ナチュラルからトライバルまで  空間テイストに合わせた カーテンの選び方

ナチュラルからトライバルまで空間テイストに合わせた
カーテンの選び方

窓まわりはその家を映し出す

空間やインテリアにこだわっても、なかなか手がかけられないのがカーテン。何を選べばよいのか分からない、とカーテンなしで過ごしてしまうなんてこともありそう。
「日本はカーテン文化が浅いのです。デザイン性よりも目隠しだったり、日よけだったり、ウォッシャブル、防汚だったりと機能を求めがちです。でも欧米では違いますね」と語るのは、オーダーカーテンショップ「DECORADOR」の丸山千里さん。
「海外ではカーテンは機能ではなく、空間を彩るひとつのアイテム。新居を求める時、家具などと共に、どんなカーテンを合わせようかとトータルで考えることが多いですね」。
カーテンを含めて、インテリアをコーディネートすることは海外では常識。窓まわりのきれいな家はきちんとした家、という評価がされることもあるのだそうだ。そこで、どんなカーテンをどのようなインテリアに合わせればよいのか、空間に合わせたカーテンの選び方を、丸山さんに伺った。

イギリス始めヨーロッパ各国から揃えた生地、カーテンがひしめく店内。色、柄、デザイン性で選ぶと自然に輸入ものに辿り着いたという。

イギリス始めヨーロッパ各国から揃えた生地、カーテンがひしめく店内。色、柄、デザイン性で選ぶと自然に輸入ものに辿り着いたという。

インテリアから入り、カーテンの魅力にはまったという丸山さん。「形ある家具を部屋に配置するのではなく、自分で創り上げる面白さがあります」。お気に入りの生地を一部分だけにあしらうなど、アレンジも楽しみたい。

インテリアから入り、カーテンの魅力にはまったという丸山さん。「形ある家具を部屋に配置するのではなく、自分で創り上げる面白さがあります」。お気に入りの生地を一部分だけにあしらうなど、アレンジも楽しみたい。

ナチュラル系の部屋の彩り方

漆喰の壁に無垢の床、素材感を楽しむシンプルな部屋には、綿や麻などの天然素材のカーテンを選びたい。
「強い色やデザインを入れたくないというお客様には素朴な感じのものを提案しています。ただ、無地で平面的なものばかりだと変化がつけられないので、刺繍が施されていたり、凹凸感があったりして少し立体感のあるものがおすすめです」。
すべて真っ白な空間というのも、意外と落ち着かないもの。
「そのような場合には、レースやクッション、ラグなどで少し色を添えるとよいと思います。海外のカーテンブランドでは、基本のカラーをベースに合わせたい色、柄、素材などがセットで用意されていることが多いです」。
ナチュラルなテイストにも、さり気ない装飾性があるのが、欧米のカーテンの特徴。

ナチュラルなテイストにも、さり気ない装飾性があるのが、欧米のカーテンの特徴。

素朴な天然素材の無地の生地に、少し立体感をアレンジ。ちょっとのデザイン性が奥行きを生み出す。

素朴な天然素材の無地の生地に、少し立体感をアレンジ。ちょっとのデザイン性が奥行きを生み出す。

違った織りや色の生地に、部分的に同色が取り入れられ、コーディネートできるよう提案されている。

違った織りや色の生地に、部分的に同色が取り入れられ、コーディネートできるよう提案されている。

モダン系・クラシカル系には

カッシーナ、アルフレックスなどのイタリアンモダンやドイツなどのインテリアには、シャープで男性的なデザインのカーテンがおすすめ。
「モダンな家具には、幾何学模様などの大柄で大胆なデザインがよいと思います。直線的なマンションの空間には、全体をモダン系で揃えても似合うのではないでしょうか」。
シンプルモダンと対局にあるように思えるのがロココを思わせるクラシカル系。
「シルクなどの高級素材を使っていて、見事な装飾性があるタイプです。イギリス調のアンティーク家具に似合いますが、イタリアンモダンに合わせても意外とかっこいいです。大胆な色使いと素材感がマッチします」。
同じ系統、年代でまとめるのではなく、デザイン性で合わせてみる。そんなコーディネートも楽しんでみたい。

大胆な幾何学模様が印象的なモダン系カーテン。イタリアンモダンにマッチ。

大胆な幾何学模様が印象的なモダン系カーテン。イタリアンモダンにマッチ。

豪華な装飾が施された、高級感のあるクラシック系の生地。

豪華な装飾が施された、高級感のあるクラシック系の生地。

重厚感のあるカーテンは、モダン家具と合わせてもゴージャス。

重厚感のあるカーテンは、モダン家具と合わせてもゴージャス。

今、人気の3パターンには

部屋の中がぱっと明るく華やかになるのが、花柄、植物柄などのエレガンス系。
「ウイリアム・モリスなど女性に根強い人気です。カーテンをアクセントに、または部屋の主役として使いたい人におすすめです。イデーの家具など、モダン系も北欧系もクラシカル系にも何でも合いますね」。
ひとり暮らしに多いIKEAの家具などには、北欧系がおすすめ。
「シンプルなインテリアには、民芸調の生地を足すと空間に面白さが出ます。カーテンでなくとも、椅子の座面に取り入れるのでもおすすめです」。
また、最近ヨーロッパのメーカーでも注目されているのがトライバル系。アフリカなどの部族の民族文様を取り入れたデザインが人気だ。
「ナチュラルなインテリアのアクセントにもなりますし、ヴィンテージ家具と合わせてもかっこいいです」。

女性好みのエレガンス系。ウイリアム・モリスはややカジュアル寄り。

女性好みのエレガンス系。ウイリアム・モリスはややカジュアル寄り。

シンプルなインテリアに合わせやすい北欧系。可愛らしい色柄がたくさん。

シンプルなインテリアに合わせやすい北欧系。可愛らしい色柄がたくさん。

注目のエスニック柄、トライバル系。ヴィンテージ家具と合わせてオリジナルの空間を目指したい。

注目のエスニック柄、トライバル系。ヴィンテージ家具と合わせてオリジナルの空間を目指したい。

カーテンを後まわしにしない

「カーテンはドレスと同じです。インテリアを考える時、家具から入って最後になってしまうのがカーテンですが、セットで考えてほしいですね」。
家具とともにカーテン予算も最初から組み込んでおきたい。
「家によって窓の大きさも違うし、ひとつひとつ考えて、アレンジすることが醍醐味です。1枚すべてをひとつの生地で作らなくても、例えば裾の一部分に柄を取り入れてもいいし、色々と楽しめます。手芸の世界と同じですね」。

お気に入りの生地を見つけたら、カーテンだけではなく椅子やクッションに軽く取り入れるのも手。機能性ではなくインテリアの一部として、空間全体をトータルに考えることが、必要かもしれない。

タッセルなども活用すればよりゴージャスに。

タッセルなども活用すればよりゴージャスに。

座面の張り替えのワークショップも開催。

座面の張り替えのワークショップも開催。

「DECORADOR」では、カーテン、壁紙、椅子の座面をインテリアファブリックスとしてトータルで考えて提案している。

「DECORADOR」では、カーテン、壁紙、椅子の座面をインテリアファブリックスとしてトータルで考えて提案している。

インテリアデザイナー丸山千里さん。空間に合ったカーテンの選び方をアドバイスしてくれる。

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