プロに聞く空間演出Part1  広々としたLDKを バランスよく彩る方法

プロに聞く空間の使い方 Part1広々としたLDKを
バランスよく彩る方法

仕切らないLDKに、様々な居場所を

毎日暮らす空間をもっと心地よく。ホテルのように非日常的な気分を感じながら暮らしたい。そんな理想に1歩近づくために、プロが実践するアイデアを取り入れてみては。約100㎡ほどのコーポラティブハウスに家族3人で暮らす、ディスプレイデザイナー&インテリアスタイリストのみつまともこさんに、ご自宅のインテリアコーディネートのコツを伺った。
「間取りが自由に決められるコーポラだったので、まずLDKをできるだけ広く取りました。仕切りは設けず家具で緩やかに分けています」。
2方向に開口のある明るいLDKには、家族それぞれが思い思いの時間を過ごせる工夫が施されている。
「リビングの中央にはパーテーションの代わりに大きなソファーを置いています。圧迫感を感じさせず、空間をさり気なく分けられるし、かつ家族が一緒に過ごせる大事な場所になってくれます」。
一方でソファーの後ろには一人がけのクラブチェアが。
「ここでは本を読んだりスマホを見たり、仕事の資料をチェックしたり。一人でやりたいことができる場所にしています。人気のカフェなどにも色んなスペースが設けられ、お客さんがそれぞれの時間の使い方をしているように、家の中にも色んなスペースを用意して豊かに過ごしたいと思うんです」。
専有面積を自由に設計できるコーポラティブハウス。LDKにたっぷり広さを取り、パーテーションの代わりに家具やグリーンで変化をつけた。

専有面積を自由に設計できるコーポラティブハウス。LDKにたっぷり広さを取り、パーテーションの代わりに家具やグリーンで変化をつけた。

リビングの中央には家族3人でもたっぷり座れるソファーを置いた。「レイアウトは色々と変えていますが、この配置がいちばん暮らしやすいですね」。

リビングの中央には家族3人でもたっぷり座れるソファーを置いた。「レイアウトは色々と変えていますが、この配置がいちばん暮らしやすいですね」。

ソファーの後ろには、一人で読書や作業ができるコーナーを。敷物を敷いたり、観葉植物をあしらったりすることで、特別な場所という雰囲気を演出。ソファーの位置や向きを変えれば、部屋の雰囲気も変えられる。

ソファーの後ろには、一人で読書や作業ができるコーナーを。敷物を敷いたり、観葉植物をあしらったりすることで、特別な場所という雰囲気を演出。ソファーの位置や向きを変えれば、部屋の雰囲気も変えられる。

印象的な空間の使い方

「設計前に絶対に設けたいとリクエストしたものが、ディスプレイ棚です。部屋に入ってきていちばん目につく場所をきれいに飾ることで、そこに視線が行きます。すると多少部屋の中が片付いていなくてもごちゃついて見えないんです。これはディスプレイのセオリーのひとつですね」。
また、グリーンの取り入れ方も大事なポイント。
「部屋のシンボル的な大きな植物が1本あると、アクセントになります。日の当たり方によって陰影が楽しめて、雰囲気も演出できますよ」。
空間全体のバランスを取るためには、吊るすディスプレイもぜひ取り入れたい。
「お部屋はどうしても上の方の空間が空いてしまいますから、グリーンを吊るして飾るのは有効です。垂れ下がるグリーンもかわいいですし、上に向かうコウモリランなどもおすすめです」。
部屋に入ってきていちばん目につく場所を大切に。みつまさんはここをディスプレイコーナーと決め、旅行の思い出グッズやお子さんの作品などを飾っている。「同時に季節感も表現するようにしています。お客さんがいらしたときも、会話のきっかけにもなりますよ」。

部屋に入ってきていちばん目につく場所を大切に。みつまさんはここをディスプレイコーナーと決め、旅行の思い出グッズやお子さんの作品などを飾っている。「同時に季節感も表現するようにしています。お客さんがいらしたときも、会話のきっかけにもなりますよ」。

みつま邸のシンボルツリー、パキラ。「グリーンを楽しむこともできるし、パーテーションとしても役立ってくれます」。

みつま邸のシンボルツリー、パキラ。「グリーンを楽しむこともできるし、パーテーションとしても役立ってくれます」。

個性的なフォルムが魅力のコウモリラン。マクラメは手づくりしたもの。

個性的なフォルムが魅力のコウモリラン。マクラメは手づくりしたもの。

ふたつ吊るす場合には、左右の高さを揃えないのがポイント。

ふたつ吊るす場合には、左右の高さを揃えないのがポイント。

大ぶりな枝ものを欠かさない

グリーンをいつも欠かすことがないというみつまさん。特におすすめなのは大ぶりの枝ものなのだそう。
「ガラスの花瓶に水差しにしておくと、こなれた感が出ると思います。しかも枝ものは持ちがよく、長く楽しめるのでお得ですよ」。
床にそのまま置いても部屋のアクセントとなりゴージャス感が出るが、みつまさんがいつも置いているのはアイランドキッチンの上。
「アイランドは調理の作業が丸見えになるので、目隠しにもなるんです。特にお客さんを招いたときには重宝しますね」。
日常感の出そうな場所にあしらうことで、より空間が華やかに。夏らしい爽やかな花瓶とともに楽しんで。
リビングから丸見えになるアイランドキッチンには、大ぶりの枝ものが特におすすめ。

リビングから丸見えになるアイランドキッチンには、大ぶりの枝ものが特におすすめ。

ドウダン、ビバーナム、シャクヤク、カーネーションでアレンジ。枝に縦に切り込みを入れることで長持ちするそう。

ドウダン、ビバーナム、シャクヤク、カーネーションでアレンジ。枝に縦に切り込みを入れることで長持ちするそう。

バンクシアの水差しを床の上に。ヴィンテージ感のあるインテリアと合わせて。

バンクシアの水差しを床の上に。ヴィンテージ感のあるインテリアと合わせて。

ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリストのみつまともこさん。サザビーでウィンドーディスプレイ、ショップデコレーションなどを担当し、独立。

ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリストのみつまともこさん。サザビーでウィンドーディスプレイ、ショップデコレーションなどを担当し、独立。

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