昭和の襖をDIYでリメイク 空間に合わせて 世界にひとつのドアに

昭和の襖をDIYでリメイク 空間に合わせて
世界にひとつのドアをつくる

和から洋に1日でチェンジ

昔の職人さんの丁寧な手仕事が活かされた襖や障子。リノベーションの際、もともとあったそれらの建具を活かして、自分の手でリメイクしてみてはいかがだろう。
「ガラスを入れたり塗装をしたり。古い襖も1日で、オリジナルのドアに変えられます」。
とは、DIYライフをサポートする「クラディ」の石井麻紀子さん。練馬区にある築47年の本多マンションでは、新規入居者がそれぞれ理想とする空間を、一緒にDIYでつくりあげるサービスも行っている。
「賃貸なのですが、自分の好きな空間にできることで人気を集めています。手をかけて造りあげた空間に暮らすことで、家に愛着を持ってもらいたいですね」。
今回は手始めに襖に着手。本多マンションの1室にある石井さんのスタジオで、その工程を教えていただいた。

和室で使われていた襖。今回、この襖を洋室に似合うドアにリメイクしていく。
和室で使われていた襖。今回、この襖を洋室に似合うドアにリメイクしていく。
ドアにあしらう木を仮置きしてあたりをつける。取っ手の下部は板が縦に並ぶようデザイン。
ドアにあしらう木を仮置きしてあたりをつける。取っ手の下部は板が縦に並ぶようデザイン。

襖の一部を解体して基礎をつくる

まず、古い襖をどのようにリメイクするかを決める。今回は、窓のあるアンティーク調のドアにすることに。
「くり抜きは、あたりをつけるところから始めます。まわりと窓の下にあしらう板を仮置きし、カットするラインを鉛筆で引きます」。
ノコギリでカットする際には、ラインがぎりぎり残るように少し外側を切ることを意識する。
「ラインの真上でカットすると、刃の厚みで板が短くなってしまうんです。やや外側にノコギリの刃を当てるようにしてください」。
板が準備できたら、窓にする部分の襖紙をやぶいて剥がし、処理。そして中の格子をノコギリやカッターで切り落とす。
長さを合わせて後ろから鉛筆で印をつける。いちばん高さのある部分に合わせてマーク。
長さを合わせて後ろから鉛筆で印をつける。いちばん高さのある部分に合わせてマーク。
印をつけたところに曲尺(かねじゃく)あててカットするラインを引く。すべての板に行う。
印をつけたところに曲尺(かねじゃく)あててカットするラインを引く。すべての板に行う。
ラインの真上ではなく少し外側に刃を当てて、卓上丸ノコで板をカットする。
ラインの真上ではなく少し外側に刃を当てて、卓上丸ノコで板をカットする。
まわりの縦横の板をそれぞれカットしたら、取っ手の下に横向きにあしらう板を。その下は縦に7列並べる。
まわりの縦横の板をそれぞれカットしたら、取っ手の下に横向きにあしらう板を。その下は縦に7列並べる。
板を当てて印をつけたラインにカッターを入れ、窓にする部分をくり抜く。下にもう1枚現れた紙もはがす。
板を当てて印をつけたラインにカッターを入れ、窓にする部分をくり抜く。下にもう1枚現れた紙もはがす。
格子についたままの紙は、はがし液を塗って浸透させ、やわらかくなったら硬いヘラなどを使ってはがす。
格子についたままの紙は、はがし液を塗って浸透させ、やわらかくなったら硬いヘラなどを使ってはがす。
裏側も同じようにはがしていく。
裏側も同じようにはがしていく。
引手を処理。バールで起こして、やっとこで釘を抜き外す。
引手を処理。バールで起こして、やっとこで釘を抜き外す。
格子の端をノコギリでカットし、窓をあける。
格子の端をノコギリでカットし、窓をあける。
基礎が完成した。引手のところの紙も処理する。
基礎が完成した。引手のところの紙も処理する。

