いい家具のある暮らし京町家に伝わる空間美をヒントに
慣れ親しんだ畳の和室が落ち着きます
以前は日本家屋の一軒家に暮らしていたという伊能さん。3年前、この物件を購入しフルリノベーションを実施。間取りを考える前から、畳の和室をつくることを念頭に置いていたそう。
「子供の頃から和室に布団を敷いて寝る家に育ったので、ベッドのある洋室よりも和室のほうが落ち着きます」と伊能さん。
寝室として利用している和室だけでなく、全体に和のエッセンスを取り入れた設計が特徴的だ。イメージしたのは京都の町家。古くから日本に伝わる暮らしの知恵を取り入れ、空気や光を感じる趣のある空間を実現させた。
たとえば、玄関からリビングまで一直線に伸びる細長い間取り。リビングの窓から入る日光を、一番遠い玄関まで届かせる仕組みだ。さらに部屋の仕切りに格子を用いることで、光を遮らないよう工夫されている。
また、京都らしさを感じさせる遊び心あるインテリアも魅力の一つ。モルタルの土間に敷かれた飛び石や、リビング中央に設けられた中庭。夜になれば中庭の行灯が行く先を優しく照らす。ユーモアの中にもしっかりと実用性を兼ね備えている。
「子供の頃から和室に布団を敷いて寝る家に育ったので、ベッドのある洋室よりも和室のほうが落ち着きます」と伊能さん。
寝室として利用している和室だけでなく、全体に和のエッセンスを取り入れた設計が特徴的だ。イメージしたのは京都の町家。古くから日本に伝わる暮らしの知恵を取り入れ、空気や光を感じる趣のある空間を実現させた。
たとえば、玄関からリビングまで一直線に伸びる細長い間取り。リビングの窓から入る日光を、一番遠い玄関まで届かせる仕組みだ。さらに部屋の仕切りに格子を用いることで、光を遮らないよう工夫されている。
また、京都らしさを感じさせる遊び心あるインテリアも魅力の一つ。モルタルの土間に敷かれた飛び石や、リビング中央に設けられた中庭。夜になれば中庭の行灯が行く先を優しく照らす。ユーモアの中にもしっかりと実用性を兼ね備えている。
舞台照明を扱う仕事に従事する伊能さん。様々なモビールやペンダントライトが空間を賑やかに彩っている。
「インテリアショップを見てまわるのが昔から好きでした。十数年かけて少しずつ集めているうちに、自然とモビールが多くなっていて。軽やかで浮遊感のあるところが魅力的です」と話す。
家具選びの決め手はフィット感
そしてもう一つ。伊能さんが長年、魅了されて止まないのが椅子だ。イスを選ぶときは、デザイン性だけでなく座り心地を大切にしているという。
「どの椅子も飾りとして買ったことはないんです。実際に座ってみて、しっくりくるか。自分の体にフィットするか。五感を使って選んだので、どれも愛着のあるものばかりです」
部屋の至るところに配された椅子は全部で20脚ほど。和室には赤い張り地が印象的なあぐら椅子、リビングにはスウェーデンの家具職人・ブルーノ・マットソンが手がけた2色のイージーソファ。コネクターを外せば一脚でも使用可能だ。どれも個性的でありながら自然と調和し、この部屋ならではの居心地のよさを生み出している。そして窓辺に鎮座する黒いラウンジチェアは、ガラス戸からの自然光を目一杯堪能できる特等席だ。
「冬はこの椅子で日向ぼっこするのが至福の時間です」
「どの椅子も飾りとして買ったことはないんです。実際に座ってみて、しっくりくるか。自分の体にフィットするか。五感を使って選んだので、どれも愛着のあるものばかりです」
部屋の至るところに配された椅子は全部で20脚ほど。和室には赤い張り地が印象的なあぐら椅子、リビングにはスウェーデンの家具職人・ブルーノ・マットソンが手がけた2色のイージーソファ。コネクターを外せば一脚でも使用可能だ。どれも個性的でありながら自然と調和し、この部屋ならではの居心地のよさを生み出している。そして窓辺に鎮座する黒いラウンジチェアは、ガラス戸からの自然光を目一杯堪能できる特等席だ。
「冬はこの椅子で日向ぼっこするのが至福の時間です」
五感のすべてに心地の良い空間を
施工前からこの物件に存在する、ダイニング壁に埋め込まれた大きなガラスブロック。計画の制約になることも少なくないこうした既存の設備も、上手に活用した結果、理想的な浴室づくりに一役かったと伊能さんは言う。
「マンションの規定上、浴室に開閉式の窓を取り付けることはできなかったんです。それならば、と大きなガラス窓を設け、ダイニングからの日光を十分に取り込める開放的な浴室にしました。ラッキーなことにガラスブロックは外からの視線を気にする必要がない上に、窓越しにテレビも観られるようになりました」
「マンションの規定上、浴室に開閉式の窓を取り付けることはできなかったんです。それならば、と大きなガラス窓を設け、ダイニングからの日光を十分に取り込める開放的な浴室にしました。ラッキーなことにガラスブロックは外からの視線を気にする必要がない上に、窓越しにテレビも観られるようになりました」
こうした設計やインテリアだけでなく、音や香りなども心地よい空間づくりに欠かせないと伊能さんは語る。その一つがリビングの音響機器。リビングにはオーディオスピーカーをはじめとする、レコードプレーヤーやウーファーなどが充実している。
「週末は家でゆっくり過ごすことが多くなりました。ハンドドリップしたコーヒーを片手に、音楽や映画を楽しんだり。最近はアロマを焚いたりするのも好きです。この部屋にあるあらゆる家具や雑貨が、ここで過ごす時間を上質なものにしてくれています」