H.P.DECOスタッフの小部屋好きなものを愛でる
アートな暮らし
ギャラリーのような階段を通って
『H.P.DECO』でディスプレイデザインを担当する北濱有樹さん。妻・香織さんとの新居に選んだのは、中庭や隣家の緑の借景に恵まれた賃貸の1室だ。
「南側にも北側にも窓があり、光が通り抜けるんです。まわりの自然を活かした造りに、大家さんの美意識を感じますね」。
ファッショングラフィックの仕事に携わる香織さんは、当初、打ち放しなどのインダストリアルな空間を希望していたそう。
「妻はマテリアル感のある空間が良かったのですが、僕はそれだと箱の印象が強くなりすぎてしまうかなと。自分たちが持っている家具を引き立てるためには、やはり自由が効く白い空間がいいという考えに、最終的に落ち着きました」。
玄関を入ると、階段をあがって2階の居住スペースへ。階段の途中には、おふたりがそれぞれ制作した作品が飾られ、静謐なギャラリーに招かれたかのよう。
「南側にも北側にも窓があり、光が通り抜けるんです。まわりの自然を活かした造りに、大家さんの美意識を感じますね」。
ファッショングラフィックの仕事に携わる香織さんは、当初、打ち放しなどのインダストリアルな空間を希望していたそう。
「妻はマテリアル感のある空間が良かったのですが、僕はそれだと箱の印象が強くなりすぎてしまうかなと。自分たちが持っている家具を引き立てるためには、やはり自由が効く白い空間がいいという考えに、最終的に落ち着きました」。
玄関を入ると、階段をあがって2階の居住スペースへ。階段の途中には、おふたりがそれぞれ制作した作品が飾られ、静謐なギャラリーに招かれたかのよう。
アイデアを活かした魅せる空間
「ブランドや時代、国籍関係なく好きなものをミックスしています。家具は古いものばかりですが、古いものの中にも新しいものが共存している空間が落ち着きますね」。
ベージュを基調にした全体の色合いと、家具などが持つ繊細な曲線、そこにガラスや鉱物、陶器などのマテリアル…。LDKに足を踏み入れると、独創的な雰囲気が広がっていた。
「ここに引っ越してきてから買い足した家具もあります。選ぶときは必ず図面を起こして、空間に対してどのくらいのボリュームを占めるか、確認をしてから購入しました」。
使い込んだ味わいの飴色のダイニングテーブルは、幅と奥行きがこの空間にぴったり合った。
「4人がけでこのサイズ感のものを見つけるのはなかなか難しかったんです。脚の装飾も好きですが、実は高級すぎず、適当に荒削りなところのあるつくりが気に入っています(笑)」。
東側の壁面にはスタチュースタンドを置き、その上にASTIER de VILATTEのフラワーベースを。左右にはシンメトリーにクラフトペーパーを額装したものを飾った。
「壁の余白が気になって、ここに大きい黄色い作品が欲しいと思っていたんです。左側は近所の神社の骨董市でたまたま買った和紙を使って額装しました」。
インターホンを隠すため、塗料やスプレーを使って風合いを出した布を壁の一部にあしらうなど、至るところに手がかけられている。
ベージュを基調にした全体の色合いと、家具などが持つ繊細な曲線、そこにガラスや鉱物、陶器などのマテリアル…。LDKに足を踏み入れると、独創的な雰囲気が広がっていた。
「ここに引っ越してきてから買い足した家具もあります。選ぶときは必ず図面を起こして、空間に対してどのくらいのボリュームを占めるか、確認をしてから購入しました」。
使い込んだ味わいの飴色のダイニングテーブルは、幅と奥行きがこの空間にぴったり合った。
「4人がけでこのサイズ感のものを見つけるのはなかなか難しかったんです。脚の装飾も好きですが、実は高級すぎず、適当に荒削りなところのあるつくりが気に入っています(笑)」。
東側の壁面にはスタチュースタンドを置き、その上にASTIER de VILATTEのフラワーベースを。左右にはシンメトリーにクラフトペーパーを額装したものを飾った。
