2度目のリノベーション ポップな彩りを楽しむ ライフステージに合わせた家

2度目のリノベーションライフステージに合わせた
今、心地よい住まい

資産性も考えて物件をセレクト

リノベーションして2年間暮らした家を売却。2年程前に2度目のリノベーションを行った佐藤諒さん・早矢さんご夫妻。
前の家は二人用に考えた間取りだったので、子どもが生まれたら引っ越す前提でした。妊娠中から転居を考え初めて、子どもが1歳になった時に新居を完成させました」
都内の中古・リノベーション住宅を販売する「cowcamo」を運営する企業に、以前勤めていた早矢さんと、現在も勤務する諒さんにとって、再リノベーションのハードルは高くなかったそう。
「まわりのスタッフも短期間でリノベを繰り返していて、住み替えることが当たり前の感覚があるんです。もう一度やりたい、そういう気持ちがあるからごく自然でしたね。仕事柄、良い物件も見極められるので躊躇はありませんでした」
諒さんによると、資産性においても大事なのは建物の管理状態の確認と、日当たりや風通しのような変えられない点の条件が揃っているかどうか。開口の向こうに眺望が広がる築31年のマンションの1室を見つけ、再リノベすることに。

和室を取り壊して、広々とさせたLDK。床は無垢のチーク材にオイル塗装を施した。

和室を取り壊して、広々とさせたLDK。床は無垢のチーク材にオイル塗装を施した。

大きなキッチンカウンターがLDKの中心。

大きなキッチンカウンターがLDKの中心。

ガラス入りのドアを通して、南西のベランダから北東の書斎まで、光が抜ける。

ガラス入りのドアを通して、南西のベランダから北東の書斎まで、光が抜ける。

佐藤さんご家族。鮮やかな緑のクッションを差し色に。

佐藤さんご家族。鮮やかな緑のクッションを差し色に。

個室はプライバシーを確保

「前の家は全体を回遊できるワンルームのような間取りにしたのですが、今回は部屋数を増やすことが目的でした。子どもがいると音が気になるので、リビングと寝室を分け、収納も増やしています」
玄関を入ると広々としたホールに、寝室、トイレ、クローゼットの扉が。左手の書斎にはガラスの室内窓が設けられ、開口からの光が通り抜けて明るい。
「ここは間取り自体は変えていないゾーンなのですが、室内窓やLDKへのドアでガラスを使い、光が通るようにしました。日中は照明を付けないで生活したいと思うんです」
以前の50㎡強から73㎡と広くなったことで個室を確保。一方で和室は壊してLDKに取り込むことで、3LDKを2LDKに変更し、広々としたLDKを実現した。
「以前は壁付けキッチンだったのですが、今回はカウンターキッチンが希望でした。子どもがいるので、LDK全体に目が行き届くようにしたいと思ったんです。でもそうするとキッチンがリビングの顔になってくるので、カウンターキッチンからインテリア全体を考えていきました」

