
10年住んでからのリノベーション愛着ある住まいを
より暮らしやすく
子ども部屋をつくるために
埼玉県川口市に建つ築45年のマンションに暮らすDさん一家。Dさん夫妻が、最寄り駅から徒歩数分とアクセスが良く、ベランダから荒川が一望できるこのマンションを購入したのは、約10年前のこと。購入時には、以前の住人のリノベーションにより、70㎡・3LDKの間取りが2LDKになっていたという。奥さんは「入居する際にリノベーションを考えましたが、初めてのマンション購入ということもあって思い切れなくて。とりあえずトイレとお風呂を新しくして、全室の壁紙を張り替えるだけにとどめました」と振り返る。
その住まいのフルリノベーションを決意したのは、購入時には小学生だった二人の娘さんが成長し、子ども部屋が必要になったことだったという。「2LDKの1部屋を物置きにして、もう1つの部屋に家族4人で寝ていました。子どもたちが勉強するスペースはリビングの一画にデスクを置いていましたが、そろそろ限界になってきたんです」(ご主人)。別のマンションに住み替える選択肢はなかったかと聞くと「この景色を手離せなかったことに加えて、子どもの学校や習い事を考えると、引っ越しは考えられませんでした」と話す。
リノベーションを依頼したのは、埼玉県を中心にリノベーションを展開するツバメクリエイツ。「3社に相談した中で、いちばん話しやすかったんです」(ご主人)。「ホームページの施工事例もどれも素敵で、この中の事例ならどれになってもいいなって思いました」(奥さま。)

開放的なリビング・ダイニング。リノベーションにより、ダークブラウンを基調とした内装から、明るい空間へと変わった。テレビはリノベ時に壁付とした。

キッチンは壁付けから対面タイプに変更した。ダイニングテーブルとチェア、奥の収納棚は以前から使っていた無印良品のもの。

Dさん邸のリノベーションを担当したツバメクエイツの設計士は「Dさんのご希望は、長年暮らしていたからこそわかる日当たりや動線に基づくものでした」と話す。

通路幅を広くとった対面型のキッチンは、何人かで料理をすることもできる。左手上部の木製棚は、リノベ前にテレビボードとして使っていた無印良品の家具の一部を再利用したもの。

収納計画は奥さまの担当。どこに何があるか一目でわかるようにラベリングされている。

キッチンの奥にはパントリーを設けた。パントリーも整然と片付けられている。
多機能な畳コーナーが生み出すゆとり
スケルトン状態からのフルリノベーションにあたり、間取り面で夫妻が希望したのは、子ども部屋2室と夫妻の寝室を確保することだった。そこで、もともと物置と寝室として使っていた2室を子ども室2室とウォークイン・クロゼットに変更し、リビングに夫妻の就寝スペースを兼ねる畳コーナーを設けることとした。
畳コーナーのアイデアは、Dさん夫妻からのものだったという。Dさん邸のリノベーションを担当したツバメクエイツの設計士は「10年間暮らした経験に基づいた明確なご希望をお持ちでしたので、そのご希望をスムーズにかたちにするお手伝いをさせていただきました」と振り返る。Dさんは「畳コーナーについては、ツバメクリエイツさんから吊り押し入れの下のスペースのサイズをはじめ、底部に照明を設置するなど多くの提案をいただき、設置への背中を押してもらいました。おかげで、とても居心地のいいスペースになりました」と微笑む。
畳コーナーはベンチにもなり、さらに畳の下は収納スペースになっている。「仕事終わりにくつろぐのにぴったりなんです」とご主人。奥さまは「子どもの遊び場や、ストレッチやヨガのスペースなど、思っていた以上に活用できます」と話す。

畳コーナーは、布団を2組敷くのに十分な広さ。グレーの畳が白を基調とする室内にマッチする。

畳コーナーはユニットごとに移動することも可能。畳コーナーの下にもフローリングが張ってあり、将来的に撤去することもできる。

吊り押入れには、寝具を収納している。「使うもののサイズに合わせて棚の高さを決めてもらったので、布団の上げ下ろしもラクです」

畳コーナーの壁の上部には、隣の子ども室の梁を利用して収納を2カ所設けた。夫妻は「神棚」と呼んで、それぞれの推しグッズをしまっているそう。
リノベーションで長く暮らせる家に
インテリアの面では、ダークブラウンを基調とした重厚な雰囲気から、白を基調とした明るい空間を希望。「施工事例ではどの家も明るい雰囲気だったので、クロス選びなどはツバメクリエイツさんにおまかせしました。元々の重たい雰囲気が、リノベ後は一気に明るく開放的な空間になり、満足しています」(奥さま)。
今回のリノベーションでは、入居時に入れ替えたトイレやお風呂なども一新した。「当時はとりあえず一番安いものを選びましたが、今回は設備面でも今後この家に長く暮らすことを考えて選びました」。一方で、思い出のある家具類は活用するなど、Dさん夫妻の希望に沿ってメリハリをつけた。
リノベーションをして良かったことを聞くと「ゆったりできるスペースができて、住み心地が格段によくなったこと」と声を揃えた夫妻。「以前は一生懸命片付けても限界がありましたが、今は収納スペースを設けたおかげで余計な物が目に入らなくなりました。おかげでゆったりとくつろげます」と奥さん。ご主人も「外食するよりも、家でごはんを食べるほうが楽しいし、落ち着けます。同じ家でもこんなに変わるのかというくらい、気分よく過ごせるようになりました」と話す。
リノベーションによって開放感と暮らしやすさを実現した住まいで、これからもDさん一家の暮らしが紡がれていく。

玄関ホール。右手の靴箱を新たに設けた。

玄関ホールからLDKを見る。

玄関を入ってすぐの場所に洗面コーナーを新設した。右手の引戸の奥は脱衣所。

玄関を入って左側にある長女の部屋。

次女の部屋。部屋の左手奥がウォークインクロゼットとつながる。

長女と次女の部屋の間にあるウォークインクロゼット。次女の部屋と一部つなげることで、窓からの光と風が入るようになっている。
