家具のアップサイクル -3学校やオフィスの廃棄物から
家具を作るアイディア
産業廃棄物を家具に変えるアイディアを教えていただく3回目。今回は、少子化による学校の統廃合により不要となった学校の備品や、事務所の移転などで出される大量のオフィス家具の廃棄物を使ったリメイク方法だ。
教えていただいたのは、モノの“捨て方”のコンサルティングも手がける産業廃棄物処理会社『ナカダイ』と、『オープン・エー』が、ともに立ち上げた産業廃棄物をデザインの力で蘇えらせるプロジェクト、『THROWBACK』のディレクター、大橋一隆さん。
「『ナカダイ』は毎日60tの産業廃棄物を処理しています。99%のリサイクル率を達成していますが、産業廃棄物をプラスティックや木くずなどの原料にリサイクルする前……モノの形を残した状態でリユースができれば、環境に対する負荷も少なくなすることができます。」
『THROWBACK』は、廃棄物を原料にする前にアップサイクルするしくみを考えている。
家具から家具へアップサイクル
オフィスで使われていたデスクキャビネットをいくつか集めて木枠で囲ったり、病院で使われていたワゴンの色を塗り替えるなどの、モノの用途を変えないアップサイクルは、環境への負荷も少ないので進んで真似したい。
自分も家具を作ってみたいと思った方は、「ナカダイ」の「モノ:ファクトリー」(群馬県前橋市)を覗いてみてほしい。廃棄物を実際に手にとって、購入することができる。
廃棄物を楽しく生かす
学校やオフィスの他に、公共の施設で廃棄になるものも数多くある。駅や公園、道路で使われているものも、まだ充分に使えそうなものでも廃棄になるものが多い。
『THROWBACK』では、駅のベンチを本棚に、道路標識をオフィスの中のサインボードとして使った。
「今回ご紹介したアイテムの中には、同じ種類のものが継続的に廃棄されるものもあります。その中から、ひとつでも多くのアップサイクルの道筋を作ることができればと考えています」