お正月の花のアイディア大人っぽい花合わせで
素敵な新年を迎えたい
大掃除を終えて気持ちよくすっきりと片付いた部屋に、新年を迎える花を飾る。
四季折々の花の楽しみの中でも、特にお正月の花は、新しい年を迎える気持ちを込めて準備ができるのが楽しい。
けれど、松や南天や水引きといった定番ではないものにもチャレンジしてみたい。……雑誌や広告のフラワースタイリングや講師などで大人気の岡本典子さんに、そんなご相談に乗っていただいた。
教えていただいたのは、朱のサンゴミズキと白のナンキンハゼ、稲穂をあしらったスワッグと、実りへの感謝を込めた野菜の生け花、しめ縄を使ったリース。
どれも岡本さんらしいドキドキする花合わせの妙と、アンティークの家具に似合う静かで落ち着いた色合いが、ハッとする驚きに溢れた新しい感覚。けれどどこか日本人の心の底にある“寂び”を美しく思う気持ちを呼び覚ましてくれるような、素敵なお正月の花だ。
【スワッグ】サンゴミズキや稲穂で新年を迎える
「お正月らしい、縁起のいい赤の色を使いたかったので、サンゴミズキの枝を選びました。縁起のいい数、3本のサンゴミズキを使っています」と岡本さん。
実りのよい年になりますようにという願いを込めた稲穂、豆、そしてサンゴミズキの赤と対になる白のナンキンハゼを重ねていく。
岡本さんらしいスワッグになるのは、赤や白といっても、赤すぎず白すぎず、自然な絶妙な色を使っているから。
「先端にいくほど細く長く、手前は重く」が、カッコよくスワッグを作る時の基本なのだそう。スッと伸びたサンゴミズキと、手前でかわいらしく動くナンキンハゼが、縁起物の赤色のサンゴミズキや、実りの多い年になりますようにと願いを込めた稲穂を使っている。
凛とした縦長のフォルムが気持ちを引き締めてくれる。玄関のドアなど、縦に長いスペースに映える。
2本の輪ゴムと麻ひもを準備する。「色付きの麻ひもは、ネットで検索すると素敵な色のものが見つかります」
[1]飾った時に下になる枝ものを左手に取り、順に花材を乗せていく。
[2]サンゴミズキの上にベルベットビーンを乗せ、さらに稲穂を乗せる。
[3]さらにその上にナンキンハゼを。「うちの子どもたちはポップコーンの木と言ってます。形がポップコーンのようで可愛いです」
[4]重ねた枝がバラバラにならないようにしっかりと握り、花ばさみで長さを切りそろえる。
様々な作り方があるスワッグの中でも、花材を手の中で順に重ねていくやり方は、初めてでもトライしやすい基本の作り方。下になるものから順に、バランスを見ながら重ねていく。
飾っているうちに花材が乾燥し、細くなっていくので、輪ゴムできつく縛り、抜け落ちないようにする。さらに輪ゴムを上から麻ひもでしっかりと結わく。
[5]輪ゴム2本をまとめ、一番太い枝に引っ掛け、グルグルと巻いていく。
[6]花材が乾燥すると茎が痩せてくるので、緩まないようにしっかりと巻き、最後を枝に引っ掛けて留める。
[7]麻ひもを2つに束ね、真ん中にスワッグを引っ掛けるための輪っかを作る。
[8]麻ひもの輪を、サンゴミズキの後ろに来るようにセットする。こうすれば、スワッグを飾った時に壁側に輪っかが来る。
[9]麻ひもできつく結ぶ。枝が抜け落ちないようにしっかりと。
[10]輪ゴムを隠すように、力をいれてしっかりと麻ひもを巻きつけていく。
[11]余分な麻ひもをカットして、完成!
【切り花】野菜と蘭を合わせる
鏡餅にみかんを乗せたり、稲穂を飾るように、お正月飾りに普段食べている野菜を生ける楽しいアイディア。
「同じ土から生える植物なので、野菜と花との相性は抜群です。生けた花は、高低差と奥行きのある立体的な場所に花を飾ると、さらに素敵に見えます」
粒々の形がインパクトのあるロマネスコは、カリフラワーの仲間の野菜。紫の花弁に斑が入った蘭と、チリチリの葉を持つケールの3種類を合わせる。
ボリュームのあるロマネスコとケールが、蘭を留める役割を果たす。「3」はバランスがとりやすい数字。3つの花材を使うとまとまりが出しやすい。
【リース】手のひらサイズで軽やかなお正月感
小さな手のひらサイズのしめ縄に、稲穂や実ものをあしらって、お正月らしいリースに。
とても軽いものなので、虫ピンを使って壁に飾ることができる。
しめ縄には、神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示す意味がある。新年の神様をしめ縄のリースでお迎えしたい。