自由な発想で盆栽を。Part1 水やりと陽あたりをクリア マンションで楽しむ“NEO盆栽”

自由な発想で盆栽を。Part1陽当たりと水やりをクリア
マンションで楽しむ“NEO盆栽”

伝統の盆栽を現代の暮らしに

今、海外でも注目を集めている盆栽。小さな鉢の中に、自分の手で大自然をつくっていくのが醍醐味だ。盆栽家の樹弥沙さんは、伝統的な盆栽の基本を守りながらも、自由な発想で楽しむ新しいスタイルを提案している。
「師匠から授かったのは、多くの人に興味を持ってもらえる盆栽をつくること。既成概念にとらわれず、日常の中で自由に楽しんでいただけたら」。
そんな樹さんが生徒さんと交流する中で気づいたのは、盆栽のふたつのハードルだ。大切に育てていてもどうしても枯らしてしまうこと、日の当たる屋外で楽しむべき盆栽だが、ちょうどよい場所がないこと。敷居を高くしている盆栽のそんな悩みに基づいて考案したのが、自分でつくれるキット「NEO盆栽」だ。
樹先生のお宅の玄関を彩っていたNEO盆栽。日当たりのよい場所でなくても大丈夫。小さな庭が室内に再現される。

樹先生のお宅の玄関を彩っていたNEO盆栽。日当たりのよい場所でなくても大丈夫。小さな庭が室内に再現される。

NEO盆栽はキットになって販売中。ガラスのドームに2種類の土、水をはけさせるための底穴プレート&ストロー、LEDライトがセット。これに苔と好みの苗木を用意する。

NEO盆栽はキットになって販売中。ガラスのドームに2種類の土、水をはけさせるための底穴プレート&ストロー、LEDライトがセット。これに苔と好みの苗木を用意する。

世界初! NEO盆栽制作スタート

「NEO盆栽」は、高さ30cmほどのガラスのドームの中に盆栽をアレンジし、自然を再現するもの。特殊な光量のLEDライトを照射して光合成を促すことにより、枯らしてしまうリスクを減らして、家の中でも樹の成長を楽しむことができる。
「盆栽は本来、屋外で楽しむものですから、屋内でも枯らさず楽しむためにはどうしたらよいか試行錯誤しました。そこで「クロスワークス」さんと共同で開発したのがNEO盆栽です。根腐れしないように土の部分を二層にするシステムを導入し、調光機能がついた「Mosslight」を使用。世界で初めて、家の中で楽しめる盆栽が誕生しました」。
ドームの中で水が循環するように考案されているので、水やりは2カ月に1回くらいでOK。出張や旅行で家を空けることも可能だ。マンションの一室でも育てることができて、インテリアとしても楽しめる、願ったり叶ったりの「NEO盆栽」の制作プロセスをご紹介する。
今回使うのは落葉樹のカエデ。まずチリチリした葉をハサミで切り落として、樹の形を整える。

今回使うのは落葉樹のカエデ。まずチリチリした葉をハサミで切り落として、樹の形を整える。

苗をポットから出して、箸の腹で表面の土をキレイにならす。 

苗をポットから出して、箸の腹で表面の土をキレイにならす。 

土の半分より下の方の根を箸でほぐしていく。

土の半分より下の方の根を箸でほぐしていく。

あまり水を吸わない太い根を中心にほぐすとよい。 

あまり水を吸わない太い根を中心にほぐすとよい。 

ほぐした根っこをハサミでカット。丸っとさせる。

ほぐした根っこをハサミでカット。丸っとさせる。

20cmくらいの針金を用意し、底穴プレートに通す。 

20cmくらいの針金を用意し、底穴プレートに通す。 

苗をプレートに載せ針金をねじって固定する。余った針金はハサミでカット。

苗をプレートに載せ針金をねじって固定する。余った針金はハサミでカット。

やや斜めに傾けながら、慎重にガラスドームの中に入れる。

やや斜めに傾けながら、慎重にガラスドームの中に入れる。

泥水を吸い上げるためのストローを底穴プレートに立て、大粒の粗い土を下の方に入れる。

泥水を吸い上げるためのストローを底穴プレートに立て、大粒の粗い土を下の方に入れる。

その上に粒の細かい土をかぶせていくき、大粒の土をまんべんなく覆うようにする。

その上に粒の細かい土をかぶせていき、大粒の土をまんべんなく覆うようにする。

ストローの先が少し出るくらいまで細かい土をかぶせたら、箸で全体をならす。

ストローの先が少し出るくらいまで細かい土をかぶせたら、箸で全体をならす。

少し色づきかけたカエデが粋。下部に水がたまる空洞ができている。

少し色づきかけたカエデが粋。下部に水がたまる空洞ができている。

根腐れを防いで長く楽しむ

石をあしらうなどして、イメージした自然界をつくりあげたら、仕上げの作業に入る。
「根腐れしてしまうのが、試作当初の悩みでした。色々試した末、開発されたのが底穴プレートです。このプレートがあることによって、土の下に水がはける空洞ができ、根腐れを防ぎます」。
土は、炭入りで腐りにくい粗い土と細かい土の2層で構成。制作時のみ、上からじゃぶじゃぶとたっぷり水やりをして、ストローの穴からスポイトなどを使って、プレート下にたまった水を吸い上げておく。
「あとは土の乾燥具合を見て水やりをしますが、だいたい2カ月に1回、おちょこ1杯分くらいあげれば大丈夫です。LED照射だけで大きく育っていく過程を、お部屋の中で楽しんでください。自然のスピリットを大事にしながら、長く愛でていただければと思います」。
苔を載せ、箸で上から押して土とならす。

苔を載せ、箸で上から押して土とならす。

下の大粒の土まで届くように、水をたっぷりと上からかける。

下の大粒の土まで届くように、水をたっぷりと上からかける。

底穴プレートの下にたまった水を、ストローの口からスポイトを使って吸い上げる。根気よく水がなくなるまでしっかり行う。

底穴プレートの下にたまった水を、ストローの口からスポイトを使って吸い上げる。根気よく水がなくなるまでしっかり行う。

ストローの口に石を置いて穴を隠す。

ストローの口に石を置いて穴を隠す。

蓋をかぶせLEDライトを点灯して完成。

蓋をかぶせLEDライトを点灯して完成。

盆栽家・樹弥沙さん。「Bonsai盆々。」として、自由に楽しめる時代に寄り添った盆栽を提案。様々なワークショップも開催。「NEO盆栽」の価格などのお問い合わせ、ご購入は「Bonsai盆々。

盆栽家・樹弥沙さん。「Bonsai盆々。」として、自由に楽しめる時代に寄り添った盆栽を提案。様々なワークショップも開催。「NEO盆栽」の価格などのお問い合わせ、ご購入は「Bonsai盆々。」まで。

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