海水魚を活かすインテリア「海」の風景を
パーティションにする
空間をゆるやかにわけるパーティションに、両サイドから海の風景を楽しめる海水魚の水槽を使ってみたい。
ダイバーの憧れ、紅海の名前を冠した海水魚飼育用品のブランド「Red Sea」から、パーティションとして使うことができる最新のシステム『RED SEA REEFER™ ペニンシュラ』がリリースされている。
ペニンシュラとは半島という意味。三方向から海水魚を楽しめるように作られているので、海の風景を楽しみながら部屋に仕切りを作ることができる。
実は筆者も海の魚を20年以上飼育している。その話をすると決まって聞かれるのは「淡水に比べて、海水魚は難しくないですか?」という質問。
メダカや金魚やグッピーなどの魚の飼育の基本があれば、まったく難しいことはない。淡水で飼うか、海水を作るだけの違いだ。個人的な経験に照らしても、定期的なトリミングが必要な水草水槽のほうが格段に手間が掛かるし難しく感じる。
ちなみに、水槽は大きければ大きいほど管理がラクだ。水量が多いほど魚にとってダメージとなる水温や水質の変化がゆるやかなので、ズボラな管理でも手当をすれば持ち直ししやすい。魚もたくさん飼うことができる。デメリットもある。人工海水、ポンプ、ヒーター、添加剤…。必要なものがすべて大型&大量になるので、維持管理のコストが嵩む。
海水魚の飼育の基本
海水魚飼育のために抑えるべきポイントは「光」、「水温」、「水流」、「水の綺麗さ」の4つ。
暖かな浅い海で育つサンゴには、太陽の「光」が必要不可欠だ。サンゴはカラダの中に光合成で栄養を作る褐虫藻を共生させている種類も多い。
「水温」は22度〜26度の範囲に収めたい。冬はヒーター、そして夏は水槽用のクーラーが必要だ。30度以上は生物にとって危険な水温となる。
「水流」は海水魚飼育、特にサンゴやイソギンチャクの飼育には不可欠なもの。水の流れのない水槽では生きていけない。イソギンチャクは餌が流れ着きそうな場所に自ら動いて定着する。
飼育するものによって
水に求められるレベルが変わる
そして「水の綺麗さ」。
海水魚飼育の大前提として、“魚を飼う”のではなく、“水を飼う”と心得ておきたい。
ビギナーでよくある失敗例のひとつに、水槽をセットしてすぐに魚を入れて死なせてしまうことがある。魚にとって悪い影響を及ぼす糞などのアンモニアは、濾過バクテリアの力で硝酸塩などの安全なものに変わるのだが、セットしたての水槽は、バクテリアが育っておらず濾過が充分に機能しないのだ。これは海水魚だけでなく、メダカ、金魚、グッピー……どんな種類のアクアリウムにでも言える基本のキ。数週間はバクテリアが機能するのを待つ。
濾過が機能した水槽は、アンモニアが害の少ない硝酸塩に変化する。とはいえ、徐々に硝酸塩がたまっていけば汚れた水となる。
その飼育水の汚れは「硝酸塩濃度」を指標にする。硝酸塩濃度は測定キットで計ることができる。
海水魚の飼育ではおよそ「50ppm未満」、育成の簡単なソフトコーラルで「20ppm未満」、一般的なサンゴは「10ppm未満」、難しいハードコーラルでは「2ppm未満」をクリアする必要がある。
魚だけを飼うのか、ソフトコーラルを楽しむのか、要求がシビアなハードコーラルに挑戦するのかで、飼育水をどの程度のレベルまで綺麗にするのかが決まるのだ。
進化を遂げた水槽システム
海水魚の飼育技術の進歩は日進月歩。水槽システムも日々進化している。
『RED SEA REEFER™』シリーズには、新しい技術が数多く搭載されている。
まず、上の水槽から下の水槽への水の流量を調節することで、落下音を小さくするシステム。
物理的な濾過は、細かさ225ミクロンの濾過バッグが有機物をキャッチする。濾過マットはもう古い!?
サンプの中に水の汚れを取り除くプロテインスキマーを入れるのだが、スキマーがうまく作動し続けるためには、水位が一定でなければならない。この水槽システムには自動給水装置がついているので、水位を一定に保つことができる。
『RED SEA REEFER™』の中で、3方向から海水魚を見ることができ、部屋のパーティションとして使うことができるのが『RED SEA REEFER™ ペニンシュラ』だ。サイズは幅が125cmのものと160cmのものの2サイズある。
海水魚飼育システムのトップブランド「Red Sea」をはじめ、プロティンスキマーの「H&S」、水流ポンプ、照明器具、マリンフードなど、アクアリウム製品を数多く扱う。