都心を一望する36㎡の大空間  ふたりのベースキャンプを 無国籍インテリアで彩る

都心を一望する36㎡の大空間無国籍ミクスチャーに彩る
ふたりのベースキャンプ

ロフト付き物件にひと目惚れ

結婚を機に新居を探した、アウトドアコーディネーターの高野祐利恵さんと会社代表の高野俊介さん。見つけたのは、下町情緒を残しつつ都心へのアクセスもよいデザイナーズ物件だった。
「都心に近いとどうしてもコンパクトになってしまいますが、アウトドア用品など荷物が多いので悩んでいました。ここは36㎡ですがロフトがついていて広く使うことができるんです」。
ロフトがあるため天井高も高く、ベランダからは遮るもののない街の景色が広がる。開放感に溢れた空間に、ひと目見て即決したそう。
「ベランダからは新幹線や飛行機が通るのが見えるんですよ。夜は特にチカチカ光ってきれいなんです」。
すのこを敷いたベランダではPCを見たり、コーヒーを飲んだり。高層での都心らしい暮らしを楽しんでいる。
ロフトから眺めるリビング。ほぼ天井まである開口から光が室内に届けられる。

ロフトから眺めるリビング。ほぼ天井まである開口から光が室内に届けられる。

中央はフィン・ユールのポエトソファーのレプリカ。ヴィンテージのローテーブルはスローハウスで購入したもの。

中央はフィン・ユールのポエトソファーのレプリカ。ヴィンテージのローテーブルはスローハウスで購入したもの。

ベランダの向こうに都心の景色が広がる。ブラインドはほとんど下ろさず、開放感を楽しんでいるそう。

ベランダの向こうに都心の景色が広がる。ブラインドはほとんど下ろさず、開放感を楽しんでいるそう。

高野俊介さんと祐利恵さん。改造したバネットで、長期の旅行に出かけることも多い。

高野俊介さんと祐利恵さん。改造したバネットで、長期の旅行に出かけることも多い。

正方形の部屋に丸テーブルを

月2回ほどキャンプに出かけるという高野さんご夫婦。
「いちど出かけると長いので、家にいないことも多いんです。だからここは私たちにとって休憩所のような、ベースキャンプのような場所(笑)。寛げる家にしておきたいですね」。
アウトドア用品のほとんどはロフトへ。見せていいもの、見せたくないものを分けて、カーテンなどで目隠ししつつ収納している。
「とにかく狭いので上を活用して、下はすっきりとさせています」。
コンパクトなキッチンは、ワゴンを使ってスペースを確保。サブウェイタイルを貼りアレンジを楽しんでいる。
「実はまだ完成途中で(笑)。お料理は大好きなので、炊飯器を置く代わりに鋳物のお鍋でご飯を炊くなど、狭いながらも工夫して楽しんでいます」。
そんなおふたりが新居に越して最初に購入したのは、アルヴァ・アアルトのダイニングテーブル。
「正方形の間取りなので、丸テーブルを置きたいと思ったんです。そこから北欧の家具を揃えるようになりました」。
というのは俊介さん。インテリアは主に、俊介さんが中心にコーディネートしているのだそうだ。
ロフトへはキッチン横のハシゴから。

