家具のアップサイクル -1インダストリアルな家具を
廃棄物で作るアイディア
産業廃棄物は、解体して素材に分けてリサイクル(再資源化)するよりも、そのままの形をなるべく生かして再利用したほうが地球環境へのインパクトを少なく抑えることができる。特に定期的にまとまった数が出るものは、再利用への道筋を立てることで多くの廃棄物を再び生かすことができる。
そうした産業廃棄物をデザインの力で家具として利用しようというプロジェクトが『THROWBACK』だ。東京イーストサイドの空きビルの活性化や「東京R不動産」を運営する「オープン・エー」と、“捨て方”のコンサルティングなども手がける産業廃棄物処理会社「ナカダイ」がタッグを組んだ。
産業廃棄物から家具を作るアイディアを、『THROWBACK』のディレクター大橋一隆さんにご案内いただいた。第一回目は、メーカーの工場や、輸送に使われて定期的に廃棄されているものなど、インダストリアルなインテリアに似合う家具を作るアイディアを紹介したい。
自分でも家具を作ってみたいと思った方は、「ナカダイ」の「モノ:ファクトリー」(群馬県前橋市)を覗いてみてほしい。廃棄物を実際に手にとって、購入することができる。不定期で中古品オークションも開催されている。
輸送用パレットを家具にリメイク
海外から荷物を輸入する際に使うパレットは、使い終わった後で送り返すより、現地で処分したほうがコストが安くなる。そのため、ワンウェイで廃棄されている。
運ぶものによってパレットの素材は、メタル、パレット、木製と違ってくる。
荷崩れを防ぐためのラッシングベルトも1度使って廃棄になる。
定期的に大量に廃棄されている輸送用パレットを、家具として使うアップサイクルを作る『THROWBACK』のチャレンジだ。
テーブルを産業廃棄物で作る
型抜きして残ったアルミ板は、テーブルに加工する際に左官材で埋めている。完成度の高いプロダクツにするためには、こうした職人技が欠かせない。さらには、流通経路を整える必要もある。
とはいえ、天板になるものを産業廃棄物の中から探してテーブルにリメイクするのは、最もとり入れやすいアップサイクルかもしれない。部屋の中にインダストリアルな家具を置きたいなら、ぜひトライして欲しい。
安全基準のために廃棄になるもの
人の命を守るものには、厳しい安全基準が設けられている。そのためのテストに使われ、傷がついたものは、その役目を終えなければならない。
クルマのパーツにはそういったテストのために廃棄となるものの数が多い。また、モデルチェンジによって、同じパーツが使えなくなり、廃棄になるものもある。
他には、消防ホースや消火器なども、安全性の確保のために使用期限が決められていて、未使用のものが毎年一定量廃棄されている。