多肉の中の注目株ユニークな表情に虜になる
塊根植物をインテリアに
コーデックスを愛でる楽しみ
多肉植物がブームとなる中で、最近注目を集めているのが塊根植物。ボテッとしたフォルム、ユニークな表情….。存在感を放つ不思議な植物、コーデックス(=塊根植物)って? ブームの先駆けと目される「anea design」の横町健さんにその魅力を聞いてみた。
「コーデックスはアフリカや中東、中南米などに生息する多肉の一種で、幹や茎、根が丸々と膨れたものを指します。成長には時間がかかって、数年かけて数ミリ伸びるものや、花が咲くまでに長い時間かかるものもあり、それも魅力のひとつです」。
乾燥地帯の厳しい環境に対応するため、体内に水分を溜め込むのが、丸っと膨張する理由だとか。日本の気候では、なかなか育てるのが難しそうだが、ポイントを抑えて手をかければ、元気に生育させることも可能。横町さんは自宅にも、新たにオープンした「Botanize」白金店の屋上にも温室を備えている。
「35℃で管理していますが、一般には人が生活するのに快適な15℃以上あれば大丈夫と考えます。あとは風と光。閉め切った場所に置いておくのは避けます。家でいちばん日当りのよい場所に置いて、出かけるときはサーキュレーターを回しておきましょう」。
マニアならずとも気になるコーデックス。まずは育てやすい種類から始めたい。
コーデックスを手に入れるなら
初めてコーデックスに挑戦するなら、どんな種類から始めたらいいのだろうか。横町さんのおすすめは、
「ボテッとしたフォルムで“THE 塊根”とも言うべき“パキポディウム・グラキリウス”がいいでしょう。年間を通して日当りのよい場所に置いておき、成長期の夏場には、土が乾いたらたっぷり水をやります」。
乾いたかどうかの判断は、竹串を刺してついてくる土の状態で確かめる方法も。品種によっても違うので、購入する際に確かめたい。あくまで乾ききってから水やり、がポイント。
「次はボールのような形状の“ユーフォルビア・オベサ”。保水力があって育てやすいのでおすすめです。冬場はほぼ断水状態で育て、水やりは月1度くらいでOKです」。
イギリス名は“バスケットボール・プランツ”とも。ユニークな形は眺めているだけで満足。
「そして育てやすさと見た目のかわいさ、価格で推しなのが亀の甲羅のようにひび割れた塊根部分が特徴の“亀甲竜”。ツルの伸びが早く、成長を眺める楽しさも味わえます」。
ゴツゴツとした塊根部分に対して、葉っぱがかわいいハート形をしているのも魅力。こうして、色んな個性を持つコーデックスの奥深い世界にはまっていくことになる。
鉢と合わせて空間に取り入れる
お気に入りのコーデックスを手に入れたら、次は鉢のセレクトも楽しみたいところ。「Botanize」では、コーデックスと調和する、日本や海外の作家ものの器も合わせて販売。
「長年空間プロデュースをやってきて培った経験で、全ての商品をアレンジしています。お客さんによっては、鉢を自分で選んだり、化粧砂との合わせを楽しんだりされていますよ」。
縦長のコーデックスには縦長の鉢、などバランスを考えて選び、水はけのよい荒い軽石を敷いた上に配合した土を。そして株を植え込んで化粧砂で仕上げ。空間とのバランスを考えてアレンジする楽しみも広がる。ナチュラルにもシンプルにも、武骨な空間にも、アンティークにも調和するコーデックス。インテリアに合わせて楽しみたい。