ネイティブフラワーを楽しむ 南半球の個性的な花材で 立体的なスワッグを作る

ネイティブフラワーを楽しむ南半球の個性的な花材で
立体的なスワッグを作る

脇役もキャラクターを重視


オーストラリア産のバンクシア、南アフリカの国花キングプロテアなど、南半球のインパクトのある花は“ネイティブフラワー”、またはその野性的な存在感から“ワイルドフラワー”と呼ばれている。

存在感のあるネイティブフラワーを使った立体的なスワッグの作り方を『輪(りん)』のフラワーアーティスト、荒木幸恵さんに教えていただいた。

「スワッグを作る際、主役のインパクトに負けない脇役の選択も大切です。
今回はメインの花材同様、脇役も南半球原産のものを選びました。黒やゴールドなど“色”の違う葉、尖った葉、丸い葉など“形”の違う葉をセレクトしました。そして綿毛や硬い実など“質感”にもバリエーションを加えます」

右が今回作っていただいたスワッグ。左は色目を抑え大人っぽい雰囲気に作った立体スワッグ。頭より高い位置に吊るしてネイティブフラワーの表情を楽しみたい。

右が今回作っていただいたスワッグ。左は色目を抑え大人っぽい雰囲気に作った立体スワッグ。頭より高い位置に吊るしてネイティブフラワーの表情を楽しみたい。

ドライにしながら保管している花材が、荒木さんのご自宅の素敵なインテリアの一部に。

ドライにしながら保管している花材が、荒木さんのご自宅の素敵なインテリアの一部に。

中央の黒い花材は、山火事が起きることの多いオーストラリアで、焼けることで種がはぜるしくみのバンクシアのコーンバーン。

中央の黒い花材は、山火事が起きることの多いオーストラリアで、焼けることで種がはぜるしくみのバンクシアのコーンバーン。

緑あふれる高台に建つ荒木幸恵さんのご自宅兼アトリエ。

緑あふれる高台に建つ荒木幸恵さんのご自宅兼アトリエ。

ご自宅の吹き抜けに飾られた存在感たっぷりのネイティブフラワー。

ご自宅の吹き抜けに飾られた存在感たっぷりのネイティブフラワー。

「バンクシアやキングプロテアは立てたままドライにすることができます。ユーカリも立てたままドライにできますが、新芽のある時期は吊るしたほうがいいです」

「バンクシアやキングプロテアは立てたままドライにすることができます。ユーカリも立てたままドライにできますが、新芽のある時期は吊るしたほうがいいです」

南半球の花材の独特なフォルム

今回はドライフラワーを使ってスワッグを作った。
ドライフラワーで作るメリットは、乾いて縮むことがないのでイメージ通りに作ることができること。

「生花でもスワッグを作ることができます。茎が乾燥すると縮んで細くなるのできっちりと縛り、風通しの良い場所に飾ってください」
花材によってはドライにできないものもあるので、購入の際に確認しておこう。

