春の寄せ植えを楽しむ密に植えれば、作ってすぐに
ナチュラルな寄せ植えに
カゴ+コケで器を作る
『輪(りん)』のガーデンデザイナー、荒木敬司さんに教えていただいた寄せ植えは、作り終わった瞬間にギュッと密な見栄えになり、花束のような愛らしさが魅力だ。
ちなみに寄せ植えを普段どおりに作ると、植えたばかりの時は足元が少し寂しい感じになり、植物の成長を待ったなければならない。
ちなみに寄せ植えを普段どおりに作ると、植えたばかりの時は足元が少し寂しい感じになり、植物の成長を待ったなければならない。
この新感覚の花束寄せ植えのポイントは2つ。
①密に植え込む。
「ポット苗の土を極端に落とすと、たくさんの種類を寄植えすることができます」
②コケでカゴをカバーする。
横から見ても緑に包まれた風合いのある寄せ植えは、カゴをハイゴケでカバーしているから。
「アンティーク調に加工されたカゴを使いました。把手がついているカゴなので、吊るしてもいいし、水やりのために移動させるのも便利です。
ハイゴケの代わりに水苔やココヤシの繊維を使う方法もあります」
ひとつのカゴに8種類の植物がギュッと寄せ植えされている。まるで庭からそのまま移し替えたような完成度が魅力。
ガーデンデザイナーの荒木敬司さん。Tokosie読者のために、ベランダや室内で楽しめる寄植えを作っていただいた。
左の植物すべてが右の小さなカゴに収まってしまう! 【用意するもの】カゴ、ハイゴケ、培養土、土入れ、ビニール、はさみ、割り箸。植物は左端から時計回りに、コケモモ、オダマキ(チョコレートソルジャー)、ハニーサックル、斑入りコロニア、ラナンキュラス、コツラ、ムスカリ、ミセバヤ。
カゴにハイゴケを敷く。外側にコケの新芽が来るように置く。
苔玉などに使われることの多いハイゴケは強く成長も早い。
カゴの内側からハイゴケを押し当てて外側に出すように敷き詰めていく。
隙間ができていないか満遍なくチェック。日に透かせるとわかりやすい。
土を入れるためのビニールは、ところどころに排水のための穴を開ける。「ビニールを使わなくても、また新聞紙等でも良いのですが、ビニールを使えば土が流れ出にくいですし、植え替えの際に取り出しやすく便利です」
ハイゴケの上にビニールを敷き、市販の培養土を3分の1程度の深さまで入れる。「この段階でははみだしたビニールをまだカットしないでください」
土をなるべく落として密に植える
たくさんの植物を密に植えるためには、土をなるべく落とすのがポイントだ。
「このサイズのカゴに寄せ植えをするなら、普通ならポット4つぐらいしか入りませんが、土を落とせば8種類10ポットぐらい入れることができます」
「このサイズのカゴに寄せ植えをするなら、普通ならポット4つぐらいしか入りませんが、土を落とせば8種類10ポットぐらい入れることができます」
ただ、土を落とす際どうしても根が傷ついてしまうので、根を切られるのを嫌がる植物を選ばないようにする。
「水栽培で育てられたムスカリはそのまま、土に植えられた状態でも土を水洗いして落としてしまっても問題ありません」
中心になる植物から順に植えていく。植える際は、なるべく密になるよう心がける。
「あえて植物同士を倒して隙間を作り、その場所を埋めるようにギュッと植えていくのがコツです。バランスを見ながら、植物の位置を再構成するように寄植えします」
カゴの準備ができたら、いよいよ寄せ植えをしていく。
ラナンキュラスの土は優しく落とす。「ラナンキュラスの花は5~6月くらいまでですが、花の後は葉を楽しめます」
ムスカリは水栽培で販売されていたものをそのまま使う。
根が長いものは切らずに巻いて植えてもよい。
シックなチョコレート色の花が咲くチョコレートソルジャー(オダマキ)を加える。
根の短いコツラを植える時は、下に用土を足して高さを合わせる。
根本が密になるように、隙間を探して植えるスペースを作る。
寄せ植えの最後は隙間にミセバヤを。「ミセバヤは多肉植物なので根付きやすいです。隙間にミセバヤを何箇所かに分けて植えていくとよいです」
葉色や葉の形が違うものをMIX
植物を選ぶ際、隙間を埋めていく多肉植物と、鉢にしだれるような姿形のものを加えると、より自然な感じにまとまりが出る。
「今回はしだれる植物にコケモモを選びましたが、アイビーでもよいです」
「今回はしだれる植物にコケモモを選びましたが、アイビーでもよいです」
斑入りの植物を選んだり、葉色や葉の形の違うものを組み合わせるのが、センスの良い寄せ植えを作るコツだ。
「今回は春に花を咲かせる植物を使い、すぐに楽しめる寄せ植えを作りましたが、ミセバヤは秋に花を咲かせますし、他の植物も葉色の変化を晩秋まで楽しめると思います」