
美術館のような植物屋一点物の植物と出合える
Qusamura Tokyo
〝いい顔してる植物”をコンセプトに、独自の美しさを提案する広島の植物屋「叢 – Qusamura」が東京に初進出。わざわざ足を運んでくれる人にじっくりと植物に向き合って欲しいという思いで、あえて世田谷の住宅街の奥にオープンした。
いい顔してる個性的な植物
植物の美しさは、シルエットだけではなく“生きる様”が魅力なのだそう。まず、育てる過程で枯れないこと。そのためには家の環境に合った植物を選ぶことが大切。置く場所の光の量や風の通り方を確認した上で、そこに適したものを選ぶことが前提になる。その上で、植物の造形や肌感などの個性は、自分の感覚で選ぶ。
叢で扱う多肉植物やサボテンは、10〜50年ものが多く、年季の入ったものほど個性が出て、木化などの経年変化が骨董品のような魅力になる。ちなみに一般的な植物屋では、木化を魅力と捉えずに、傷や経年変化が出ないように植物を育てるそう。


大学卒業後、海外放浪生活中に出会ったフラワーアーティストによる空間演出に感銘を受け、2012年に独自の美しさを提案する植物屋「 叢 – Qusamura 」を設立。

時間を存分に蓄えた風貌が特徴。剥がれ落ちかけた表皮を見ていると、古のフレスコ画を彷彿とさせるそう。
空間に馴染む
静かな存在感
小ぶりながらも静かな存在感を放つ鸞鳳玉 (らんぽうぎょく) の群生球は、大きさの異なる個体が身を寄せ合うように並ぶ姿が、親鳥を待つツバメのようなかわいらしい佇まい。
紫肌黒王丸 (むらさきはだこくおうまる) は、樹齢30年の存在感のある個体。強い太陽光によって紫がかる魅惑的な肌も持ち、切断されても子株を吹き続ける生命力の強さが魅力。この個性的な植物には、植物の特徴が浮かび上がるように極めてシンプルな既製品の鉢があしらわれている。
小さな鉢を複数並べるのもオススメ。管理の条件を揃えればあとは感覚的に選んでよいそう。今回、小田さんにセレクトしていただいたのは、接ぎ木によるシルエットが個性的な松露玉(しょうろぎょく) と、作り物のような肌が美しい白玉 (はくぎょく)、親木として体をもぎ取られながらも生長を続ける天紫丸綴化 (てんしまるてっか)。
まずは、美しい個性を持ちながらも空間に馴染みやすい植物から取り入れてみてはいかが?

親木として胴切りされ群生球となった個体。横から眺めるときれいに配列された寄植えのように見える。


ほんのりと紫がかった美しい植物。
木化した個体は、骨董品のような味わいになるのも魅力のひとつ。
植物の美しさを際立たせるために選ばれた鉢は、無味無臭のプロダクト。

左から松露玉(しょうろぎょく) ¥45,000 白玉 (はくぎょく) ¥30,000 天紫丸綴化 (てんしまるてっか) ¥55,000

一鉢置くだけで様になる
力強い存在感
石積みアートを思わせるアンバランスなフォルムが魅力の鸞鳳玉 (らんぽうぎょく) は、石そのもののような硬質な肌が特徴。胴切りされ、頭頂部に子株を一つ吹いた個性あるシルエットに惹かれる。
螺旋般若 (らせんはんにゃ) は、接ぎ木により二つの植物を接ぎ合わせたもの。台木の木化が激しく起こったためにユニークな現代アートのような佇まいに。
コレクター必見の竜虎綴化 (りゅうこてっか) は、生長点の突然変異によって扇状に生長し、稜が襞のようになり独特な風貌になった個体。圧倒的な存在感を放つ個体には、陶芸家による繊細かつ力強い器が合わせられている。


石積みアートを思わせるユニークなシルエット。よく見ると上部の個体の活着面はほんのわずか。生きる力が作り出した絶妙なバランスに惹かれる。

程よい高さの植物は、テーブルに並べるだけでなく、床置きもオススメ。あらゆる目線からの造形や風貌を楽しんで。



菊水の般若接ぎ。接ぎ木により生まれたみずみずしい子株と、経年により茶色くなった活着面がひとつの個体に。

突然変異を起こした後に元の姿へ先祖返りした希少な植物。生長過程を物語る肌や造形が強い存在感を放つ。店主が愛培家さんへ6年もの間交渉を続けて入手したそう。
空間のコンセプトは境界線





Qusamura Tokyo
03-6379-3308
東京都世田谷区代田4-3-12
Open 13:00 – 19:00 (火曜定休)
商品価格は、消費税別の本体価格です。
1点もののため、 売り切れている可能性があります。