存在感抜群のキングプロテアは南アフリカ共和国の国花。この種類はキングプロテア・マディバ。

存在感抜群のキングプロテアは南アフリカ共和国の国花。この種類はキングプロテア・マディバ。

ギザギザの葉っぱの形もおもしろいドライ・アンドラ。

ギザギザの葉っぱの形もおもしろいドライ・アンドラ。

リューカデンドロン・サファリサンセット。黒い葉と、先端内側の紫色が大人っぽいイメージ。

リューカデンドロン・サファリサンセット。黒い葉と、先端内側の紫色が大人っぽいイメージ。

オーストラリアではよく庭木として利用されているバンクシア。バンクシア・プリオノーテスはボリューム感のある丸い形が特徴。

オーストラリアではよく庭木として利用されているバンクシア。バンクシア・プリオノーテスはボリューム感のある丸い形が特徴。

個性的な実をつけるシルバー系のユーカリ・テトラゴナ。

個性的な実をつけるシルバー系のユーカリ・テトラゴナ。

葉の裏側の色が特徴的な、グレビレア・ゴールド。

葉の裏側の色が特徴的な、グレビレア・ゴールド。

グレビリア・ロブスター。7mほどに育つ高木。赤い花が咲く。

グレビリア・ロブスター。7mほどに育つ高木。赤い花が咲く。

乾くと綿毛になる、リューカデンドロン・プルモーサル。

乾くと綿毛になる、リューカデンドロン・プルモーサル。

オーストラリアといえばユーカリ。葉っぱの形は様々。今回は丸い葉のものを使う。

オーストラリアといえばユーカリ。葉っぱの形は様々。今回は丸い葉のものを使う。

隙間を埋めるように花材を重ねる

花材の他に、ハサミ、輪ゴム、麻ひも、リボンを準備し、いよいよスワッグ作りのスタート。
 

まず中心になる花を利き手と反対側の手で持ち、そこに少しづつ花材を加えていく。

「隙間を埋めるようにしながら加えていくのがコツです。
スワッグは扇型より、長さを出したほうがスタイリッシュに仕上がるので、縦に長い植物を加えることを忘れないようにしましょう」

まず、大きくて重くメインになる花材を、利き手の反対の手で持つ。そして準主役の花も加えていく。

①まず、大きくて重くメインになる花材を、利き手の反対の手で持つ。そして準主役の花も加えていく。

葉ものをプラスする。


②葉ものをプラスする。


左手で持つ部分に葉や枝があったら取り除く。

③左手で持つ部分に葉や枝があったら取り除く。

隙間を埋めるようにさらに葉ものを加えていく。

④隙間を埋めるようにさらに葉ものを加えていく。

「黒い葉のもの (今回はリューカデンドロン・サファリサンセット) を加えると、甘さを抑え、カッコよく仕上がります」

⑤「黒い葉のもの(今回はリューカデンドロン・サファリサンセット)を加えると、甘さを抑え、カッコよく仕上がります」

スワッグの手前にスプレー咲きの花材を加え、隙間を埋める。

⑥スワッグの手前にスプレー咲きの花材を加え、隙間を埋める。

リネンを割いてリボンを作る

「麻紐のままでも良いのですが、ご家庭に余り布があれば、割いて自然な風合いにしたリボンを作って結んでもいいです。今回はリネンの布を使いました」
 

完成した立体スワッグは、壁と隙間がある大きなフックにかけたり、ハンガーや吹き抜けに飾ってインテリアのアクセントにしたい。
「直射日光に当たりすぎない場所に飾ると、スワッグが長持ちします。洗面所など湿気がこもる場所も避けたほうがいいです」

グレビレア・ゴールドを加え、縦の長さを出す。

⑦グレビレア・ゴールドを加え、縦の長さを出す。

硬い質感やシルバーの色味がユニークな、ユーカリ・テトラゴナを加える。

⑧硬い質感やシルバーの色味がユニークな、ユーカリ・テトラゴナを加える。

ユーカリを適宜加えてボリュームを出し、オシャレな雰囲気に。

⑨ユーカリを適宜加えてボリュームを出し、オシャレな雰囲気に。

全体をなじませるため、2で加えたグレビリア・ロブスターを後ろにも追加し、立体的なスワッグに仕立てていく。

⑩全体をなじませるため、②で加えたグレビリア・ロブスターを後ろにも追加し、立体的なスワッグに仕立てていく。

一旦完成。バランスを最後にチェック。

⑪一旦完成。バランスを最後にチェック。

裾の枝の長さを適宜整える。「揃えすぎないほうが自然な感じに仕上がります。今回は少し長めに残しました」

⑫裾の枝の長さを適宜整える。「揃えすぎないほうが自然な感じに仕上がります。今回は少し長めに残しました」

不要な葉を取り除いた後、一本の枝に輪ゴムをかけてから、グルリと回して枝を束ねる。

⑬不要な葉を取り除いた後、一本の枝に輪ゴムをかけてから、グルリと回して枝を束ねる。

輪ゴムの上から麻紐でしっかりと束ねる。

⑭輪ゴムの上から麻紐でしっかりと束ねる。

輪にした麻紐を用意し、吊るすための引掛け部分を作る。

⑮輪にした麻紐を用意し、吊るすための引掛け部分を作る。

麻紐の上からリボンを結ぶ。

⑯麻紐の上からリボンを結ぶ。

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