを貼ることでゾーニングしています。ダークな空間だからこそ、木の天井が映えてきます。あとは暗さをカバーする分、腰壁には白タイルを使うことを薦められました。最初設計図を見たときはイメージが沸かなかったけれど、結果、正解でしたね」。
ワークスペースにタイルを使ったことから、キッチンの壁面にもキラキラと美しいタイルを。キッチンカウンターは、ワークスペースのデスクに合わせて、ネットで探した業者にオーダー。ひとつずつデザインバランスを考えて依頼した。
「無駄な装飾にコストがかかりました(笑)。トイレも好きなオレンジのカラーで遊んでみたりして。でもその分、寝室は特にこわだりなく、寝るだけと割り切っています」。
電気のオンオフなど、スマートホーム化して生活の利便性も向上。愛猫とのスマートな暮らしを満喫中だ。