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アートを日常で楽しむ方法 Part1本物のアートを
家で毎日楽しめる喜び

アートはコミュニケーションツールにも

現代アートの人気が高くなっているけれど、家に迎え入れる勇気が出ないという方も多いはず。そんな”あと一歩の勇気”を後押しするアートアドバイザーとして活躍されている奥村くみさんに、アートと暮らす楽しみや、その方法を聞いた。
 

奥村さんのお宅では、アートを季節で替えることを楽しんでいるのだそう。
「アートと暮らすことで、部屋にストーリーが生まれます。日々の光景が変わり、新たな好奇心が芽生え、感性が研ぎ澄まされていきます。たとえば春には命の萌芽を感じる作品を、冬はあたたかな作品を飾ることが多いですね。
アートとは、作家が真剣に自分の心と向き合い、魂を込めて制作したものだと思っています。そういった作品を家に迎え入れ、毎日見ることができる喜びを知ると、もうアートのない暮らしには戻れません」

もうひとつ、アートにはコミュニケーションツールになる力があるのだとか。
「最近ではオフィスにアートを取り入れることも多くなり、来客とそのアートの話をすることで、円滑なコミュニケーションとしての役割を担っています。
我が家にいらっしゃったお客様とも絵について話をします。どういう経緯で買ったのか、そして作家の話題などなど。子どもたちに『何に見える?』と聞くことも多いですね」

ソファの半分の大きさのアートを飾る

さて、アートを飾る際に最初に候補として選ばれることが多い場所……リビングのソファの後ろの壁だ。ソファを壁につけて置いた時、そこに大きな余白が生まれる。
「ソファの後ろの壁にアートを飾る時、ソファの半分の大きさの作品を飾るとバランス良く見えます。もし、気に入ったアートが小さなものだったら、いくつか組み合わせて飾るのもよい方法です」
ソファの上の壁にアートを飾る時、ソファの半分程度の大きさのアートを目安にして飾るとバランスよくキマる。artist:鈴木 隆
ソファの上の壁にアートを飾る時、ソファの半分程度の大きさのアートを目安にして飾るとバランスよくキマる。artist:鈴木 隆
アートアドバイザーの奥村くみさん。インテリアコーディネーターとして活躍した後、2004年より現代アートとインテリアの融合を目指し、アートアドバイザーとしてアートのある暮らしを提案。近著に『アートと暮らす日々』(ワニブックス)。毎年「堂島リバーフォーラム」にて、セレクトしたアートを楽しめるフェア『ART NAKANOSHIMA』を開催
アートアドバイザーの奥村くみさん。インテリアコーディネーターとして活躍した後、2004年より現代アートとインテリアの融合を目指し、アートアドバイザーとしてアートのある暮らしを提案。近著に『アートと暮らす日々』(ワニブックス)。毎年「堂島リバーフォーラム」にて、セレクトしたアートを楽しめるフェア『ART NAKANOSHIMA』を開催

飾り方の基本。アートは低めに飾る

アートを飾る位置を決める際、特に大切なのが“高さ”。
「高さのことを深く考えずに飾るとどうしても高めになってしまいがちなのですが、思い切って低くしてみてください。それだけでグッと素敵になります。ソファや椅子に座って見る機会の多いアートは、座って高さを確認することが大切です。立って見ることが多い場所、座って見ることが多い場所とでは、理想の高さも違ってきます」
試しに、どこの家でも壁にかかっていることが多い時計の位置を、低くしてみるのもオススメなのだとか。それだけでお洒落な空間に変わるそう。
 

アートの飾り方の実践編。まず位置を決めたら、マスキングテープや後で消せる鉛筆などを使い、希望の場所に印をつける。
フックにフレームをかけた時に、何センチ下るのかを知るために、フレームの上部と紐の差を測っておく。
その差分の余裕を持たせた場所にフックを取り付けると、狙った位置に正確にアートを飾ることができる。
このテクニックは、何枚かの絵を組み合わせて飾るときにも生きてくるので、しっかりとマスターしたい。

まず、アートを飾る位置と高さを決める。
まず、アートを飾る位置と高さを決める。
飾る場所が決まったら、マスキングテープなどで印をつけておく。
飾る場所が決まったら、マスキングテープなどで印をつけておく。
フレームをひっくり返し、裏面のヒモを引き上げた状態から、フレームの上部までの長さを測る。
フレームをひっくり返し、裏面のヒモを引き上げた状態から、フレームの上部までの長さを測る。
マスキングテープを貼った場所から、上では買った長さ分の下に印をつける。後で消せるように鉛筆を使うと良い。
マスキングテープを貼った場所から、上では買った長さ分の下に印をつける。後で消せるように鉛筆を使うと良い。
こちらは石膏ボード用のフック。3本のピンのもの、2本のピンのものなど種類があるので、かける作品の重さに合わせて選ぶ。
こちらは石膏ボード用のフック。3本のピンのもの、2本のピンのものなど種類があるので、かける作品の重さに合わせて選ぶ。
ピンを壁に打って固定する。「作品がとても軽い場合は、押しピン(画鋲)を使うこともあります」
ピンを壁に打って固定する。「作品がとても軽い場合は、押しピン(画鋲)を使うこともあります」
フックにひもをひっかける。作品を上から下へ壁に沿って平行移動させて引っ掛けてもよい。
フックにひもをひっかける。作品を上から下へ壁に沿って平行移動させて引っ掛けてもよい。
最後に、水平器を使って傾きがないかチェックする。
最後に、水平器を使って傾きがないかチェックする。

階段や洗面所にもアートを

一日に何度も行き来する階段は、アートを飾る場所としてはとてもよい場所。
「特に横に長い連作を階段に飾れば、動きながら楽しめます」
 

アートを飾る場所を決めてからアートを買い求めようとしても、なかなか出会えないことが多いのだとか。順番を逆にしてみよう。
「心惹かれるアートと出会ったら、思い切って購入しましょう。家の中に飾る場所は、探せば後から見つかるものなのです」

横に移動する階段という場所を活かし、連作を飾る。artist:たちばなひろし
横に移動する階段という場所を活かし、連作を飾る。artist:たちばなひろし
水廻りにも飾って、ひとりでアートに向き合える時間を楽しんで。「お客様へウェルカムの気持ちを伝えるためにも、パウダールームにアートは必須です」。artist:レベッカ・ソルタ
水廻りにも飾って、ひとりでアートに向き合える時間を楽しんで。「お客様へウェルカムの気持ちを伝えるためにも、パウダールームにアートは必須です」。artist:レベッカ・ソルタ