気になる場所をDIY 目地材が味わいをだす モザイクタイルを本格施工

気になる場所をDIY 目地材が味わいを出す
モザイクタイルを本格施工

玄関脇の空白を埋める

リノベーションを考える住まい手に、DIYをサポートする「クラディ」。Part1では昭和の襖を現代風にリメイクする工程を、代表の石井麻紀子さんに教えていただいた。今回は、古い物件に入居する際、ちょっと気になってしまうスペースのリメイク方法をレクチャー。
「“リノベーションあるある”なのですが、玄関の靴箱の横に配管を隠す場所があり、ここが気になっている方が多いんです。今回は、タイルを使ってこの箇所をアレンジしてみたいと思います」(石井さん)。
玄関を入ってすぐに目につく場所だけに、好みの雰囲気に仕上げておきたい。まわりのインテリアに合わせたタイルを選んでスタート。
入居前に「クラディ」にサポートを受けながら、部屋のリノベーションができる賃貸マンション「本多マンション」。その一室にある「クラディ」のスタジオには、様々なDIY機器やグッズが並ぶ。棚の下段の「OLD WOOD WAX」は今回、使用しているもの。

入居前に「クラディ」にサポートを受けながら、部屋のリノベーションができる賃貸マンション「本多マンション」。その一室にある「クラディ」のスタジオには、様々なDIY機器やグッズが並ぶ。棚の下段の「OLD WOOD WAX」は今回、使用しているもの。

ポイントをおさえて施工

手軽にできるタイルシールも豊富にあるが、今回は本格的に目地を入れるタイル施工を実践。
「目地はできるだけ目立たせた方が、見た目に美しくなります。接着剤で貼り付け目地を入れる施工は水や熱に強いので、特に熱いものを置く場所などにはおすすめします」。
まずは接着面のサイズを測るところから。長方形のスペースも、実は縦横ぴったり同じサイズではない。
「壁の膨らみなどで誤差が生じるんです。4辺を測り、タイルの収まりを考えて今回のスペースの場合、縦は長い方、横は短い方のサイズを採用します」。
誤差はタイルをつなぐ裏側のネットのところで調整するのでOK。タイルが縦横それぞれ何列入るか、まずコーナーの直角に曲がるところを基準に、シート状になったタイルを当ててみて、はめ込む部分をカットする。
「クシ目のヘラで接着剤を塗っていきますが、タイルの厚みより、クシ目の高さが低いものを選ぶのがポイントです。高いと接着剤がはみ出てきてしまうので」。
床に対して垂直な側面は、クシ目を横につける。そうすることで引っかかりがよくなりタイルが下にずり落ちるのを防いでくれる。
今回使う材料。裏側がネットでつながれたシート状のタイルに目地材、タイル用接着剤、1辺に流れ止めとしてはめ込む工作材を用意。 