「壁の余白が気になって、ここに大きい黄色い作品が欲しいと思っていたんです。左側は近所の神社の骨董市でたまたま買った和紙を使って額装しました」。
インターホンを隠すため、塗料やスプレーを使って風合いを出した布を壁の一部にあしらうなど、至るところに手がかけられている。
中間にあるノンカラーが好き
家具や雑貨のセレクトと配置にも、こだわりが隠されている。
「飴色のダイニングテーブルが空間の中心ですが、そのカラーに合わせると全体が重くなってしまいます。そこでイスはあえて塗装を剥がして無垢に仕上げてあるものを4脚揃えました。スタチュースタンドも同じく無垢、キャビネットなども軽い色合いのものでつなげ、そこにディテールでゴールドを足しています」。
色や素材を違えながら、全体に統一感を生んでいるのは、ディスプレイのプロならでは。有樹さんが好きだというマーブル模様も、さり気なく華やかな雰囲気を添えている。
「単一ではなく、何色ともつかないノンカラーな色彩が好きなんです。古いものがなぜ好きかというと、経年により単調ではなくなっているから。そういう中間にある、何ともいえないものをあしらいたいですね」。
「飴色のダイニングテーブルが空間の中心ですが、そのカラーに合わせると全体が重くなってしまいます。そこでイスはあえて塗装を剥がして無垢に仕上げてあるものを4脚揃えました。スタチュースタンドも同じく無垢、キャビネットなども軽い色合いのものでつなげ、そこにディテールでゴールドを足しています」。
色や素材を違えながら、全体に統一感を生んでいるのは、ディスプレイのプロならでは。有樹さんが好きだというマーブル模様も、さり気なく華やかな雰囲気を添えている。
「単一ではなく、何色ともつかないノンカラーな色彩が好きなんです。古いものがなぜ好きかというと、経年により単調ではなくなっているから。そういう中間にある、何ともいえないものをあしらいたいですね」。
好奇心を満たす暮らしを
色合いのあるLDKに対して、ベッドルームはモノトーンでまとめた。
「シンプルすぎずモダンすぎず、寛げるよう色を抑えた中に“キャビネ・ド・キュリオジテ”のような好奇心を掻き立てるオブジェを取り入れました」。
好奇心の戸棚という意味のキャビネ・ド・キュリオジテは、15〜18世紀のヨーロッパの貴族達のアート文化。そのエスプリがシンプルな中にも活かされている。
「アンティークジュエリーと植物の古い本からとった絵柄を、カーテンにプリントしました。夜は窓越しに柄が浮かび上がって、幻想的な感じになりますよ」。
窓辺には海外のショップや蚤の市、ネットで見つけた石膏やモールド(型)などをディスプレイ。窓越しのグリーンと青い空とともに楽しんでいる。
「時代がわかるものよりも、時代に埋もれたもの、流行らなかったものが好きなんです。こんなものがあったんだ、というようなものを見つけて、これからも楽しんでいきたいと思っています」。
「シンプルすぎずモダンすぎず、寛げるよう色を抑えた中に“キャビネ・ド・キュリオジテ”のような好奇心を掻き立てるオブジェを取り入れました」。
好奇心の戸棚という意味のキャビネ・ド・キュリオジテは、15〜18世紀のヨーロッパの貴族達のアート文化。そのエスプリがシンプルな中にも活かされている。
「アンティークジュエリーと植物の古い本からとった絵柄を、カーテンにプリントしました。夜は窓越しに柄が浮かび上がって、幻想的な感じになりますよ」。
窓辺には海外のショップや蚤の市、ネットで見つけた石膏やモールド(型)などをディスプレイ。窓越しのグリーンと青い空とともに楽しんでいる。
「時代がわかるものよりも、時代に埋もれたもの、流行らなかったものが好きなんです。こんなものがあったんだ、というようなものを見つけて、これからも楽しんでいきたいと思っています」。