![暮らしをデザインする布 1枚の布を手に入れて、 窓を隠すのではなく彩る 暮らしをデザインする布 1枚の布を手に入れて、 窓を隠すのではなく彩る](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095440/220112ien-1000x600.jpg)
暮らしをデザインする布1枚の布を自由に使って
窓を隠すのではなく彩る
欧米と異なる、日本の窓の歴史
窓の大きさに合わせてオーダーしたり、引っ越しの度に買い替えたり。窓まわりにかけるカーテンに悩まされて来た人は多いはず。
「窓まわりというと大まかにはカーテンかブラインドの2択しかなくて、これまで選択肢が少なかったですね」。
と語るのはテキスタイルクリエイターであり、『ieno textile』の代表、南村弾さん。ご実家はファブリックメーカー。いつも布が身近にある環境で育ったのだそう。
「自分の家にはカーテンというものはなくて、ただ布のサンプルを試して使っていただけなんです。縫製もされていないほとんど切りっ放しの布を、簡単なクリップでつまんだり、留めてかけていたり。気軽な感じであしらっていました」。
窓には美しく仕立てられた、ぴったりとサイズが合うカーテンをかけなくてはいけない。そのスタイルはどこから生まれたのだろう。
「ヨーロッパのインテリアが日本に入ってきて、カーテンも広まっていきましたが、日本のカーテンはあくまで“カーテン風”なんです。国によってライフスタイルは違っていて、海外では人を家に招く習慣が根づいています。またドイツでは、外を歩いている人にも家の中を見せる文化があって、カーテンもインテリアの一部と捉えられています。だから、そもそも閉じることを考えて作られていません。ところが日本では隠す文化があるので、家の中を見せないようにするためにカーテンを作ってきたという背景があります」。
各国の文化をミックスしながら、さらに閉じる文化に合わせて進化してきたのが、日本で生まれた日本風カーテン。
「でも今の時代、モノはもう十分買ったので、そろそろ違うものを取り入れたい、隠すためのカーテンじゃなくてもいいと考える人が増えてきています。この20年で考え方が大きく変わってきました。その時に、私自身は自分の家でやってきたことが、スタートになりました」。
![グレー×アイボリーのツートンのカーテンは、グレーの部分を下側にすると空間に安定感を、逆にすると軽さを演出してくれる。製造過程で出る布の端材部分や、糸の残りを集めて再活用した厚手の布。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095317/220112ien-001.jpg)
グレー×アイボリーのツートンのカーテンは、グレーの部分を下側にすると空間に安定感を、逆にすると軽さを演出してくれる。製造過程で出る布の端材部分や、糸の残りを集めて再活用した厚手の布。
![クリップで挟んでレールに留めただけのラフなアレンジ。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095323/220112ien-002.jpg)
クリップで挟んでレールに留めただけのラフなアレンジ。
![マクラメと合わせて、自由にコーディネート。](https://img.tokosie.jp/2022/10/30173034/220112ien-003re.jpg)
マクラメと合わせて、自由にコーディネート。
![『ieno textile』では、厚手と薄手の2種類、30色柄の布を取り揃える。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095333/220112ien-004.jpg)
『ieno textile』では、厚手と薄手の2種類、30色柄の布を取り揃える。
アレンジにベストサイズの布
『ieno textile』で扱っている布の商品は全て、約140cm×230cmというサイズだ。
「20年程前、試作品を家で使っていて、ある時必要なもののサイズに大まかに切ってみたんです。そもそも生地幅は140cm〜150cmが多く、その幅を活かして必要な高さで切ってみたところ200cm〜230cmでした。これが色々に使える暮らしにベストなサイズだったのです」。
もともとカーテンを想定したわけではなく、およそ140cm×230cmの布があれば、テーブルまわりにもベッドまわりにも、暖簾やパーテーションにも、どこでも使えることを発見して、1枚の布“14-23”が生まれた。
「これを手に入れた途端、窓まわりにおいても自由な使い方が可能になりました。そもそも布を窓にかけるというもともとあった発想が、今新しく感じられるのが面白いです」。
2枚両開きで高さが180cm〜200cmくらいの典型的な日本の窓であれば、20cm〜30cmを折り返してクリップで挟めば窓まわりにかけられるし、そのまま横にすれば腰高窓にも対応してくれるなど、色々なタイプの窓に使いこなすことができる。
「左右で違うカラーの“14-23”をかけるなど、アレンジも楽しめます。窓で使っていて飽きたらテーブルクロスにしたりソファカバーにしたり。最近ではクローゼットのパーテーションなど、建具の代わりにされる方も多いです。色々な用途に使えて、アレンジの幅が広がっていきます」。
![光を通す透け感のある薄手の“14-23”を、窓枠に合わせて折り返して使用。柄物のバティックとのコーディネートが美しい。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095337/220112ien-005.jpg)
光を通す透け感のある薄手の“14-23”を、窓枠に合わせて折り返して使用。柄物のバティックとのコーディネートが美しい。
![左右で異なるカラーをかけてみるのも楽しい。タッセルで自由にアレンジを。折り返しは、前に折ると優しい雰囲気に、後ろに折るとシャープな印象になる。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095340/220112ien-006.jpg)
左右で異なるカラーをかけてみるのも楽しい。タッセルで自由にアレンジを。折り返しは、前に折ると優しい雰囲気に、後ろに折るとシャープな印象になる。
![リネンとポリエステルの糸を混ぜ合わせた、軽やかな布をテーブルクロスに。自然な色ムラが魅力のひとつ。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095343/220112ien-007.jpg)