今回使う材料。裏側がネットでつながれたシート状のタイルに目地材、タイル用接着剤、1辺に流れ止めとしてはめ込む工作材を用意。 

靴箱の脇にある配管を隠す部分が、今回の気になる箇所。ここの天板と側面にタイルを貼っていく。

靴箱の脇にある配管を隠す部分が、今回の気になる箇所。ここの天板と側面にタイルを貼っていく。

4辺のサイズを測りメモを取る。靴箱との段差があるため、横はタイルがちゃんと収まるように、短い方の寸法に合わせる。

4辺のサイズを測りメモを取る。靴箱との段差があるため、横はタイルがちゃんと収まるように、短い方の寸法に合わせる。

端にあしらう工作材を合わせて、使用する部分のあたりをつけたら、カットする位置に印をつける。

端にあしらう工作材を合わせて、使用する部分のあたりをつけたら、カットする位置に印をつける。

貼り付けるタイルを確認したらカットする。

貼り付けるタイルを確認したらカットする。

ネット部分もキレイに取り除く。

ネット部分もキレイに取り除く。

工作材をカット。コーナーのところで、天板に貼る材が側面に貼る材の上にかぶさるよう、小口分長くカットするのがポイント。 

工作材をカット。コーナーのところで、天板に貼る材が側面に貼る材の上にかぶさるよう、小口分長くカットするのがポイント。 

ヴィンテージ感を出すために、OLD WOOD WAXをウエスにつけて塗っていく。小口のところも忘れずに。

ヴィンテージ感を出すために、OLD WOOD WAXをウエスにつけて塗っていく。小口のところも忘れずに。

ワックスを塗った工作材の裏側に両面テープを貼り、靴箱との際に天板から側面まで貼り付ける。貼ったら上から圧着し、ミニビスや隠し釘などでしっかり固定する。 

ワックスを塗った工作材の裏側に両面テープを貼り、靴箱との際に天板から側面まで貼り付ける。貼ったら上から圧着し、ミニビスや隠し釘などでしっかり固定する。 

接着剤を用意する。山と谷ができるクシ目のヘラでのばしていく。

接着剤を用意する。山と谷ができるクシ目のヘラでのばしていく。

完成後の満足感が醍醐味

「目地材は様々なカラーを混ぜて、オリジナルの色をつくることもできます。よくある白いタイルも目地にカラーを取り入れるだけで、とてもおしゃれなタイルに変身させることができます」。
今回はタイルに色や柄が様々入っているため、カラー目地を使うとごちゃついてしまうので白をセレクト。粉を水で溶いて目地を入れる前に、マスキングテープで養生を。
「まわりにつくことがあるので、テープは太めのものを選ぶのがおすすめです。後ではがすときに、目地材を一緒に掘り起こさないよう、仕上がりの位置よりも1mmくらい余分に取って貼ってください」。
目地材を塗るときは、押し込みながらヘラやゴムゴテで表面をこそぎ落とすように。ボコボコしてきたときは、ヘラは使わず濡らした指で上からならすようにする。
「半乾きになるまで1時間程おいてから、ウエスで全体を磨きます。さらにもう1時間程おき、磨くところから同工程を行います」。
タイルに凹凸があって表面に付いた目地が取れない場合は、最後にスポンジ研磨剤で磨きあげて完成。
「家の中の気になる場所をどうしたらいいか、よく相談を受けています。塗ったり貼ったり、何ができるかを考えて自分の好きな空間をつくることで、さらに自分もあがっていく気持ちになれます。空間づくりを楽しんでほしいと思いますね」。
接着剤を塗ったらタイルを貼付。最初はコーナーにネットを合わせ、コーナーまわりを貼ってから上下に取りかかる。

接着剤を塗ったらタイルを貼付。最初はコーナーにネットを合わせ、コーナーまわりを貼ってから上下に取りかかる。

マスキングテープは、タイルから1mmくらい高さを出して貼る。 

マスキングテープは、タイルから1mmくらい高さを出して貼る。 

コーナーのところと、流れ止めの工作材もカバーして汚れを防御。

コーナーのところと、流れ止めの工作材もカバーして汚れを防御。

粉に水を混ぜて目地材を練る。一気に混ぜると急に緩くなるので少しずつ。耳たぶくらいの固さに。

粉に水を混ぜて目地材を練る。一気に混ぜると急に緩くなるので少しずつ。耳たぶくらいの固さに。

練った目地材を上から塗っていく。狭いところは小さいヘラを使うとよい。

練った目地材を上から塗って行く。狭いところは小さいヘラを使うとよい。

側面のタイルにも。目地材は押し込みながら表面をこそぎ落とすように塗るのがコツ。

側面のタイルにも。目地材は押し込みながら表面をこそぎ落とすように塗るのがコツ。

コーナーのところにも目地材を埋め込むように。

コーナーのところにも目地材を埋め込むように。

1時間程置いて乾いてきたら、ウエスで乾拭きする。ウエスを厚めにして力を加えすぎないように磨く。 

1時間程置いて乾いてきたら、ウエスで乾拭きする。ウエスを厚めにして力を加えすぎないように磨く。 

タイルに凹凸がある場合は、研磨シートで磨いてキレイにする。

タイルに凹凸がある場合は、研磨シートで磨いてキレイにする。

これで完成。色々な場所に挑戦してみたい。

これで完成。色々な場所に挑戦してみたい。

「クラディ」代表の石井麻紀子さん。DIYサービスやDIY学校で、DIYの楽しみを伝える。

「クラディ」代表の石井麻紀子さん。DIYサービスやDIY学校で、DIYの楽しみを伝える。

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