玄関ホールの左手にある書斎に、ガラスの室内窓を設置。

玄関ホールの左手にある書斎に、ガラスの室内窓を設置。

LDKへのドアは、ガラス入りのアンティーク。ネットで探して大工さんに加工してもらった。

LDKへのドアは、ガラス入りのアンティーク。ネットで探して大工さんに加工してもらった。

静かで落ち着く書斎。いずれは子ども部屋にすることもできる。

静かで落ち着く書斎。いずれは子ども部屋にすることもできる。

ベッドルームの一面は、モルタルを塗装して、キッチンと同じウッドリブパネルを採用した。ベッドヘッド代わりにもなっている。

ベッドルームの一面は、モルタルを塗装して、キッチンと同じウッドリブパネルを採用した。ベッドヘッド代わりにもなっている。

書斎の一面はあえて剥き出しに。これからDIYでペイントする予定。ピンクや黄色など、派手な色を検討中。

書斎の一面はあえて剥き出しに。これからDIYでペイントする予定。ピンクや黄色など、派手な色を検討中。

ベッドルームに、服をかけるクローゼットを設けた。木枠で囲い、Rをつけたところがこだわり。カーテンにすることで圧迫感を避けて、通気性も確保。

ベッドルームに、服をかけるクローゼットを設けた。木枠で囲い、Rをつけたところがこだわり。カーテンにすることで圧迫感を避けて、通気性も確保。

カフェのようなカウンターキッチン

キッチンはピンタレストで事例を集めて、イメージを膨らませた。
「カウンターに深い色味のリブパネルを張ったカフェがとても気に入って。キッチン台はステンレスで選んでいたので、そのままでも素敵だったのですが、あえて腰壁を立てて造作してもらいました。プレーンな色のウッドパネルにチェリー色のワトコオイルを塗装しています」
無垢のチーク材の床にも同色のワトコオイルを塗装。G-PLANのダイニングテーブルの色味ともリンクして、味のある雰囲気を出している。
「壁は一部モルタルで塗装することを、最初から決めていました。出ることがわかっていた梁も設計士さんに相談して、モルタル塗装に決めました」
趣きのある飴色の有機的な木目に、グレーの無機的なモルタルをミックス。そしてカウンター下や床の見切り材などディテールには真鍮をあしらった。
「洗面もウッドリブパネルで造作しました。使っていくうちに色が深くなっていったり、味が出てきたりするものが好きなんです。でも一方に偏らず、新しいものも混ぜて、調和させていきたいですね」

2400mmのキッチンを取り囲むカウンターが、LDKの中心。ルイス・ポールセンのペンダントライトにも真鍮があしらわれている。

2400mmのキッチンを取り囲むカウンターが、LDKの中心。ルイス・ポールセンのペンダントライトにも真鍮があしらわれている。

リブパネルはtoolboxのもの。カウンターの下部に真鍮をあしらった。床は塩化ビニールで切り替え。

リブパネルはtoolboxのもの。カウンターの下部に真鍮をあしらった。床は塩化ビニールで切り替え。

キッチン背面のキャビネットは、リブパネルに合わせて造作。家電やブレッドボックスを黒で揃えた。

キッチン背面のキャビネットは、リブパネルに合わせて造作。家電やブレッドボックスを黒で揃えた。

モルタル壁に合わせて、業務用っぽいサンワカンパニーのステンレスのキッチン台を。

モルタル壁に合わせて、業務用っぽいサンワカンパニーのステンレスのキッチン台を。

キッチンと合わせてデザインした洗面台。柳宗理の鏡で、和の雰囲気を加えている。ペンダントライトは、以前から持っていた安土草多さんの作品。

キッチンと合わせてデザインした洗面台。柳宗理の鏡で、和の雰囲気を加えている。ペンダントライトは、以前から持っていた安土草多さんの作品。

ポップな色合いをプラスして

グレーと白、木で統一した、光が通り抜けるシンプルな空間は、家具やアート、雑貨などが彩りを添えている。
「建具などベースになるところに色を持ってくると、全体的なまとまりをつくるのが難しいと思います。空間はシンプルに仕上げて、小物で色を足していくのがよいと思っています」
オープンシェルフに飾られた鮮やかな色合いの雑貨や、ポップなポスターが目を引く。
「大きめのポスターがあると、雰囲気ががらっと変わってきますね。倉庫にも在庫を置いていて、気分によって変えては楽しんでいます。蚤の市や古道具屋さんを回るのも好きですね」
前の家をリノベーションしてから、古いものに愛着を感じるようになったという早矢さん。
「以前は中古品に抵抗があったのですが、リノベを経験してから変わってきたんです。誰かが使ったものを受け継いで使って行く、というコンセプト自体がいいなと思うようになりました」
変化していくライフスタイルに合わせて、再々度の引っ越しも視野に入っているそう。その場合もリノベーション一択。
「一度やるとまたやりたい気持ちになるのがリノベーションなんです。引っ越しは大変だし、2年に1回はちょっと多いけど(笑)。家をライフステージに合わせて変えて行くことを楽しみたいですね」

G-PlANのダイニングテーブルは、空間に合わせ、円形のものに買い替えた。イスはKnollなど。海外サイトDROOLでポスターをたくさん購入し、アレンジを楽しんでいる。

G-PlANのダイニングテーブルは、空間に合わせ、円形のものに買い替えた。イスはKnollなど。海外サイトDROOLでポスターをたくさん購入し、アレンジを楽しんでいる。

キッチン横のコーナーは、ディスプレイを楽しみつつ、現在はキッズスペースに。以前から持っていたヴィンテージのラグがぴったり合った。

キッチン横のコーナーは、ディスプレイを楽しみつつ、現在はキッズスペースに。以前から持っていたヴィンテージのラグがぴったり合った。

小物でヴィヴィッドなカラーを添えて。棚受けにも真鍮を採用。

小物でヴィヴィッドなカラーを添えて。棚受けにも真鍮を採用。 

日常使いのお皿などは取り出しやすいオープンシェルフに。

日常使いのお皿などは取り出しやすいオープンシェルフに。

早矢さんと3歳の長男。Toolboxのカーテンを天井下からかけ、やわらかな光の入り方を楽しんでいる。

早矢さんと3歳の長男。Toolboxのカーテンを天井下からかけ、やわらかな光の入り方を楽しんでいる。

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