リネンとポリエステルの糸を混ぜ合わせた、軽やかな布をテーブルクロスに。自然な色ムラが魅力のひとつ。
![端材をリサイクルして作る丈夫なリネン100%の布を、ソファカバーとして。シンプルだから様々なシーンに活躍。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095347/220112ien-008.jpg)
端材をリサイクルして作る丈夫なリネン100%の布を、ソファカバーとして。シンプルだから様々なシーンに活躍。
![ベッドルームへのドアの代わりに。軽く透けるので、光や風が通り抜ける。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095351/220112ien-009.jpg)
ベッドルームへのドアの代わりに。軽く透けるので、光や風が通り抜ける。
![パントリーの入り口の仕切りに。柄ものを選んでアクセントにするのもいい。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095356/220112ien-010.jpg)
パントリーの入り口の仕切りに。柄ものを選んでアクセントにするのもいい。
リノベ時にも活用したい
視線や光を遮り、断熱・保温効果を得るためのカーテンから、暮らしを楽しむための1枚の布へ。
「布には機能性だけでなく、柔らかさや優しさ、温かみや涼しさという特性があるので、そういった雰囲気も楽しんでほしいですね」。
リノベーション時に引き戸や開き戸、間仕切りなどの選択に悩んだら、“14-23”を使ってみる。透け感のある素材が光を優しく通したり、鮮やかな色合いが立体感を生んだり、空間を魅力的に仕上げてくれる。その際には、布を吊り下げるためのクリップや、束ねるためのタッセルなどの小物を使って、様々なアレンジも楽しみたい。
「〜用と決めつけるのではなく、布を取り入れた暮らしを楽しんでほしいし、布を愛して使ってほしいと思います。カーテンであれば窓辺を彩る道具として。それに飽きたら別の用途で。Tシャツのように折り畳んでおけるので、洋服を着替えるように、季節や気分に合わせて使ってもらってもいいです」。
インテリアのプロも愛用する“14-23”。暮らしを自分らしくデザインするための、ひとつの道具となってきた。
![クリップのショーケースは、かつてお菓子が売られていた古道具。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095401/220112ien-011.jpg)
クリップのショーケースは、かつてお菓子が売られていた古道具。
![様々なモチーフを形にしたクリップや布のボタンは計11種類。選ぶのが楽しい。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095405/220112ien-012.jpg)
様々なモチーフを形にしたクリップや布のボタンは計11種類。選ぶのが楽しい。
![2つのパーツがくっついて、布を束ねられるマグネット式のタッセル。横方向にも縦方向にも使え、高さの調整もできる。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095408/220112ien-013.jpg)
2つのパーツがくっついて、布を束ねられるマグネット式のタッセル。横方向にも縦方向にも使え、高さの調整もできる。
![星形がかわいいシルバーのクリップでハンギング。ドレープが自然。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095411/220112ien-014.jpg)
星形がかわいいシルバーのクリップでハンギング。ドレープが自然。
![太陽をモチーフにしたゴールドクリップでゴージャスに。1個ずつ違うクリップを使うのもおすすめ。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095414/220112ien-015.jpg)
太陽をモチーフにしたゴールドクリップでゴージャスに。1個ずつ違うクリップを使うのもおすすめ。
![Tシャツのように折り畳んで保管することができる。最上部はグレー×アイボリーの「Ahaha」¥11,880 (税込) 。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095418/220112ien-016.jpg)
Tシャツのように折り畳んで保管することができる。最上部はグレー×アイボリーの「Ahaha」¥11,880 (税込)。
![余った布から糸を作り、再利用した「BAUMKUCHEN」¥11,880 (税込)。しっとりと柔らかい質感に、ボーダー部分のヘリンボーン、刺繍のようなステッチがアクセント。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095423/220112ien-017.jpg)
余った布から糸を作り、再利用した「BAUMKUCHEN」¥11,880 (税込)。しっとりと柔らかい質感に、ボーダー部分のヘリンボーン、刺繍のようなステッチがアクセント。
![“14-23”の「Re.nen」の生地をクッションケースに。質感のよい丈夫なリネン100%で、チクチクしない肌触り。使い込むほどに味わいが増す。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095428/220112ien-018.jpg)
“14-23”の「Re.nen」の生地をクッションケースに。質感のよい丈夫なリネン100%で、チクチクしない肌触り。使い込むほどに味わいが増す。
![布にかかわるものを形にするクリエイター、南村弾さん。ドイツ・ハイムテキスタイルで10年連続トレンドセッターを務めた後、2019年からアンバサダーとして活躍。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095433/220112ien-019.jpg)
布にかかわるものを形にするクリエイター、南村弾さん。ドイツ・ハイムテキスタイルで10年連続トレンドセッターを務めた後、2019年からアンバサダーとして活躍。
![『ieno textile 』Atelier&Shopは来店予約制。空間に合わせた“14-23”の取り入れ方を提案してくれる。](https://img.tokosie.jp/2022/09/28095437/220112ien-020-700x467.jpg)