ジオラマでメリークリスマス 木の実のカタチを楽しむ
ホリデーアレンジメント
自然の植物でつくる季節のジオラマ
「いけばなに興味を持った時に出合ったのが小原流でした。お稽古に通ううちに”写景盛花”という、自然の景色を再現するようにいける花型を学んだのです。その時は“これってジオラマ制作に似てますね?”とテンション高めに先生に尋ねてみたものの、どうもピンときてないようでした(笑)。
今回ご紹介するのは、僕が子どものころから作っていたプラモデルやジオラマと、いけばなの“写景”の両方のおもしろさを生かしたアレンジです。情景の中に具体的なキャラクターを登場させ、物語の世界を作りました」
クマを2021年の干支、ウシに変えたらお正月も楽しめそうだ。
「フラワーアレンジメントやブーケ、そして今回のような作品を作ると、“渡来さんってこういうものも作るんですね”と驚かれることが増えました。花道家としてSNSなどでミニマルなスタイルのいけばなを主体に発信しているので、特にそう感じられるのかもしれません。でも特定の枠に捉われすぎず、植物が発する自然のエネルギーを気ままに楽しみたいですし、楽しんでもらいたいと思っています」
まずはオアシスを使ってベースを作る
「ジオラマはスチレンボードなどで土台を作りますが、今回は花を挿すベースとして重宝されるオアシスを使いました」
まず穴の開いた朽木にオアシスを隙間なく詰める。そして余分なオアシスをカットし、表面を指でなぞって地面をなだらかにする。
次いで地面に表情をつけるために、オアシスに糊を塗ってカラーパウダーを蒔く。土に当たる茶系を蒔いてから濃い緑→薄い緑と重ねることで、自然な奥行き感が出る。
切り口に炭を塗って自然な風合いに
渡来さんはまず白樺の木を1本建てた。
「白樺は鋏を入れ、イメージする高さや枝ぶりを整えます。カットしたての白っぽい切り口には炭を塗り、風雨にさらされた自然な雰囲気にします」
低木用に3種類のコニファーを準備。柔らかなヒムロスギと、ぽってりとしたブルーバードは低木に。シルバーがかった明るい葉色のブルーアイスは木立ちに見立てた。
「使うのはほんの僅かな量なので、リースやスワッグを作る際に落とした部分を活かして作ることもできます」
最後に、木の実をたくさんアレンジし、赤いサンキライの実をあしらい、カラスウリを白樺にからませれば完成だ。
木の実のストックでリースを作る
「ずいぶん溜まったので、木の実を使ってリースを作りました」
ドリルで木の実に2mmほどの穴を開けてワイヤーを通していく。
ひと口にユーカリと言っても色も形も様々。個性豊かな表情が活きるリースができた。
「慣れない内は通す順番を決めて規則性に則って作るとよいと思います。好みのサイズになったらワイヤーの端と端をつなげて輪にします」
この木の実のリースをベースに、シーズンのアレンジを加えても楽しいかも。