無印良品の団地リノベをDIY真っ白な空間を自由にアレンジ
多趣味人の暮らしを楽しむ部屋
白い箱がイメージを想起する
無印良品がリノベーションした築50年程の団地の1室。山谷さんは3年程前から、パートナーとともにここに暮らしている。
「以前住んでいたのも、無印がリノベした団地の物件でした。真っ白い空間と、棟と棟が離れていて圧迫感がない団地の住みやすさが魅力的で、2軒目もここに決めました」。
前の部屋も白いシンプルな箱だった。アウトドアが趣味の山谷さんにとっては収納が足りなかったことから、自ら棚など造ってみたところ、DIYに目覚めていったそう。
「自分でアレンジするのは楽しいですね。真っ白い空間ってイメージが沸きやすいんです。ここも入った瞬間にワクワクしました」。
賃貸のため退居時には現状復帰できることも条件のひとつ。ほぼワンルームとして使っている46㎡の空間を、現状復帰の条件下、最大限に活かせるように造りあげていった。
柱を立てることからスタート
「和室のあった2DKが1LDKにリノベーションされていました。LDKの中央には大きなキッチン台とカウンターがL字型に置かれていて、あとは壁沿いにオープンな吊り棚が設けられていました」。
白く塗装した剥き出しの躯体、昔の味わいを残したバスルーム、洗面なども気に入った。
「キッチンはL字型だと場所を取るので、カウンターをキッチン台の背面に持ってきて2列に並べました。このカウンターキッチンとベンチ以外は、すべてDIYです」。
最近造り変えたのは、キッチンの壁面収納。
「鉛筆で下描きを描いて、包丁やフライパンの位置など並びを考えました。壁面にはパンチングボードを使ってもいいけど、孔がたくさん開いているのが見た目にうるさいと思って。合板を使って自分でフックを取り付けました」。
合板は、どの箇所も少し赤味のある針葉樹合板で統一。温かみが添えられる。
「何よりもまず、ラブリコやディアウォールと2×4材で柱を立てることが先決です。柱さえ立ててしまえば、壁や天井を傷つけることなく自由にアレンジができて後はやりたい放題。賃貸の救世主だと思いますね」。
空間に広がりを生むアイデア
DIYに加え、登山やスキーが趣味だという山谷さん。たくさんのDIYグッズやアウトドアグッズを収めているのは、リビング側の壁面とキッチンカウンター下のボックスだ。
「DIYグッズを収める収納棚には、初めて扉を付けてみました」。
吊り棚の下に柱を4本立てて合板の扉を取り付け、蝶番を使って開き戸に。扉には大きな鏡も取り付けた。
「大きい鏡があると反射によって空間が広く見えるんです。あるのとないのではかなり違うので、どうしてもやりたかったですね」。
ベランダ側の開口には、カーテンレールに沿って杉材を横に渡した。
「カーテンのヒダが好きではなくて、隠したいなと思いました。レールの手前に材を渡したら、空間が横に広がる感じがして、視覚的にも良かったです」。
引き戸を開放してワンルームとしている寝室やPCスペースの上部にも、角材を横に渡した。開放的な間取りと、横に広がるデザインが実際の面積以上に広さを感じさせている。
余白を残しつつ生活感を
ワークスペースのデスクや、収納ケースがぴったり収まるよう設計したベッドも全部DIY。クローゼットはショールームっぽく見えるよう、服を前向きにかけられる工夫を施した。
「こんなにDIYしたけど家にはあまりいなくて(笑)」。
週末はほぼ山に出かけているのだそうだ。
「家にも山っぽいものを置いておきたくて、白樺の木を1本キッチンに飾りました。余白を残した空間にしたいけど、ミニマルに暮らしたいわけではないんです。ほどほどに生活感は感じさせつつ、雰囲気を楽しみたい。そして不便なところをDIYでちょいちょい手直ししていきたいですね」。
今後はインテリアで困っている人のお手伝いもしていきたい、というご意向。ぜひ相談窓口を広げて欲しい。