細部に注意しつつアレンジしていく

張り付ける板をすべてカットし、襖の中の格子を取り除いて窓を作ったら、新たなドアに仕上げる作業へ。引手を処理し、両面テープとボンドで板を張り合わせていく。
「張るときは、面をベタッと張り付けるのではなく、まず外側で位置を合わせ、内側にゆっくり倒すようにします。しっかり揃えて張るのがポイントです」。
窓まわりには、窓を受け止めつつ、額縁のようにデコレーションする枠をつける。
「立体感を出したいので、少し高さを出すために板を1枚当てて、その高さに設定します」。
決めた高さからずれないように注意しつつ、ドライバーでビスを打って固定。
「窓には今回、ポリカーボネイトを使います。クリアなものとすりガラス状で透けないものがあるので、お好みで選ぶといいですね」。
引手の穴に合わせて印をつけた木を、クランプで固定しジグソーでカットする。
引手の穴に合わせて印をつけた木を、クランプで固定しジグソーでカットする。
丸くカットした木は、角にやすりをかけて丸めてから穴にはめ、木工用パテを塗って段差を埋める。
丸くカットした木は、角にやすりをかけて丸めてから穴にはめ、木工用パテを塗って段差を埋める。
まわりの枠を貼る。両面テープを端に貼り、中央には接着剤を塗る。
まわりの枠を貼る。両面テープを端に貼り、中央には接着剤を塗る。
両面テープを剝がし、外側をしっかり合わせて内側に倒して張り合わせる。
両面テープを剝がし、外側をしっかり合わせて内側に倒して張り合わせる。
ドアの下のところの縦に並べる板を張る。少し隙間が空くよう、名刺などを1枚かませて張っていくのがポイント。
ドアの下のところの縦に並べる板を張る。少し隙間が空くよう、名刺などを1枚かませて張っていくのがポイント。
窓を受け止めるための枠を用意。長さを合わせてカットし、 端のところを斜め45度に合わせてカットする。
窓を受け止めるための枠を用意。長さを合わせてカットし、
端のところを斜め45度に合わせてカットする。
板を1枚置いて高さを出し、その高さに枠にする木を合わせて、 取り付ける位置を確認する。
板を1枚置いて高さを出し、その高さに枠にする木を合わせて、
取り付ける位置を確認する。
格子のある位置を確認して、電動ドリルドライバーで下穴を開ける。
格子のある位置を確認して、電動ドリルドライバーで下穴を開ける。
下穴を開けたところにミニビスを打つ。数カ所行い4隅に枠を取付ける。
下穴を開けたところにミニビスを打つ。数カ所行い4隅に枠を取付ける。
ポリカーボネイトを置いて4隅のサイズを計り、カットするラインをマーク。
ポリカーボネイトを置いて4隅のサイズを計り、カットするラインをマーク。
定規を当ててカッターでカット。一回で切ろうと思わず、何度かなぞって切るようにするとキレイに切れる。
定規を当ててカッターでカット。一回で切ろうと思わず、何度かなぞって切るようにするとキレイに切れる。
サイズを合わせてカットしたポリカーボネイトをはめ込む。
サイズを合わせてカットしたポリカーボネイトをはめ込む。
静電気で汚れがつくので、保護フィルムは全部は剝がさず、まわりだけを剥がしテープで止めておく。反対側も同じように枠をはめるところから繰り返す。
静電気で汚れがつくので、保護フィルムは全部は剝がさず、まわりだけを剥がしテープで止めておく。反対側も同じように枠をはめるところから繰り返す。
襖が引き戸にチェンジ。
襖が引き戸にチェンジ。

好みのカラー塗装と取っ手をつけて完成

新しいドアが完成したら塗装へ。
「塗装は養生が一番大切です。マスキングテープを使ってしっかりと養生します。苦手な人は、ポリカーボネイトを入れる前に塗ってしまってもいいでしょう」。
塗料を塗る前に、ローラーを毛羽いて毛をとっておくことも忘れずに。細い窓枠は刷毛をつかって丁寧にペイントする。
「張り合わせる板を2枚にして高さを出してもいいのですが、そうでない場合は立体感が欲しいです。張り合わせた板の溝のところに色をのせて、のっぺり感を消すのがおすすめです」。
アンティーク調の取っ手をつけたら、最後は窓にガラスデコレーションシートをあしらって。シートはカットして使う必要があるので、正確にサイズを図り、柄を合わせて丁寧に張り合わせたい。
「長時間の作業ですが、できあがればお部屋の雰囲気ががらりと変わります。自分の暮らす空間に合わせて、チャレンジしてみてください」。
養生をする。マスキングテープを枠の際のところにしっかり合わせて貼る。
養生をする。マスキングテープを枠の際のところにしっかり合わせて貼る。
ローラーに塗料を浸み込ませ、容器の斜めのところでコロコロ、を7回ほど行う。そうすることで、何度もこまめに浸け直しせず長いストロークが塗れる。
ローラーに塗料を浸み込ませ、容器の斜めのところでコロコロ、を7回ほど行う。そうすることで、何度もこまめに浸け直しせず長いストロークが塗れる。
ローラーを転がして塗装する。
ローラーを転がして塗装する。
縦に並べた板の際に細い筆で濃い色を入れ、奥行き感を出す。
縦に並べた板の際に細い筆で濃い色を入れ、奥行き感を出す。
取っ手を取り付ける位置に印をつけ、ドリルで穴をあける。
取っ手を取り付ける位置に印をつけ、ドリルで穴をあける。
取っ手を取付ける。ベンチでカットして厚み調整できるネジを使用。
取っ手を取付ける。ベンチでカットして厚み調整できるネジを使用。
サイズに合わせて予めカットしたデコレーションフィルムを貼る。端から慎重に合わせていく。
サイズに合わせて予めカットしたデコレーションフィルムを貼る。端から慎重に合わせていく。
北欧風にもインダストリアルにもマッチするドアが完成。
北欧風にもインダストリアルにもマッチするドアが完成。
「クラディ」代表の石井麻紀子さん。DIYサービスやDIY学校で、DIYの楽しみを伝える。
「クラディ」代表の石井麻紀子さん。DIYサービスやDIY学校で、DIYの楽しみを伝える。