存在感のある植物を引き立たせる鉢を
ビザールプランツ(ビザールには珍奇、風変わりという意味がある)の摩訶不思議なフォルムに魅せられた愛好家たちは、自然とそのビザールプランツを植える鉢にも、独特な世界観を作り出してくれるものを注意深く選ぶようになった。
特に陶芸家の手によるハンドメイド作品の存在感に注目が集まっている。ひとつとして同じ形のものがない植物と、ひとつひとつ表情の違う作品を組み合わせる楽しみを堪能したい。
ビザールプランツの人気とともに、鉢の魅力を伝えたショップが『TOKY』だ。〈invisible ink〉などの魅力的な鉢をいちはやく見出し、陶芸家とともにショップオリジナルの鉢を多数制作している。
「希少な植物、手に入れにくくなった鉢に注目が集まりがちですが、子株が出てくるおもしろさを楽しめるアロエやアガペなど、ユニークな形の植物で、かつ手に入れやすく育てやすい種類がたくさんあります。植木鉢を末永く楽しんでいただけるよう、様々な植物+POTの組み合わせを提案していきたいと考えています」と『TOKY』ディレクターの藤原連太郎さん。
様々な種類の植物で鉢を楽しみたい
茶道、華道、料理では当たり前だった”器”の楽しみが、数年前からやっと園芸の世界にやってきた(昔から盆栽愛好家は鉢にこだわっていたけれど)。
きっかけはビザールプランツだったかもしれないが、鉢の楽しみを知ってしまったからには、もうあとには戻れない。
気に入った鉢に、苔や蘭、垂れ下がる観葉植物を植えたっていい。
型にとらわれず、自由な発想で植木鉢を楽しみたい。
株に合った鉢を選ぼう
植木鉢とひとくちに言っても、高い温度で焼き締められたもの、ラフな素焼きの鉢、釉薬がかかっているものなど様々な種類がある。また背の高いもの、浅いもの、鉢穴の空き方の違いで、同じように水やりをしているつもりでも、乾き方は鉢によって変わってくる。また植物によって、根が横に張るもの、まっすぐ伸びるものという違いもある。
「特にコーデックスは、植物に合った鉢のサイズを選ぶことが大切です。原生地で岩の割れ目のようは土の少ない環境で生えている種類は、土が多すぎると美しい株姿に育ち難いです」と藤原さん。
口がすぼまっている植木鉢などは、植替えしづらいことを考えておく必要もあるそうだ。
奥が深い植物と鉢の楽しみ。今後、さらに進化していくに違いない。
information
『TOKY』
ネットショップからスタートした『TOKY』が、東日本橋に実店舗をオープン。実際に目で見て、手にとって、気に入った鉢を選ぶことができるようになった。
東京都中央区東日本橋3-3-17 RE-KNOW東日本橋5C
☎03-3527-2767
実店舗のオープンは月に数度(不定期)。ネットで開店日をチェックのこと。営業時間/12:00~19:00