アレキサンダー・ジラードのモダンテキスタイル大胆な色使いと
幾何学模様、個性的なモチーフ
ミッドセンチュリーを代表するデザイナー、Alexander Girard(アレキサンダー・ジラード)が手がけた独創的なテキスタイルデザインを特集。ジラードのユニークな感性から生まれたファブリックは、色鮮やかで心弾むものばかり。いつくあっても楽しいクッションやブランケットは、色や柄をミックスして並べても品よくまとまり、ビビッドなペーパー ナプキンはテーブルのアクセントに。また、ジラードのテキスタイルデザインをアートとして楽しめる装飾パネルで大胆なインテリアに挑戦してみてはいかがでしょうか?
Alexander Girard
ニューヨークで生まれ、ロンドンとローマで建築を学び、建築やインテリアデザインの仕事を手がけたアレキサンダー・ジラードは、1952年、もともと親交のあったジョージ・ネルソンとチャールズ・イームズの誘いを受けて、ハーマンミラーのテキスタイル部門を立ち上げ、1973年までデザインディレクターとして活躍した。その間に、鮮やかな色使い、個性的なモチーフ、抽象的なパターンを駆使したジラードらしい独創的なテキスタイルデザインを300点以上生み出した。また、新婚旅行でメキシコを訪れた際にフォークアートに魅せられたことをきっかけに、世界中から10万点以上ものフォークアート収集。フォークアートからインスピレーションを受けた独特の色づかいやユニークなモチーフも必見。
色鮮やかな幾何学模様とユニークなモチーフ
ジラードは、「ファブリックデザインは絵画やイラストではなく、ファブリックデザインという独立した分野である」という理念に基づき、シンプルなパターンから無限のバリエーションを生み出した。
ツートンカラーでデザインされたブランケットやクッションは、グラフィカルなパターンが印象的。マルチストライプのクッションは、1959年にデザインした“Jacobs Coat(ジェイコブスコート)”がNYのテキスタイルメーカー、マハラム社の生地でクッションになって復刻。ユニークな太陽モチーフのペーパー ナプキンは、1960年にラテンアメリカをテーマにしたレストランLA FONDA DEL SOL(ラ・フォンダ・デル・ソル)のトータルデザインを手がけた際の代表的なモチーフ。
ブラニフ航空をトータルデザイン
1965年、ジラードはブラニフ航空のトータルデザインを手がけた。「退屈な飛行機よ、さようなら」というキャッチャーフレーズのもと、トランプや紙マッチケースから、空港ラウンジ、機内デザイン、ロゴマークに至るまで、1万7543点ものデザインを担当した。機内は56種類のテキスタイルで構成、それらの生地にはさまざまな幾何学模様が取り入れられ、互いの関連性を示すために三原色を取り混ぜた配色が一貫して用いられた。
空港ラウンジで使用されていたオットマンはノスタルジックなフォルムとジラードらしい鮮やかな配色が魅力。ジェイコブスコートは、ジラードが1959年にデザインしたブライトなマルチストライプで、絶妙な色使いが秀逸。ハリングダールは、テキスタイルメーカー、クヴァドラとマハラムのコラボレーションによるもの。ビビッドなチェック柄が目を引くスローは、ジラード自身も熱心にコレクションしていたというペンドルトン社の製作で復刻。
遊び心のあるカラフルなパネル
1972年、ハーマンミラーは、オフィスのための装飾パネルとして、ファブリックにグラフィックをスクリーン印刷した“エンリッチメントパネル”シリーズを開発。ジラードは40点ものテキスタイルデザインを手がけた。
ブラック&ホワイトは、フォークアートコレクターだったジラードらしいプリミティブで大胆なモチーフ。ダブルハートは、シンプルな市松模様から2つのハートが浮かび上がって見えるユニークな仕掛け、攻めた配色にも惹かれる。ノットは、互いに連結したラインを描く迷路のような抽象的なパターン、ジラードの卓越したセンスが伺える作品のひとつ。大小の星がぎっしり散りばめられたスターは、ノスタルジックなブルーに白く輝く星が際立つ。エンリッチメントパネルは、壁の装飾だけでなく、空間の仕切りや、天井やドアから吊るして大胆に楽しむことも。ジラードのテキスタイルデザインをアートとして飾ってみては!
information
Herman Miller Store(Herman Miller・ Maharam) 03-3201-1840
Vitra 03-5775-7710
商品価格は、消費税別の本体価格です。