壁の色を変えて気分一新ウォールペインターが
壁の塗り方をレクチャー
「白い壁のままではもったいない。自由に壁をペイントして遊んでもらいたいなと思っています」と、ウォールペインターとして活躍するすまあみさん。アメリカでキャリアを重ね、5年前に帰国。一般住宅、幼稚園、百貨店などでのペイントや、空間のアートディレクション、子どものためのアートワークショップなどを手がけている。
「DIYで壁を塗り、気分に合わせてインテリアを変えて楽しむ方が多いアメリカでは、使い勝手のいいペイントが揃っています。日本に帰国した時、ウォールペイントに適した塗料を探すのに苦労しましたが、ベンジャミンムーア が日本でも手に入ることがわかり、仕事がグンとしやすくなりました」
今回、新築のお宅の、2歳と0歳の兄弟の部屋のペイント作業を拝見しながら、基本的なウォールペイントの技術を教えていただいた。
「子ども部屋は世界観を作りやすいので、初めてチャレンジする方にもオススメです。成長に合わせてペイントし直す前提で、気軽にトライしてみてください」
[1]準備するもの
ペイントは水性塗料のベンジャミンムーア。色数は3600色を備える。
「ベンジャミンムーアは、色をデジタル管理しているので、一度使った色を何度でも作ってもらえます」
多少の塗りムラがあってもすーっと馴染んでくれるのもベンジャミンムーアの特徴。飛び散りや垂れも少なく、初心者に優しい塗料なのだ。
「乾きが早いので作業時間が短縮できます。嫌な匂いが少ないのもいいですね。塗装面を拭き掃除できるのもうれしいポイントです」
塗らない部分を保護するためのマスキングテープは必須アイテム。粘着力に差があるので、壁紙などの剥がれに弱い素材に貼る際は、粘着力の弱いものを選びたい。
細かい部分を塗るための刷毛と、広い面を均一に塗るためのローラーも準備。
「刷毛やローラーは日本のものが素晴らしいです。アメリカに輸出してあげたいくらい(笑)」
ヘラは、マスキングテープを手早くまっすぐに切れる便利なものなので、ぜひ用意しておきたい。
[2]ペイント前の準備
「“養生9割”と言われるように、マスキングをしっかりできれば、残るペイント作業はたったの1割(笑)。それくらい養生が出来栄えを左右します」
幅木の上や、壁と天井の境目、スイッチプレート、ドアなど、ペイントしない部分を丁寧にマスキングしていく。
テープに予めビニールがついた“マスカー”は、テープの粘着力が強いので、マスキングテープの上から貼っていく。
広い面をさらにビニールシートで養生する。
「思いがけない場所にペイントが飛んだり、塗料缶を蹴っ飛ばすという事故が無きにしもあらずです。広く広~く養生しましょう」
[3]いよいよペイント!
ベンジャミンムーアのペイントは、2度塗りで綺麗に仕上がるように作られている。
「その日の気温や湿度にもよりますが、30分ほどで乾くので、他の部分を塗っている間に、最初に塗った場所が乾いていることが多いです。乾き待ちの時間が必要ないので、とても作業がスムーズです」
ペイントはまず、ローラーの入らない細かい部分から刷毛を使って塗っていく。
次にローラーで広い面を塗る。縦方向だけにローラーを動かしながら塗っていくのが綺麗に仕上げるコツ。
最初に塗った部分が乾いてから2度塗りする。
ペイントが完全に乾ききる前にマスキングテープをそっと剥がして完成!
「今回筆で描いたのは汽車の曲線部分と煙のみです」
マスキングテープを駆使してウォールアート! どうですか? 挑戦してみたくなりませんか?
プラスαでもっと楽しく
筆で絵を描くだけでなく、ウォールペイントにカッティングシートを組み合わせることもあるそう。カッティングシートとは、シートの裏面に粘着剤がついた装飾用のシートのこと。展示会会場や百貨店など、作業時間が限られている現場では特に重宝するそうだ。
「けれど、カッティングシートは値段が張るので、予算が多い現場にしか使えないのが残念です」
リーズナブルに部屋の雰囲気を変えるなら、マスキングテープをオススメしたいのだとか。
「文房具の“マステ”がブームですが、幅広のマスキングテープを使えば、簡単に部屋や家具をイメージジェンジできます」