ロフトへはキッチン横のハシゴから。

ラグを敷いて小部屋のような雰囲気に。

ラグを敷いて小部屋のような雰囲気に。

キャンプ用のウエアはロフトの奥に収納。

キャンプ用のウエアはロフトの奥に収納。

「料理するなって言われてるみたい(笑)」というコンパクトなキッチンでも、工夫を施してしっかり調理。キッチン台の下はAEGのランドリー。

「料理するなって言われてるみたい(笑)」というコンパクトなキッチンでも、工夫を施してしっかり調理。キッチン台の下はAEGのランドリー。

有効ボードに調理器具を吊るして収納。2口のガスコンロでは、ストウブ×スノーピークのコラボ鋳物鍋が活躍している。サブウェイタイルは施工途中…。

有効ボードに調理器具を吊るして収納。2口のガスコンロでは、ストウブ×スノーピークのコラボ鋳物鍋が活躍している。サブウェイタイルは施工途中…。

ワゴンを活用することで、作業スペースを有効に。

ワゴンを活用することで、作業スペースを有効に。

コーヒーをドリップする俊介さん。

コーヒーをドリップする俊介さん。

この部屋に入居して最初に購入したアアルトの円形テーブルとチェア。天板、座面の黒が空間を引き締める。

この部屋に入居して最初に購入したアアルトの円形テーブルとチェア。天板、座面の黒が空間を引き締める。

旅で出会ったモノをインテリアに

アアルトのダイニングテーブルをきっかけに、インテリアにはまっていったおふたり。
「北欧のものが多いのですが、アートや雑貨などはメキシコ、インド、ルーマニアなど、本当に色々、ミクスチャーです。好きなものを置いているだけですね」。
北海道旅行で買ってきた木彫りのクマや、アイヌのハンドメイドのお土産品なども。
「最近は民藝品にはまっていて、どんどん増えていってる感じです。旅に出て作家さんの作品にひと目惚れして買ってしまうことも多いです」。
タイやベトナムの笠帽子など、まったく普通の日用品も、この空間ではセンスのいいオブジェに見えてしまうから不思議。
「結婚して初めての部屋なので、好きにインテリアをアレンジしたいと思っています。最初は殺風景だったのですが、どんどん変わっていっていますね」。
おふたりのベースキャンプが、旅を重ねながらこれからどう変化していくか、楽しみだ。
イタリアのグラフィックデザイナーA.G.Fronzoniのポスター、カリフォルニアのジョージ・ピーターソンの白いテーブルなど、国籍も様々なインテリアが調和。

イタリアのグラフィックデザイナーA.G.Fronzoniのポスター、カリフォルニアのジョージ・ピーターソンの白いテーブルなど、国籍も様々なインテリアが調和。

北欧ヴィンテージのチェストにお気に入りの作品を飾る。鏡はIKEAのものを祐利恵さんがリメイク。壁掛けは稲藁でアートを創り続けるARKO氏の作品。

北欧ヴィンテージのチェストにお気に入りの作品を飾る。鏡はIKEAのものを祐利恵さんがリメイク。壁掛けは稲藁でアートを創り続けるARKO氏の作品。

ネットで購入したインドネシアのハシゴには、タイの笠帽子やアフリカのクロスなどをさり気なくディスプレイ。

ネットで購入したインドネシアのハシゴには、タイの笠帽子やアフリカのクロスなどをさり気なくディスプレイ。

ロンドンの蚤の市で購入した名もなきアーチストの油絵。芸術家・小林眞氏のマスクのオブジェはこの部屋のアクセント。

ロンドンの蚤の市で購入した名もなきアーチストの油絵。芸術家・小林眞氏のマスクのオブジェはこの部屋のアクセント。

流木を使ったアート。クチバシとウロコから鳥を模したものと思われる。「何か惹かれるものがあったんです」。

流木を使ったアート。クチバシとウロコから鳥を模したものと思われる。「何か惹かれるものがあったんです」。

北海道で買った木彫りのクマは、柴崎重行氏の作品。安藤忠雄氏の本は、祐利恵さんのお父さんから俊介さんへのプレゼント。

北海道で買った木彫りのクマは、柴崎重行氏の作品。安藤忠雄氏の本は、祐利恵さんのお父さんから俊介さんへのプレゼント。

インド出身のデザイナー、アユール・カスリワルのBowl Table。収穫後のマンゴーの木を使用したエシカルな作品。

インド出身のデザイナー、アユール・カスリワルのBowl Table。収穫後のマンゴーの木を使用したエシカルな作品。

瀬尾健一氏の木彫りのハサミは、アイヌのアーティストのお店で。手の込んだ彫刻が気に入っている。

瀬尾健一氏の木彫りのハサミは、アイヌのアーティストのお店で。手の込んだ彫刻が気に入っている。

かつて使用していたアメリカの古いアイロン台の上に、メキシコの置き物やカウベルをディスプレイ。

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アウトドアコーディネーター・高野祐利恵さん。著書に「THE GRAMPINGSTYLE〜ユリエの週末ソトアソビ〜」(KADOKAWA )がある。

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