プロに聞く空間の使い方Part2  ちょっとしたひと手間で 生活スペースに非日常感を

プロに聞く空間の使い方Part2ちょっとしたひと手間で
生活スペースに非日常感を

プラスαのアイデアを散りばめる

生活空間をもっと素敵に。ショップディスプレイのように素敵に彩りたい。そこで、インテリアスタイリストさんが実践しているご自宅のデコレーションを見せてもらった。
「海外の映画で見かけたような、仕切りのない広々とした部屋に憧れて、LDKを家具で緩やかに仕切っています」。
その様子はPart1で紹介した通り。設計から拘れるコーポラティブハウスを、自由にプランニングして暮らすみつまともこさん。Part2では、キッチン、リビング、サニタリーそれぞれの空間で行っているプラスワンのアイデアを見せてもらった。
中央にソファーを置き、家族で過ごすスペース、ひとりで読書するコーナーなどを緩やかに分けている。そこに寛ぎを与えるためのアイデアがたくさん。

中央にソファーを置き、家族で過ごすスペース、ひとりで読書するコーナーなどを緩やかに分けている。そこに寛ぎを与えるためのアイデアがたくさん。

キッチンを“見せる場”に

みつま邸ではキッチンに吊り戸棚を設けず、棚板を渡して見せる収納を楽しんでいる。
「ディスプレイを楽しみながら収納したいと思いました。コツは、ガラスはガラス、木は木というように素材毎にまとめることです。作家ものなら作家さん毎に並べたり、アンティークはアンティークでまとめたり。統一性をもたせることでごちゃついて見えるのを防ぎます」。
毎日ご飯を炊く土鍋はコンロに出しっ放しに。ただし、近くに同じカラーや素材感のものを置くことでしっくりなじませている。
「あと、我が家では食卓の真ん中によくフルーツを置いています。テーブルの上に器に載せて出しておくだけで、まわりが瑞々しく豊かになるんです」。
特にガラスの容器にフルーツを入れておくのがおすすめだとか。
「光の反射が美しいし、季節感も表現できます」。
ガラス製品を上段に。その中でもアンティークは右側にまとめるなど、グループ分けしている。

ガラス製品を上段に。その中でもアンティークは右側にまとめるなど、グループ分けしている。

素材別にポジションを設定。土鍋の近くに黒いアイテムを置くなど、さり気なくコーディネート。

素材別にポジションを設定。土鍋の近くに黒いアイテムを置くなど、さり気なくコーディネート。

みつまさんが愛用するのはガラスの入れもの。花瓶などをフルーツ入れに。

みつまさんが愛用するのはガラスの入れもの。花瓶などをフルーツ入れに。

食卓に果物があると空間が引き締まる。盛りすぎないのもポイント。

食卓に果物があると空間が引き締まる。盛りすぎないのもポイント。

リビングを寛ぎのスペースに

長い時間を過ごすLDKには、作り込みすぎないけれど素敵に見せるアイデアを施したい。
「ソファーに布をかけておくと寛ぎのムードを演出できます。夏は軽やかな麻、冬は厚手のウールなどに取り替えます。ポイントはびしっとさせすぎず、シワを気にしないこと。自然な感じがリラックス感を出すと思います」。
リビングの片隅の書斎には、本が無造作に積み上げられている。
「色を揃えて積むところに気を使っています。本の形状などをきっちり揃えたりはしませんが、色を意識するだけで無造作な中にも落ち着きが生まれますよ」。
悩ましいのはリモコンやゲーム機器などの、無機質で床に散らかりがちなもの。
「まとめて置いておく場所を作りたいのですが、入れものには工夫がほしいです。我が家では、本来は掃除道具用と思われる、オーバルのブリキのバケツに入れています。用途の全く違うものですが、そのアンバランスさがいいと思うんです」。
自由な発想で使いこなせば、見せたくないものがインテリアの一部に早変わり。
あえてクシャッとさせることでリラックス感を。クッションカバーも季節で取り替えている。

あえてクシャッとさせることでリラックス感を。クッションカバーも季節で取り替えている。

色を意識して積み上げることで、本がディスプレイの一部に。

色を意識して積み上げることで、本がディスプレイの一部に。

「LABOUR AND WAIT」のブリキの容器。そのまま置いておいても様になる。

「LABOUR AND WAIT」のブリキの容器。そのまま置いておいても様になる。

サニタリーを非日常空間に

どうしても現実感が漂ってしまうのがサニタリー。そんな場所こそ、少し工夫することで心地よい空間にしておきたい。
「タオル類はこだわらず好きなものを揃えていますが、取り出しやすいように棚には扉を設けませんでした。あえてきれいに畳んだり、丸めて入れたりしないで、無造作にしておく方が自然な感じがします。色はある程度揃え、そこに差し色を加えます。糸巻きなど全然関係ない実用的でないものを置いておくのも、ディスプレイのテクニックのひとつですね」。
洗面台は水でびしょびしょになってしまうのが悩み。
「我が家ではコーナーにケーキスタンドを置き、その上に必要なケアグッズを載せています。洗面台が掃除しやすいし、非日常感も出ると思います。トイレでは棚がなくてもアロマなどをあしらいたいと思います。本体の上に布を敷き、その上に載せて楽しんでいます」。
ちょっとした工夫と手間が、住空間を素敵にアレンジしてくれる。
色を揃えたり、きれいに畳んだりせず、あえてラフな感じに。力を入れる、抜く、のバランスも大事。

色を揃えたり、きれいに畳んだりせず、あえてラフな感じに。力を入れる、抜く、のバランスも大事。

ケーキスタンドを洗面に活用。台の上が掃除しやすくおすすめ。

ケーキスタンドを洗面に活用。台の上が掃除しやすくおすすめ。

棚などがなくても、ひと手間加えてトイレを快適な空間に。

棚などがなくても、ひと手間加えてトイレを快適な空間に。

ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリストのみつまともこさん。サザビーでウィンドーディスプレイ、ショップデコレーションなどを担当し、独立。家を快適にするアイデアを発信。

ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリストのみつまともこさん。サザビーでウィンドーディスプレイ、ショップデコレーションなどを担当し、独立。家を快適にするアイデアを発信。

Ranking Smart Ideas